知ってるようで知らない
プラニメータ(planimeter)

ja1cvf  1005

先日友人から面白いモノがあると云われ、待ち合わせ場所の秋葉原まで出掛けて「面白いモノ」を見に行ってきました。

それがこの「プラニメータ・planimeter」です。それもアナログ式
私は、話には聞いてましたが見たことがありませんでした。地図上の地形図をなぞることによりその地形の面積を求めることが出来るというしろものです。
私が知らないだけで土木関係、測量関係、の方にはそれほど珍しいモノではないようです。

結局、私はチャッカリとそれを貰って来ちゃいました。
何に使うの??? 知らない人も多いようなのでここでお披露目と云うことにします。

プラニメータの原理は図形を小さな3角形に分割しそれを合成しながら実質的に等価の図形の面積を計測するモノです。

その方式には色々あるのですがこれを初めて見た私には他のモノを使ったことがないので詳細は説明できません。
今はとても良い時代、疑問点はnetで調べて下さい。

それではあまりにも無愛想なので右側・四角形の面積を求めてみます。

方眼紙のメモリを使って面積を計算してみましょう。(太線の1メモリは1cm)
Sは4X3ですから12cu
チョット数学的に考えてみます。
ここで任意の点Pを基準としそれと□abcdのあいだに出来る3角形を考えると。
□abcdの面積Sは
S=(△pbc+△pcd)−(△pab+△pad)となるはずです。
△pbcは3X6/2=9
△pcdは4X12/2=24
△pabは4X9/2=18
△padは3X2/2=3
これを上の式に入れてみると
S=(9+24)−(18+3)=12です。
これは敢て計算しやすい図形を使っていますから簡単に計算できました。
*実際のプラニメータではカーソル移動時に三角形の辺と高さの変化を読み取り積分を応用し巧みに演算しています。ここでは考え方のみに留めています。

これと同じ面積をプラニメータで測ってみます。
取説がないので自己流です。
グリーンの台紙は1メモリ1cmとなっていますから事前に計算したシートと同じ大きさとなります。

最初に取り出すのはこのユニットです。
カーソルと計測部の長さをチャートから149.2に合わせます。(縮尺1:1)

ノギスなどの複尺と同じです。

カーソルの中央に○マークがありさらにその中央に・マークがあります。(写真ではよく見えません)

支点Pを決める竿を嵌めます計測部のすぐ脇の穴にボールジョイントを入れます。
支点位置はカーソルが計測図面を移動できる範囲で自由に決めます。
この場合カーソルは立4cm横3cm移動します。

カーソルを所定の位置(手書き図面のaに相当する位置)に合わせ計測部右下のレバーを押してメモリをゼロにします。

基準点aからbcdと右回りにカーソルを移動させ再びカーソルがaに戻ったところで計測部のメモリを読み取ります。
12(11.9かな)と読み取れます。
図面をなぞるときラインの上をキッチリトレースするのは意外に難しく、外れると誤差の原因になります。
かなり慎重に操作する必要があります。
チャートの注意書きにも数回計測し平均値を取るように書かれています。
今回は答えも判ってることですから平均値を取ることはしませんでした。

さて、ここで出てきた149.2と云う数値はこのチャートにある1:1の縮尺(実際には1:1000を使用)の場合の数値です。
さらに、このチャートには加数というものが書かれていますがそれについてはまだ理解できていません。

これは計測部裏側の写真です。メモリを刻んだリングの横に測定用リング(写真では左側)があります。
このリングがカーソルの動きに伴い回転しながらメモリを刻んでいきます。
計測時このリングの移動方向は必ずしもリングの向きと一致する訳ではありません。すべりながら斜めに移動することもあります。
それに対応するためかリングの表面にはまるみが付けられています。

こんな小さなケースに入っています。最近は同様の機能を持ったデジタル式が市販されていますお値段はかなりのモノです。
このようなアナログ式はオークションなどにも出ていますがこちらは人気がないのか安い値段しか付かないようです。
便利な機械ですが一般的にはあまり使うことがないように思います。そんなことが原因でしょうか。
ちなみにこれはUCHIDA(内田洋行)の製品です。(型番不明1979年5月製)
付属品としてセンターゲージのようなモノが入っていました。どのように使うのか不明です。

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