HAMのための  工作教室

もの作りの原点・道具や材料について考えます。


工作に使う素材の知識
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プラスティックのはなし

 

代用品から必需品への進化
扱いにくい素材ですが
今までにない雰囲気を楽しめます。

プラスティック(plastic)
プラスティックといってもベークライトとかエボナイトの時代は良かったのですが、今は新しいものが次々と現れそしてそれらの見分けがとても難しいですね。さらにプラスティックに別の素材を混ぜたり、していろいろ組み合わせることにより全く別の素材のようなものを作り出しています。これほどの難物は他にはありません。

 plastic を辞書で見ると可塑性のあるものという項目が目に付きます。熱やその他薬品等で形を変えることができるものと云うことのようですが実際には可塑性のないものもあります。現実にはものを見ても材質がわからないことが多いのです。工業的にはたくさん使われていますが、私たちの工作では扱いにくい材料です。

身の回りのプラスティック素材
薄いフイルム状のもの:ビニール(塩化ビニール)、ポリエチレン、板材、型材のもの:ビニール、アクリル、テフロン(フッ素樹脂)、スチロール、エポキシ、液状のもの:接着剤、塗料、潤滑油、などたくさんあります。多分この他に訊いたことも見たこともないものもたくさんあるでしょう。[接着剤等も材質がプラスティックと類似なので同じ仲間に入れました]

大まかな特徴は?
ものを見て材質がわからないとどのように使ったらよいのかわかりません。ひとつの方法としては商品に必ずついている表示を参考にすることです。しかしわかり難いのです。また商品の一部に使われている場合は表示されないことがあります。
別表に身近なプラスティックについて大まかな見分け方を載せました。必ずしも適切に分類できないこともありますがお試しください。ここにあげたものは慣れてくると感覚的に分類できると思います。
中でもビニールはどんな硬さの製品も自由に作ることができて優等生のように使いやすい素材です。しかし「塩化」という字がつくように塩素が入っているため廃材処理が問題になっています。

工作上の注意
軟質材ははさみやカッターで切ることができます。
硬質材は装飾をかねる場合が多いので表面に傷をつけないようにテープなどを張って養生をして作業します。
穴あけや切断をするときはひび割れなどしやすいので丁寧に作業しましょう。道具類は金工用のものが流用できますが電気ドリル等の電動工具を使うときは切削熱で溶けることがありますから切削油も必需品です。職人さんは刃を研ぎなおして使っている場合が多いようです。熱によって軟らかくなる性質を利用して他の材料ではできない木材と金属の中間的な加工法も楽しめます。

アクリルの厚板などは重厚感があってアルミ主体の工作と違った雰囲気の仕上がりが楽しめます。

【 プラスティックは使いやすさと装飾性を兼ね備えている素材です。】
真空管 fm ラジオ
【 配線用の電線にはビニールの被覆があります。真空管のソケットはベークライト、つまみは硬質ビニール、前後のパネルはアクリルです。絶縁材や装飾材として優れているプラスティック、工業的には不可欠な素材です。ja1cvf制作 fmラジオ9809

アクリル用キリ 
 
【 左側が標準のキリです。右側はアクリル用に研ぎなおしてあります。すくい角、刃裏の落としに注目してください。チゼル部分は0に近くなっています。アクリルが喰い込みや解けることもなく快適に切削できます。参考までに紹介しましたがグラインダのある方は挑戦してみてください。】

【 材料はどこで買うの?】
ホームセンタなど。秋葉原ならラジオデパートの奥、最近ちょっとさびしいラジオガーデン(交通博物館のとなり)の中ほど。こちらはかなり特殊なものも扱ってます。

よく使われる素材・簡便見分け表(熱源やシンナーの取り扱いには注意してください

半田ごてを当てると
シンナー(ラッカー薄め液)を付けると

ろうそくのような匂いがして溶ける 刺激臭がして溶ける 時間が長いと焦げる 半田ごての熱では変化しない
溶ける スチロール ビニール(硬質、軟質)    
溶けない ポリエチレン
アクリル(ひび割れすることがある)
  エポキシ テフロン

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