製材所を訪ねて

山には四角い木が
生えているわけではありません!

山から運ばれた原木は
意外に人手を借りず
次々と製品になって行きます

DIYコーナでは木を使ったものをいくつか制作しています。材木屋さんに行くと大小さまざまな材木がありますがそれらはほとんど建材(建築用)で工作用の材ではありません。もちろんそれを工作用に使えないわけではないしほとんどの場合それを使っています。

建材は柱や梁にするため太さも長さも都合の良い大きさがあります。私たちの工作では必ずしも使いやすい大きさではありません。また使用量も少なく特別な場合以外工作材として製品があるわけではありません。
やはり大量に使用される建材が材木屋さんの主な商品であることになります。

それでは工作用の材はどうしたら手にはいるのか考えているうちに山の木はどんな風にして材木になるのか見ておきたいと友人のつてを頼りに岩手県の”一戸製材所”を見学させていただきました。
材木に関する知識としては山に四角い木が生えているわけではないことくらいしか知りません。

製材所の前庭からは緑濃い山々が見渡せます。微妙に違う山の色で木の種類も当たり前のように見分け”あの山にはいい木がある””あの山は曲がった木が多い”などその理由が地形や手入れに大きく依存する事をと説明をしていただきました。
1間(1.8m)間隔に植林された木は生長とともに半分、また半分と間引きされます。小さいときは密植で支え合い、大きくなると日当たり、風通しを考え間隔を広げて大きく育てます。一抱えもある大黒柱は300年、500年という歳月を過ごした選りすぐりのエリート達なのです。

切り倒された木はあらかじめ使用目的にあわせ長さを切り、枝を落とし製材所に運ばれます。
太さ、大きさを選別し所定の場所に降ろされた原木は皮を剥きころころと転がり次の行程へ。
帯鋸盤に送られた原木はレーザーマーカで位置出しされ物の見事に見慣れた柱の形になっていきます。
ここで気が付くことは大きな丸太が柱になるとずいぶん細くなってしまうことです。そのため半月型の裁ち落としが沢山出るのです。そして帯鋸のおが屑の量も半端じゃありません。

切りそろえられた柱は(板材になる物もあります)所定の数毎にバンドを掛けられ出荷を待ちます。
これだけ見ていると作業は機械化され実に簡単ですが皮むきの時期や、乾燥の度合い、材の善し悪しの選別等々見ているだけでは判らない年期仕事が決め手のようです。
倉庫には、木目の通った綺麗な柱、節の多い柱など分類されていました。
別の場所では年期を積んだ職人さんがひとつずつ材を点検し分類する姿も見え自然に近い仕事には機械では対応できない人間の感覚が重要な要素であることを感じました。

最近は人間の活動が早く木の生長が間に合いません。大きな木は次第に少なくなっています。
そんなことから早く育つ木が注目されています。しかし若い木は狂いも大きいようで、それらは組み合わせ強力に接着され集成材として太い木に負けない安定した材になって人気が上昇しているようです。このようにすれば小さい木も太い大きな柱や梁に使える材になるのです。

さて製品として使えない裁ち落としやおが屑はどうなったでしょう。昔はほとんど焼却されたようです。友人も昔はお手伝いで日がなゴミとして燃やし続けた記憶があるようです。しかし今は皮からおが屑まで薪にされる物、チップとして製紙工場へ行く物、家畜の敷き藁に混ぜる物、キノコ栽培の菌敞として使う物など捨てる部分はありません。お役目を終わった物は家畜の糞尿と共に発酵させ肥料として土に帰ります。
それでも材木として使えない木が最終処分のチップにならないように使い道の研究に余念がないようでした。
私たちの工作では建材にならないような癖のある木、半端な木で充分でありむしろ癖を生かすことがおもしろさに通じる所でもあることを印象深く感じました。しかしそれらを流通に載せるにはとても手間の掛かることで難しいことであるとも思います。

私は町人間で製材所の仕事は写真などで断片的に見たことはあってもそれは現物とは大違いです。
もちろんビデオも同じ。最近は何でもヴァチャル・・・とか云って写真やビデオで済ませることが多いですが 現物を見ることがいかに大切か 改めて感じました。
部外者には危険な工場を気持ちよく見せていただいた製材所の社長さんはじめ工場の皆さんに改めてお礼を申し上げます。
今度は山仕事を見たいなあ!と思いつつ自分の足腰が気になります。



皮剥き機の前に運ばれた原木


裏側からキレイに剥かれて出てきます
レールの上を転がり帯鋸盤へ


原木はレーザーマーカで位置合わせ
見る間に柱に変身します



仕様にあわせひとつずつ職人の
厳しい目で点検される材もあります


山用のトラックでしょうか?
荷台に比べ巨大なエンジンと
クレーンやウインチが目立ちます


プールに入れて薬液処理される製品
上の丸い輪で浮き上がらないように
材木を押さえます


材木として使えない端材は
チップに加工され
トラックに積まれ製紙工場へ

【ja1cvf 0207】

株式会社  一戸製材所  

岩手県二戸郡一戸町高善寺字古舘平40−2
0195−33−2321

製材所の若きホープ・梅垣俊輔さん。

お待たせしました!ホームページができました。
工作用の小さい木、何に使えるか考えてしまう癖のある木、木のことならなんでも もちろんあなたの家を建てる材木も相談にのります。お近くにお出での節は是非お立ち寄り下さい。(事前にご連絡下さい)

※ご質問は 【 一戸製材所 】 へ!

◆岩手県一戸町の三人兄弟が頑張る地元企業
  
【一戸グループ】はこちら!

 

材木のことでお聞きになりたいこと・建材はもちろん工作用の材料が欲しい、
丸太イスを作りたい等いろいろ相談にのっていただけるようです。

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