環境新世紀を住民とともに
デポジット2周年、町長インタビュー
--- 試行期間の延長で、町のデポジット事業は21世紀に引き継がれました。
[町長] 平成10年度から始めたこの事業は、この2年間で町民のみなさまのご理解を得て大きな成果を上げました。回収率が80%を超えていることも、この制度が十分地域に根付いてきたことを示しています。環境問題への住民意識も高まり、町の取り組みも前進しました。また、こうした町の努力を全国にアピールできたことも重要だと考えています。
--- 小売店や住民の協力に支えられている面も大きいと思いますが。
[町長] 小売店の皆さんのご協力には大変感謝しています。販売や回収に手間もかかるし、さまざまのご苦労をおかけしていますが、この事業の趣旨に対するご理解が得られているものと心強く感じています。また、デポジットへの協力の形で行政への住民参加が進んだこともすばらしいことと受け止めています。「ごみかん」の方々、そして婦人会やトラック協会など多くの住民の積極的な支えがあったからこそ、これだけの事業が実現できたのだと思います。地方分権が進む中で、町がかかえる課題を住民に示し、住民が自らの課題としてそれに取り組む行政の仕組みを作っていかなければなりません。7月に視察してきたヨーロッパでも、住民参加が行政運営の根幹を支えていることを知り、その重要性を強く感じました。
--- 視察先の国々では、環境問題への取り組みもすばらしかったそうですね。
[町長] フランス、ドイツ、オランダの3カ国を見てきましたが、さすがに環境対策は徹底しています。オランダでは一定の面積の中で飼える家畜の頭数を制限して、し尿による環境汚染を防ごうとしているほどです。ドイツのお店にはペットボトルなどの使い捨て容器はほとんど並んでいません。ミュンヘンで、重たそうなビン入り飲料のケースを老夫婦が運んでいましたが、リターナブル容器が当たり前のものとして市民に受け入れられていることに感動しました。
--- 今後の町の課題をどうお考えですか?
[町長] 環境問題は21世紀の日本にとって避けられない課題です。デポジットは資源循環型社会を築くために意義の大きい事業であり、町は自然エネルギーの開発に併せて積極的に推進して行かなければなりません。仕組みを改善しながら、参加店をさらに拡大し、国や飲料メーカーに対する働きかけを強めていく必要があります。
--- 都知事は八丈島でうまくいっているデポジットを全国に広げたいと語っています。
[町長] 石原知事は環境庁長官をやっていたこともあり、環境問題にとても熱心で、ディーゼル車の規制などの施策を打ち出しています。私も機会があるたびに八丈町の取り組みをお伝えしていますが、デポジットについては知事選の公約にも掲げたくらい関心を持っていて、日本全体でやるべきだと考えているそうです。そのために他の大都市の首長に呼びかけると言っています。八丈町としても都や他の自治体と協力しながら、全国法制化を求めていきたいと思っています。