HAMのための  工作教室

もの作りの原点・道具や材料について考えます。

 

工作に使う素材の知識A

銅と真鍮のはなし

 

近代文明は金属によって
支えられてると云えます。

金属が無かったら産業革命は
無かったでしょう。

銅(どう・あかがね)
最近「あかがね」という人は少ないかも知れません。
銅の色からこのように呼ばれています。
身近なものでは10円貨が銅(正しくは銅合金)で出来ています。

電気や熱の良導体です。
電線もほとんど銅です。錆びにくくとても柔らかい金属で自然状態での錆は表面だけで内部に進行することはほとんどありません。神社などの緑色の屋根は銅特有の錆び”緑青”によるものです。一般的な錆色は艶のある赤褐色です。

柔らかく展性がよいので鍋や薬缶などのように打ち出しによる製品が作られています。
中学生の頃打ち出しによる門標などを創った人もあると思います。叩きすぎて穴があいてしまった人も多いでしょう。金属全般に云えることですが叩いてるうちにだんだん堅くなってのびなくなります。焼き鈍しをすることにより柔らかさが戻ります。造形の材料としては興味をそそられます。

私たちの工作材料としてみた場合少し柔らかすぎて扱いにくい場合があります。
打ち出しなど造形に使うような場合を除いて厚さ1mm以下の板金(板材)あるいは線材(電線)、パイプなどが対象となります。プリント基板なども配線部分は銅です。エッチングという化学的加工で作ります。
電線として使う場合は、素地のままあるいは錫メッキ、銀メッキなどで処理される場合があります。
銅板の加工で注意したいのはドリルなどを使うとき歯に粘り着く感じがします。そんなときは切削油を使うと良いでしょう。この場合刃物の過熱を防ぐのではなく摩擦を少なくするためです。
熱伝導が良いため厚板や大きなもののハンダづけは以外に難しいものです。ケースなどで電気伝導性や、熱伝導性にこだわるので無ければ加工性の良い真鍮の利用を検討した方が良い場合もあります。

真鍮(しんちゅう・黄銅)
銅と亜鉛の合金。黄銅と呼ばれることもあり金色をしています。5円貨は真鍮製です。似たものに砲金と呼ばれるものがあります。これは銅と錫の合金、ブロンズ、唐金などとも呼ばれます。
銅合金はこの他いろいろありますが私たちの工作では真鍮,ばね材としてのりん青銅など以外は使うことはほとんどないでしょう。
真鍮は錆びにくく適当な硬さがあり加工しやすい金属です。
ハンダづけ、タップ立て(ネジ切)もできます。板金、パイプ、丸棒、型材、など使い道が多い材料です。
りん青銅は赤褐色で簡単なばね材として利用できます。ハンダ付けもできますから電池のソケットなど気軽に使えます。

*切削油:本来は機械加工するとき切削工具が高温になり使用不能になることを避けるため、摩擦の低減と放熱(液体の油が気化するときに放熱する。グリス状の製品もあります。)のために使用します。厳密には専用の油がありますが私たちの工作ではあまり気にすることなく機械油、エンジンオイルなどで十分使えます。てんぷら油などで使えますが後処理が厄介かもしれません。

*型材:アングル、角パイプ、6角棒などのようにあらかじめ整形された材料。

【銅は人類が金の次に使った金属です。5円貨は真鍮、10円貨は銅です。コインの合金比率は一般用とは少し違います。10円貨も純同ではなく銅、亜鉛、錫の合金です。5円と10円のコイン

【ラジオや電子機器の配線に使う電線はほとんどの場合銅線が使われています。参考写真は ja1cvf 制作fmラジオ9809】
ja1cvf の作品・fm ラジオ
 材料はどこで買うの?
電線は電気屋さん、電線屋さん、板金などはホームセンタ、秋葉原のケース、シャーシ、を売っている店、模型屋さん、ちょっとたくさん買うなら非鉄金属地金屋さんで買います。地金屋さんの場合、1Kgあたりの目方で計算します。店によっては切り売り(定尺品を必要数だけ切り売りする)もしてくれます。
そういう店では切断加工もしてくれます。あくまで切り売りのための切断ですから、複雑な切断や正確な切断はできないこともあります。保護用フイルムを張ってくれる店もありますから大いに利用してください。価格的にもホームセンターよりお得な場合があります。
地金屋さんは対象がプロの人です。それだけに種類や商品知識も確かです。わからないことは知ったかぶりせず、たずねてみる事です。ひまそうな時間帯(概ね午前中は忙しい)に行って教えてもらったり、上手な買い方を研究してください。

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