鉱石ラジオで遊ぼう

関連記事が
【QTC-Japan】  に紹介されてます。

物好きな大人たちが子供みたいに!

鉱石ラジオをスピーカで聞こう!
その日は20mを超える強風・春の嵐でした。

鉱石ラジオは電池も要らない不思議なラジオです。 そのエネルギーは放送局の電波そのものなんです。電波をしっかりあつめればスピーカはもちろん電球だって光ります。

私がHAMを始めたころテスター以外の測定器なんか買えませんでしたので送信機の出力を測るために電球を使ってました。 つまり送信機を調整するときアンテナの代わりに普通はダミーロードと呼ばれる抵抗をつなぎそれに供給される電力を測定します。 そのダミーロードの代わりに電球を使うのです。良く調整されれば電球は明るくともり、明るさが電力計の代わりをしました 。豆ランプやネオンランプなども高周波の測定に利用したものです。
電波は高周波電流ですから普通のテスターでは測れないのでランプのお出ましになったわけです。 ランプは直流でも交流でも高周波でも見事に光ります。

送信機の近くなら直接つながなくても送信機(アンテナ)から飛び出した電波で豆ランプはおろか大きな電球や蛍光灯だって光るということは、 電波が空間を飛んでいることを実感できるのです。そのエネルギーは空間に拡散してだんだん小さくなってしまいます。 普通はその電波を捕らえてトランジスタなどの力を借りて大きく増幅してスピーカを鳴らしています。
鉱石ラジオはこの増幅機能がありませんから大きな音を出すためには電波を上手に捕らえる必要があります。
お手元にあるラジオには意識してアンテナをつけてないと思いますがちゃんと小さなアンテナがついています。 チョットしか電波を捕らえなくても増幅機能のおかげでよく聞こえます。残念ながら鉱石ラジオは大きなアンテナが無いと聞こえません。

大きなアンテナを作って電波を集めてスピーカを鳴らそう! うまく行ったら電力としてバッテリに貯めてしまおう!

3月2日関東地方は20mを超える強風が吹き荒れてアンテナ建設には不向きというより危険な日でした。 それでも集まった”物好き”危険を顧みずアンテナを立て始めました。

事前の準備で組み立ては15分程度で完了する予定でしたが、 ”風がおさまるまでチョット様子見”午前中は雑談と食事で終わりました。 一向にに風はおさまらず決死隊が電柱によじ登り、1時間弱でアンテナは完成・というより早くテストしないとアンテナが壊れそう。
1辺が5mの菱形アンテナ1回巻き、2回巻きで磁界型アンテナとして試しました。見事スピーカが鳴りました。
他の鉱石ラジオも持ち出し、電界型に切り替えテストはテストは完了にしました。それ以上続けるのは危険と考えたからです。

アンテナを降ろして安堵の一瞬、大事な部分をやり忘れました。 2回巻きループでは負荷回路をタップダウンする予定があったのをすっかり忘れました。 これは今回のように負荷インピーダンスが低いときにはアンテナを効率よく働かせるためには重要な要素なのです。
そのためかNHK第2のみが強力に聞こえるもののほかの局が聞こえない状態でした。

今回もうひとつの遣り残しは電力の取り出し実験です。これについてもなんとなく確信はあります。
次回には良い結果が出ることを期待して失敗事項はすべて風のせいにしておきます。

これからの課題
過ぎたるは及ばざるが如し。アンテナが大きいことは良いことですが1辺5m周長20mのアンテナ(今回は共振回路の機能を持っている) のインダクタンスは良く解りません。経験と感で作ったサイズです。
大きすぎて整合回路を考えるのが一苦労です。精々2回まきで1/2タップがやっとです。 スピーカ用のアウトプットトランスが5kΩではあまりにもミスマッチです。
それらを考慮するともう少し小さいアンテナのほうが作りやすく効率よい受信が出来るかもしれません。 アウトプットトランスももう少しインピーダンスの高いものを探す努力も必要でしょう。

 

【参考】
受信地点:埼玉県杉戸町・NHK久喜送信所から東へ約10km

写真は 【QTC−Japan】の提供、協力によるものです。

最終点検中

アンテナが同調コイルになるのでここには見えません。

チョット調子悪いなあ!

探り式の鉱石(黄鉄鉱)検波器でも良く聞こえます。

吊り上げられたアンテナは風にあおられ壊れそう!

子供の心を忘れない大人達
この中に私もいますよ!

【ja1cvf 0303】

実験に使った鉱石ラジオ

★アンテナコイルのインダクタンスは計算していません。2本の電柱の間に吊り下げました。高さ約8m
★今回の実験では負荷のタップダウンは実験していません。
★最適タップ位置を探すためにはもう少し小型のアンテナのほうが良いかもしれません。

 

《ホームページ・表紙へ戻る》