縦波の横波表示による固定端反射・干渉


縦波の固定端での反射を見ると「密」が入射すると「密」が反射されている。この現象を縦波の横波表示で考えてみよう。
 縦波の横波表示では進行向きの変位を+、逆向きの変位を−にとると説明されていることがあるが、 図を見て明らかなように反射波では、進行向きが−、逆向きが+となっている。 これは考えてみれば当然のことである。変位を重ね合わせるわけだから同じ向きの変位の符号が同じでなければならない。
 一直線上の音波の干渉を考えてみる。両側のスピーカーから同じ音・・・左のスピーカーから密が出たとき 右のスピーカーからも密・・・が出ている場合も同様に考えなくてはならない。
 ただし、直線上ではなくスピーカーの前方での干渉を考えるときには進行向きの変位を+として考えることになる。 かなり面倒であり混乱もしてしまう。横波表示ではなく、密度(圧力)で考えればすっきりする。アメリカの教科書などには 横波表示の説明はなく、変位の代わりに圧力を使用している。



10/26 追記 まだまだすっきりしないので・・・・・
 上記のスピーカーの前方で起こっていることであるが、変位で考えるとスピーカーの近くでは 複雑である。両音源から等距離の位置では変位の大きさが同じであるから下図のように 考えることができそうである。
ところが、両音源からの距離が異なり変位の位相がπずれている場合でも
となり変位が打ち消し合うことはない。
 もちろん両音源からの距離が離れていれば、両音源から等距離の位置では変位の大きさは 2倍近くなり、位相がπずれている位置では変位の大きさは小さくなる。
 まとめると、両音源を結ぶ線上では定常波ができ、中央には節ができていて音が大きくなっている。 両音源の近くでは・・・・・????両音源からある程度離れれば水波の干渉と同様に考えることができる。 変位で考えると複雑になってしまう。
 さて、ここまで考えてきたが、はたしてこれが正しいのであろうか? 音源の近くではどう考えればいいのか?音叉を鳴らして耳の近くで回すと干渉を確かめることができるのだから。
 変位の代わりに圧力で考えればすっきりするのではあるが・・・・・。
 皆さんのお考えをぜひお聞きしたい。

10/26 追記 その2・・・・・
 変位でなく圧力で考える時の注意事項です。閉管は開口端と閉口端(開口端は使いますが閉口端は?ここでは閉管の閉じた側 という意味で使用)を持つわけですが、縦波の固定端反射から考えると、
閉口端は変位で考えれば固定端、圧力で考えれば自由端
開口端は変位で考えれば自由端、圧力で考えれば固定端
ということになり定常波を図で表すと全く逆になってしまいます。
 開管の場合は両端とも開口端ですから、変位で考えれば自由端、圧力で考えれば固定端です。
 まあ、どちらにしてもその後の結果は同じになりますが・・・・・。 説明は圧力でした方が無難であろうと思いますが、変位で説明してあるものが多いので聞いた方は混乱してしまいますね。