HAMのための  工作教室

もの作りの原点・道具や材料について考えます。


工作に使う素材の知識
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鉄・ステンレスのはなし

 

一番大量に使われている金属です。
鉄を制するための錆との戦いは
勝利目前です。

鉄(鋼、黒金,steel)
地球上にたくさんありながら鉄が使われはじめたのは銅よりずいぶん後になります。その理由は鉄を溶かすための高温熱源を作ることができなかったためです。鉄は強力な武器を作り、国家繁栄の礎となりました。素材としての呼び方は鋼、鋼材などと呼ばれています。
合金にしたり炭素を入れたりすると硬いもの、軟らかいものを自由に作ることができます。建築の構造材、工具、鍋、釜身の回りのいろいろなところで使われています。

私たちの使う工具のほとんどは鉄で作られています。しかし工作の材料としてみると以外に少ないものです。理由は錆が進行性で塗装やメッキなど何らかの処理をしないと使えなくなってしまうことでしょう。

鉄は偏にう。
漢字を作った人はすごいです。鉄は大気中で錆が進行していきますから最終的には形がなくなってしまいます。つまり失われてしまいます。そのため定期的に油やペンキを塗ったりメッキをしたりして錆を防いでいます。錆びない鉄は人類の夢なのです。最近は錆びない(錆びにくい)鉄が出回っています。代表的なのはステンレス(stain-less)でしょう。英語でも名前そのものが「錆びない」ですが、本当は表面が進行錆でない酸化皮膜(錆)で覆われているのです。亜鉛メッキをしたトタン板、錫メッキをしたブリキ板や進行性のない4酸化鉄の錆(黒錆)をつけるなど表面処理技術が進んで錆びにくい鉄が多くなっています。

工作材としては
工業的には一番使われますが私たちの工作ではまだアルミニュウムに偏っています。理由は錆びることと使いやすい素材(板材)が少量では手に入りにくいことでしょう。
パイプやアングルなどの型材は手に入りやすいのですが量が大きくなります。
私たちの場合加工の補助として当て板や台などに使うなら鉄工所などではぎれを譲ってもらえば十分でしょう。アングルや厚板などは重宝します。
ハンダづけ、タップ立ても簡単です。溶接の技法を習得すれば大きな造型などにも挑戦することができます。

ステンレス
鉄とニッケル、クロムなどの合金がステンレスです。合金比率によっていろいろな種類のものが作られています。常温では錆びません(進行性の錆は出ない)が高温に曝したり、錆びた鉄といっしょにすると赤錆が発生することがあります。ハンダづけは専用フラックスや塩化亜鉛液(希塩酸に亜鉛またはトタン板を溶かしたもの)使用すれば間単にできます。塩害などにも強いので屋外で使用するもの、アンテナなどの補助金具として最適です。
工作用には硬いので加工工具が傷みやすく扱いにくい素材です。ドリルなど使うときは切削油を使わないと熱のために工具が使用不能になります。

【 工具類はほとんど鉄製品です。錆びなければこれほど便利な素材はありません。
鉄で作られた工具

【 私たちの工作では直接的素材としてだけでなく作業の補助材として当て板、押し板などの利用が考えられます。使う量は少量ですから端切れなどで十分役立ちます。
当て板用・鉄の端材

【この写真のスピーカグリルの膨らみは打ち出しによるものですが裏から鉄の厚板を当てて作業しました。】
打ち出しされたスピーカグリル
 材料はどこで買うの?
鋼材屋さん、建材屋さん、ホームセンタなど。はぎれを町の鉄工所などで譲ってもらうのも一考です。トタン板などでも900x1800mmが定尺ですから多すぎます。ホームセンタなどでは小さいサイズもありますがとても割高です。工作用に買う人が少ないのでしょう。

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