TX-PCインターフェース
トランシーバ(IC-7600)とコンピュータの仲立ち

マネッコ工房 ja1cvf  1008

最近のトランシーバ(アマチュア無線機)はコンピュータと接続してその価値が発揮されます。
受信だけならそのまま信号を入れれば使える場合もあります。

安定した動作を望むなら接続の仲立ちをする専用インターフェースが必要です。
これはicomのIC-7600とコンピュータを接続するインターフェースです。
コネクタまわりの接続を替えれば他機種への転用も可能です。

これは(株)アイコムのonlineマガジン BEACONの
 OnlineとーきんぐNo117に掲載のインターフェースを参考にしています。
< (株)アイコムホームページ >  < Onlineとーきんぐ >

無線機にコンピュータなど付属装置を繋ぐとノイズや高周波の回り込みなどを起こして上手く動作しないことがあります。
安定に信号のやりとりをするためにはこのようなインターフェースが必要です。

PCとの融合でSSTVは勿論RTTY、CW等も運用出来ます。

回路図等は OnlineとーきんぐNo117を参照下さい。

部品点数は多くありません。
コネクタ類の数が多いのでその配線が少々面倒です。

配線は穴あき基板を使いました。
穴あき基板はケースの内側にピッタリの大きさに合わせます。
基板はビス留めなどしませんので正確に合わせましょう。
コネクタ類は基板に直づけにします。残念ながら私たちが簡単に入手出来る部品は基板の穴ピッチには合いません。
pinを曲げたり穴を加工したりアングルを使って取付けリード線で配線したりしています。
これらコネクタの出っ張り部分をケースの切り欠きに嵌めますから基板との位置関係をよく考えます。

配線はメッキ線を使って繋いで行きますが今回はメッキ線を使わず各ランドにハンダを載せブリッジを造って配線していきます。
これはexJA1GNA井上さんに教えていただいた技法です。
この方式の利点は配線の修整がとても簡単なことです。

ハンダが盛り上がりとなりの線と接近しますが丸く盛り上がっていれば誤接触の心配はありません。
ハンダの使用量が多いのが欠点です。

ケースはタカチのプラスティックケース SW-100 (65X35X100) を使いました。
このケースは裏ブタが嵌め合で内部の点検が簡単です。

ケースの側面にコネクタの切り書きを入れます。この桐書きの深さが基板位置を決定します。
深すぎるとガタガタ、浅いと蓋が閉まりません。

基板の厚みと蓋の嵌め合いを正確に測り切り込みを入れます。

ほぼ予定通りぴっちり出来ました。
ケースの上には銘板用透明パネルが張り付いています。

配線の終った基板・部品面 

配線の終った基板

これで完成です(左側)。

実は、これ友人の依頼品です。実際の動作テストはしていません。
右側は2005年5月に作ったモノです。
TS-850用で現在快適に使っております。パネル面のコネクタ位置などが違いますけれどノイズや高周波回り込みに対する考え方は全く同じで実績がありますので配線に間違いがなければ動作すると思っています。

ノイズや高周波の回り込みに対する考え方。
OnlineとーきんぐNo117のインタフェースはトランシーバとPCの間は直流的な結合をさせないこと(アースループを作ってはいけない)これを忠実に守ったJF1GUQ設計によるモノです。
アース回路や信号系の配線をキッチリ切り分けることにより回り込みを皆無を実現出来ると期待しています。
先のTS-850用も同じ考えの基で作られています。
IC-7600の場合はマイク回路の切り替えに難しさがありますがそれをフォトMOSリレーで処理しています。
頭が硬くなり始めた私は極性に関係なくアナログ信号を通せる半導体リレーを知りませんでした。
丸ごとコピーの作品ですが同一規格のフォトMOSリレーを入手出来ませんでした。
類似品を探したのですが心配があり取りあえずソケットを使って交換可能にしてあります。

フォトMOSリレー
LEDとフォトトランジスタなどを使ったフォトカプラと呼ばれるモノは直流しか流せません。トランジスタの代わりにMOSfetを使うことにより信号回路の極性が無くなりアナログ信号を通せるようになったのです。
これを作るまでこのような部品の存在を知りませんでした。(遅れてますね)
アナログSWというモノはありましたが大げさなモノだったように記憶しています。

今回は部品の選択や配線の技法など先人の技を応用させていただきまとめることが出来ました。

感謝! exJA1GNA、JF1GUQ

 

☆DIY作品集【Quick Menu】 はこちら!

《ホームページ・表紙へ戻る》