ごみかんニュース第7号

【目次】

講演会「環境新世紀」

八丈町デポジットの意義

デポ2周年町長インタビュー

「パンフ」デポジットの島・八丈

「本」だれでもできるデポジット

マスコミウォッチング

秋になってきれいな夕焼け雲が見られるようになってきました



デポジット2周年記念講演会

「環 境 新 時 代」

元出雲市長・現衆議院議員 岩國哲人氏講演


★日時:10月5日D午後7時〜9時
★会場:七島信用組合 2階


 日本政府が自動車のフロンガス回収の義務づけを先延ばししている間に、南極上空のオゾンホールは過去最大規模に発達し、地球上の生物を重大な危機に追い込んでいます。また南極では、今年に入り氷がどんどん溶け出すような急激な気温上昇も起きています。地球環境を守ることは全人類の切迫した課題であり、日本だけがこれに後れをとることは許されないでしょう。
 八丈町はデポジット事業を軌道に乗せ、ゴミ問題解決へ向けて大きな一石を投じてきましたが、さらにこの成果を発展させ国レベルでの環境問題解決へとつなげて行かなくてはなりません。そこで今回、衆議院議員の岩國哲人氏を迎え、日本が取り組むべき環境対策の方向性をお話ししていただく機会を得ることができました。
 岩國氏は、出雲市長時代、「おかえりボトル」という名のデポジットを日本で初めて実施するなど、環境問題にも積極的に関わって来られました。世界的な視野で活躍を続け、地方自治のベテランとしても著名な方のお話を、できるだけ大勢の方にぜひ聴いていただきたいと思います。

岩國哲人(いわくにてつんど)氏 プロフィール
1936年大阪生まれ。出雲で育つ。東京大学法学部卒。日興証券等を経て、世界最大の投資銀行メリル・リンチ社に入社して活躍。在職中、郷里出雲市の人々の熱心な要請に応えて、出雲市長に転身。ユニークな新政策を次々に実現し、注目を浴びる。国の経済審議会委員などを歴任。1996年,
2000年、衆議院議員当選。米国・バージニア大学経営大学院客員教授。中国(天津)南開大学客員教授。


使い捨ての時代に示した八丈町デポジットの意義


 八丈町デポジットは、2年間の試行期間を終え、新しいステージを迎えた。
 1998年9月1日から実施されたこの飲料容器デポジットは、それまで全国各地で試みられたゴミの散乱防止、環境美化のためだけでなく、今日、大都市圏が直面している廃棄物処分場の行き詰まりを解決するゴミの発生抑制や、製造メーカーに回収責任を求める運動として開始され、その先駆的な試みが全国から大きな注目を集めた。
 第一の目的であるゴミ散乱防止の効果は、80%を超える高い回収率によって明確に証明された。
 また当初から役割が期待されていた“地域おこし効果”は、地熱・風力発電や地熱利用温室団地などの自然エネルギー利用とあいまって、“クリーンアイランド”がマスコミへひんぱんに登場したことによって、成果をあげつつあると言えよう。
 それだけではない。二年間の試行を終えて、我々八丈町民が、全国に成果を誇り得るのは、「日本でもデポジットは可能だ」ということを事実をもって示したことだ。
 いうまでもなく、使用済み容器の回収策、リサイクル率向上のためのデポジットの有効性は、欧米のみならず、韓国・台湾等の制度化によって、国際的に明らかになっていた。
 しかしながら、我が国に於いては、通産省、メーカーなどが口をそろえて「デポジットは不可能」と言い続け、検討すら拒んできた。「不可能」だとする姿勢の根は深く、日本の産業構造の根底に根ざしている。飲料容器を代表とする使い捨て商品の氾濫は、「先進経済国」共通の現象だ。大量生産=大量消費による経済成長が社会を支えている今日、“使い捨て”は“美徳”であり、“物を大切にする”とか“節約をする”とかは、経済の発展を妨げる行為となってしまったのだ。いかに多くの商品を消費するか、中身だけでなく容器をも“使い捨てる”ことによって、消費をさらに拡大し、高度成長は進んでいった。「使い捨て」は経済成長の切り札となっているのだ。トレンディードラマやコマーシャルで、国民は「使い捨て」のカッコ良さ、使いがって良さを“すり込まれて”いった。経済的にも、ライフスタイルとしても「必然」となった「使い捨て」を否定するデポジットなど、「日本では無理だ」と判断するのも企業の論理では無理もないと言えよう。
 しかし八丈島では、デポジットが成功した。何故か。便利で使いがってが良くても、“ポイ捨て”を続ければ自然環境がこわされ、いつかヒトの生活にしっぺ返しを食らうことに、多くの人が気づき始めているからではないだろうか。高度成長や生産の拡大が、必ずしもヒトの幸せとイコールではないと。
 日本ではゴミ問題の解決策として未だにリサイクル・資源化が叫ばれているが、むしろ大量生産・大量消費自体を見直しゴミの発生抑制をすることこそが本当の解決につながるはずだ。「便利さ」だけを求める生き方に「ノー」と言う八丈町デポジットの姿勢は、そんな根本的な解決法のモデルを示したものと言えるだろう。


環境新世紀を住民とともに
デポジット2周年、町長インタビュー


--- 試行期間の延長で、町のデポジット事業は21世紀に引き継がれました。
[町長] 平成10年度から始めたこの事業は、この2年間で町民のみなさまのご理解を得て大きな成果を上げました。回収率が80%を超えていることも、この制度が十分地域に根付いてきたことを示しています。環境問題への住民意識も高まり、町の取り組みも前進しました。また、こうした町の努力を全国にアピールできたことも重要だと考えています。

--- 小売店や住民の協力に支えられている面も大きいと思いますが。
[町長] 小売店の皆さんのご協力には大変感謝しています。販売や回収に手間もかかるし、さまざまのご苦労をおかけしていますが、この事業の趣旨に対するご理解が得られているものと心強く感じています。また、デポジットへの協力の形で行政への住民参加が進んだこともすばらしいことと受け止めています。「ごみかん」の方々、そして婦人会やトラック協会など多くの住民の積極的な支えがあったからこそ、これだけの事業が実現できたのだと思います。地方分権が進む中で、町がかかえる課題を住民に示し、住民が自らの課題としてそれに取り組む行政の仕組みを作っていかなければなりません。7月に視察してきたヨーロッパでも、住民参加が行政運営の根幹を支えていることを知り、その重要性を強く感じました。

--- 視察先の国々では、環境問題への取り組みもすばらしかったそうですね。
[町長] フランス、ドイツ、オランダの3カ国を見てきましたが、さすがに環境対策は徹底しています。オランダでは一定の面積の中で飼える家畜の頭数を制限して、し尿による環境汚染を防ごうとしているほどです。ドイツのお店にはペットボトルなどの使い捨て容器はほとんど並んでいません。ミュンヘンで、重たそうなビン入り飲料のケースを老夫婦が運んでいましたが、リターナブル容器が当たり前のものとして市民に受け入れられていることに感動しました。

--- 今後の町の課題をどうお考えですか?
[町長] 環境問題は21世紀の日本にとって避けられない課題です。デポジットは資源循環型社会を築くために意義の大きい事業であり、町は自然エネルギーの開発に併せて積極的に推進して行かなければなりません。仕組みを改善しながら、参加店をさらに拡大し、国や飲料メーカーに対する働きかけを強めていく必要があります。

--- 都知事は八丈島でうまくいっているデポジットを全国に広げたいと語っています。
[町長] 石原知事は環境庁長官をやっていたこともあり、環境問題にとても熱心で、ディーゼル車の規制などの施策を打ち出しています。私も機会があるたびに八丈町の取り組みをお伝えしていますが、デポジットについては知事選の公約にも掲げたくらい関心を持っていて、日本全体でやるべきだと考えているそうです。そのために他の大都市の首長に呼びかけると言っています。八丈町としても都や他の自治体と協力しながら、全国法制化を求めていきたいと思っています。


『デポジットの島・八丈』

ごみかんのパンフレット

 デポジットのことを観光客や子ども達にももっと知ってほしいという願いから、デポジットの案内パンフレットを8月に発行しました。カラーのイラストや写真をふんだんに入れ、説明文はなるべくシンプルにわかりやすくと心がけました。観光案内所や宿泊施設等においてありますのでご自由にお持ち下さい。なおこれは地球環境基金の助成金で制作しました。


『だれでもできるデポジット』

デポジットの入門書

 そもそもデポジットとはどういうものなのかをわかりやすくまとめた本がやっと出た。もちろん八丈町町長やごみかんメンバーも書いているほか、これまで各地で試みられてきた報告や外国での事例なども詳しい。デポジット法制定全国ネットワークの編集なので法律的な面などもきちんとふれられており、日本でデポジットを実現する際に何が問題となるかなど、これ一冊があればデポジットのことがわかる入門書となっている。島内書店にて発売中。【合同出版刊/151p/¥1300+税】


マスコミウォッチング

●新潟日報(11.10.20)
●NHK首都圏ネットワーク(11.11.6)
 ‥‥八高シンポの様子
●プレジデント
●週間文春(12.2.3)
●読売新聞(12.4.25)
●ラジオ日本(12.4.21)
●NHK(12.4.28)
●フジテレビ‥‥町長インタビュー(12.6.25)
●NHK
●毎日新聞(12.7.17)
●日本経済新聞(12.9.4)
●通販生活(2000.8月・別冊)

イギリスからも注目されています

 イギリス国内で八丈島のことが紹介されるという機会は、けっこう珍しいのではないかと思われますが、昨年、主にイギリスの自治体向けの出版物に、八丈町デポジットが取り上げられていました。日本の自治省の外郭団体であるR自治体国際化協会のロンドン事務所が出したもので、役所のロビーに置いてあれば、一般市民の目にも触れます。
 この「マスコミウォッチング」には、さまざまな八丈デポジットの情報が集まってきますが、中にはこんな英語版も。
●『MYRIAD LEAVES』(1999年)



トップに戻る

ごみかんニュース