赤道直下 ”ガラパゴスの生き物たち”

28th Jul.-7th Aug.2008 

 


赤道直下の太平洋の東端・ガラパゴス諸島は
陸地から隔離され
独特の進化を遂げた珍しい生き物が静かに命を繋いでいます
そんな生き物の生活をかいま見てきました

圧巻は“ロンサムジョージ“と呼ばれ100歳を超えると云われてiいるゾウガメです。
ピンタ島のガラパゴスゾウガメは、その名の通り最後に残った一匹。ダーウイン研究所に保護されて繁殖を試みられています。
手前の小型カメは近親種のお嫁さん。
*旅から戻るとビックリする記事がインタネットに上がっているのを見つけました。参考までに引用記事として文末に貼付してあります。参照下さい。


エクアドルは赤道直下の国
赤道には赤い線が引かれています。
もちろんこれは観光用・昔は黄色だった!

日本からガラパゴス諸島(エクアドル)へは米国のアトランタからエクアドルの首都キトへそしてさらに1000kmほど離れたサンクリストバル島へそこからは船で島巡りをすることになりますます。

港には船はなく桟橋で出迎えたのは固有種のガラパゴスアシカ、船はいずこ。

このゴムボートに乗って本船へ!
これから上陸のたびにこのゴムボートのお世話になります。
ガラパゴス諸島は保護のため一部を除き居住制限や入島制限をしています。そのためホテルも少なく一部は船上での宿泊になります。
今回乗船したのはエクスプローラU・4000トン・乗客数約100人です。

乗船して休む間もなくアラームが鳴り避難命令発令!救命具を付け集合!これは訓練でした。

アシカは島のいたるところゴロンゴロン、近づいても気にすることなくゴロンとしています。
2m以上の距離を保つように!

これも自然の摂理、風化されるまで砂浜に眠ります。(死んでしまった赤ちゃんアシカ)

雄のアシカは警戒心が強く接近すると威嚇してきます。

上陸して目に付くのはイグアナです。これは海で棲息する海イグアナ、もっと黒いの等島によって少しずつ違いがあるようです。
陸で棲息する陸イグアナもいます。

岩場に重なり合っているのはどうして?ガラパゴスの生き物にとって夏至や冬至は太陽が一番遠くなる冬の季節、水温が低いので体を温めているのです。
太陽が赤道の上に来る春分、秋分が真夏なんです。

アオ足カツオドリも恋の季節。
この時期はいろんな鳥たちが子育てに忙しい季節です。

甲羅の大きさが5〜10センチの真っ赤なカニ(紅イワガニ)ガラパゴスのいろんな島で見ることが出来ます。大きいモノは20センチにもなると云われてます。
実はこのカニ、前にも歩くんです。オヤッと云う感じでした。聴くところによりますと飛び跳ねるというのですが見ることは出来ませんでした。

2mルール(2m以内に接近しない)を守ると相手は逃げたりしないのです。

ガラパゴスは火山島のため陸同士が繋がったことがないため島ごとの固有種がいて独特の進化を遂げたので有名です。
ダーウインの進化論がこのガラパゴスから生まれたのは有名で、ダーウイン研究所があります。


運の良い人だけが見られるゾウガメのお食事タイム。
外部から隔離されたガラパゴスでも人との関わり合いを
完全に断ち切ることは出来ません。
保護という名のエゴかも知れないのです。

ダーウイン研究所の餌場にキャベツがまかれそれを無心に食べています。
ここのゾウガメは人に馴れ何事もないように食べていますが
自然に棲息するモノは警戒心が強く、人が近付くとすぐに首を引っ込め動かなくなります。

ガラパゴスゾウガメ(Giant tortoise)は減少著しく大切に保護されています。

保護区にいるロンサムジョージですがこの様に首を伸ばしてる姿は珍しいようです。

こちらは保護区外の別の島で見たゾウガメたちです。

ゾウガメの甲羅。鼈甲のような緻密さはなくすかすかな感じの甲羅でした。風化してなったのでしょうか?甲羅の長さは1m近くありました。
甲羅は意外に軟らかいようで背中の亀甲模様が何となくすり減って光っています。
草むらやブッシュの中を通り抜けているうちにすり減ると云うことでした。

道路に現れたゾウガメ。実はバスの直前に現れ首を引っ込め動かなくなりました。
人間は写真撮影に忙しく、バスはただ止って過ぎ去るのを待つ!
しばらくしてカメさんは道路脇の茂みに入って行きました。

自然界に棲むゾウガメは長い首をすぐに引っ込めます。他の生き物から身を守るには充分かも知れません。でも人間に対してはあまりにも無防備です。捕まえて下さいと云ってるようなモノ。
昔は食用にされたと云うことです。

陸イグアナ、海イグアナより尻尾が短い・そんな気がしました

陸イグアナの雄です。

植物も固有種がたくさんあるようです。
ガラパゴスコットン・日本で見かけるのは真っ白な花が咲きます。

団扇サボテンの下は紅葉した草で覆われています。とは云ってもまばらですが。草のないところは溶岩の砂(砂利)です。

柱サボテンとその奥は団扇サボテンです。


アオアシカツオドリ足の色は格別です。お嫁さん募集中!
尻尾をピンと立ててるのが特注です。

ガラパゴスオオグンカン鳥は翼を広げると2m以上になります。
胸の赤い風船は恋の季節だけ見ることが出来ます。

ダーウインの進化論のキッカケとなったダーウインフィンチ

嘴の形がその特徴というのですが

ペリカンの親子です。

アオアシカツオドリ、お嫁さん(手前)が来たばかり

イグアナと見間違う?ヨウガントカゲ

アホウドリの赤ちゃん
親はすぐ近くにいました。

ガラパゴスオオグンカン鳥の群れ・赤い風船は普段は見えません。船を追いかけて飛んでいます。
このグンカン鳥は泳ぐことが出来ません。水面近くにいる魚しか捕れないのでペリカンやカツオドリが捕った魚を奪い取ります。そんなことからグンカン鳥(Frigatebird)と呼ばれます。

大きなペリカンが水に入る時は見物です。

これはアカハシネッタイチョウだと思うのですが肝心の赤くて綺麗な嘴が見えません。尻尾が広がり良いショットだと思ったのですがチョット残念です。

【引用記事】
この記事は【asahi.com 朝日新聞社】のインタネットニュースからの引用です。
http://www.asahi.com/science/update/0723/TKY200807230056.html

 

もう一人じゃない ゾウガメ・ジョージ、まもなくパパに

2008年7月23日10時29分

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写真孤独なジョージ=07年4月、ガラパゴス諸島のチャールズ・ダーウィン研究所、恒成利幸撮影

 【サンパウロ=石田博士】貴重な生態系が残るエクアドル・ガラパゴス諸島のピンタ島でただ1匹生き残った希少種の雄ゾウガメ「孤独なジョージ」の血をひいたとみられる卵9個が見つかった。

 ロイター通信などによるとジョージの子孫を残すため、93年から遺伝的に近いとみられる雌ガメ2匹と交配が試みられてきた。だがこれまでジョージはほかのカメに関心を示さず、研究者も繁殖を絶望視していたという。

 現在、9個のうち傷などがなかった3個が人工孵化(ふか)器で保護されており、約4カ月後に実際にかえるかどうかが分かるという。

 ガラパゴスのゾウガメは島ごとに違う種類がおり、ダーウィン進化論の根拠の一つとなっている。ジョージは70年代初めにピンタ島で見つかって以来、同諸島のチャールズ・ダーウィン研究所で飼育されていた。ロイター通信によると年齢は60〜90歳とされるが、ゾウガメの寿命は200年近いとみられ、まだ働き盛りという。

 

興味本位の物見遊山

この島に渡りいろいろ見聞きして帰国し、日が経つうちにいろんなことが気になってきました。
私自身、珍しいモノを見たい普通の観光客です。
島はそういう人のため入島を制限しつつも島の住民や観光客のためにホテルや観光施設の整備をしています。
この地を訪問する決め手の一つに将来自然保護のため一般観光客の立ち入りが制限されるのではないかという危惧があったのです。
「今行かなければ見られなくなる」そんな気持ちが私を焦らせたのですがその気配は感じられず、さらに多くの観光客を受け入れたいという感じでした。

港の沖合には大型船が停泊し、ゴムボートで上陸します。 やがて港の整備が進み立派な桟橋が出来、快適に乗下船出来る時がもうすぐそこに来ているように感じます。
その時島はどうなるのか、島の生き物はどうなるのか?

バスはゾウガメをよけて静かに通り抜けます。
カメを保護するためと云うのですがカメは保護されているのでしょうか。
交通事故が起きなければよいのですが!

心配な自然保護
ガラパゴス諸島は無人島だけではありません。人の住んでいる島もあります。当然のように生きるための経済活動があります。
ホテルや観光施設の建設が進んでいます。
しかし隔離された自然の保護という観点では非常に危険な状態・既に外来種の植物やその他生物が進入してるようにも思われます。
有るレストランの周りの植物は過去に、わざわざ島では珍しい外来植物を植えたと云います。 その中に竹林がありました。もちろん外来種です。その他付近一帯は明らかに雰囲気が違っています。
島民の生活を考えると自然保護は立ち行かなくなる一つの例でしょう。
ホテルの建設が進めば下水やゴミが自然を壊すでしょう。
現在はとても不完全な下水処理ですが絶対量が少ないのでバランスが取れているのでしょう。
電気や道路なども自然破壊に対し危険な状態です。
もし10年後再び島を訪れたら全く違う島に来たようなことにならなければよいのですが。
そんな中で一つだけ感心したことがあります。
それはゴミをほとんど見かけないのです。町の中でもゴミが捨てられてることはほとんどありません。ずっとこれを維持できれば素晴らしいのですが!
港のトイレ脇の崖下にペットボトル見たのが島で見たゴミでした。不安は残ります。
私自身ゴミ捨てや落書き等していませんがそれでも島の環境悪化を間違いなく助長している。チョット心苦しくなりました。
偶然これを書いてるその日、日経新聞に自然破壊を危惧する記事が掲載されました。
引用文としてコピーを載せます。

ガラパゴスがこれほど注目されているとは知らなかったのです。(17thAug.2008  ja1cvf)

港の一角にペリカンがたくさん集まっています。その間を魚屋さんとおぼしき人が通り抜けます。
一瞬飛び去りますがまた戻ってくるのです。
魚屋さんが捨てる小魚やアラを頂戴してるのです。

ペリカンはお行儀が良く箱に捨てられたモノを勝手に捕ろうとはしません。
じっと待っています。

これはマグロです。3枚におろし半身ずつ売るようです。
小魚は取り扱っていません。でも、海には塩焼きの頃合いの魚がイッパイいます。
カツオドリやペリカンはそれを自分で捕るのですが・・・
市場のペリカンはいずれ自分で取ることを忘れてしまうのでしょうか。

魚影濃いこの海域も既に目を付けられています。このナマコは中国へ行くと行ってました。
現地の人は食べないようです。
その他いろいろな魚が世界中に売られるのは時間の問題、否既に始まってるのでしょう。

人間との関わりが多くなるとこんなことも必要。カメの甲羅を洗濯中です。


日経新聞 8月17日2008より引用

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