つぶやき エフさん!


人間タクシーが走る
【雪で走れなくなったタクシーのお客さんを自ら背負っておくり届けた話】

【ja1cvf  0304】

素朴な人情味あふれる東北地方の話です。

話の主人公は東北の自然がたっぷりある一戸でタクシ−会社を経営する社長さんです。
町で兄弟が仲良くそれぞれの会社を持ち町内に根付いた、言ってみれば土地の名士でしょう。
私はその兄弟みなさんを知ってるわけでは有りませんが町の方たちに慕われているすてきな方たちだと思います。

タクシ−会社と言っても東京の大会社とは大違いで家族の協力が無ければやっていけない家族ぐるみの暖かい会社のように見受けられます。
会社の隣には社長さんの住まいがあり何か事有れば休みの日でも出て行かなければならない24時間営業の社長さんです。

この町は東北地方といってもそれほどの豪雪地帯では有りません。むしろ凍て付く底冷えのする町のようです。 ところが今年はどういう訳か雪の日が多いのです。そんなタクシ−会社でのできごとです。

きなの ゆぎゃ ひでぇがったなあ!
まんだ うらみぢ ゆぎよへぇで ねげっから ぢょう きいづけで はしっでけで。

《と社長さんが注意しているさなかに無線の呼び出しです。 先ほど94歳になる病院帰りのおばあさんを迎えに行ったベテラン運転手さんからの緊急連絡です。》

くるまさ ろがだにはまってしまって みうごき なんねぇだ。
そんだばぁ ジープでいぐから ちょっくらまっててけれ。

《ただ事ではない大雪におばあさんも心配になってきました。》

運転手さん どやすんべ。
いまぁ おらほの 社長がくるず ちょっくらまっててくらっしょ。

《そうこうしてるうちに社長さんのジープが到着しました。 タクシを引き上げても走れる状態ではありませんし、ジープでもその先へは危険です。》 
《社長さんは心配そうにしているおばあさんに》

ばっちゃん もうタクシ−は いげねすけ。 おりゃ へでぐがら すんべぇねぇど。
よがんす おりゃぁ あるいていぐでぇ。
わがねぇ! それだば すんでぇすまう。 おりゃ おぼってけらぁ。
よがんす〜。
まんず いいや はやぐぅ!
しょすへでいいやぁ。
そだごど いいがら。

《仕事として考えるなら、この先は歩いて帰ってもらえば良い。でもここおばあさんを置いて行く訳にはいかない。》
《背負って行くしかない。》
《社長さんの優しい決断です。》
《恥ずかしがるおばあさんを背負って雪の中をあえぎながら家までおくって行きました。》

おりゃぁなぁ 94年いぎできだども むすこにも おぼってもらったごど ねえでがんす。・・・・

《どうにかおばあさんの家にたどり着きました。 おばあさんは背負ってもらった分の料金も払おうと言いましたが迷惑かけたのはタクシ−が悪いのだからとお断りして社長さんも帰途に着きました。》
《おばあさんは 涙を流しながら見えなくなるまで寒さの中ずうっと立って見送ってくれました。》

社長さんは後日ポツリと私に話しました。

おばあさんがしっかりと肩をつかむその手の力が今も脳裏に焼き付いて離れないのですよ!
着きましたよ!と言って降ろすとき、なかなか降りようとしないおばあさんの寂しそうな顔つきがなんとも辛かったんです。

社長さんの人柄からでた自然の行動ですが寒い冬空にとても暖かい出来事でした。
あなたも雪道で身動きなら無くなったとき”人間タクシ−”に出会うかもしれませんよ。

凍て付く冬空の下、走ることがままならないタクシ−のお客様を背負って家まで送り届けた話

これは冬の東北地方・一戸の町で本当にあった暖かい話です。

こちらは一戸弁の翻訳です。

きのうのゆきはすごかったなあ!
まだ裏道は除雪されてないから気をつけて走ってくださいね。

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車が路肩に落ちて身動きできなくなってしまいました。
それじゃあジープで行きますからしばらく待って下さい。

・・・・・・・・・・・・・

運転手さんどうしますかね。
いま、社長が救援に来ますからしばらく待って下さい。

・・・・・・・・・・・・・・

おばあさん もうタクシ−は行けないです。でも私がおくっていきますから心配ありませんよ。
大丈夫です。私は歩いて行きますから。
とんでもないです。そんなことしたら死んじゃいますよ。
私が背負っていきましょう。
いやぁいいですよ。
良いですから 早く!
はずかしいですねぇ。
そんなこと言わないで。

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私はねぇ 94年も生きてきましたけれど 息子にも 負ぶってもらったこと無いんですよ。

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