TVアンテナ設置!
ところが大変だ! BS−デジタルにTVIだ!

Jan. 2008 


テレビのデジタル化は着実に進んでいるようです。
我が家のテレビもデジタル化せねば!
ついにデジタルテレビを買いました。

古い配線が原因のTVIが発生してビックリ! 原因究明・無事収まりました。

我が家は埼玉県北東部。茨城、千葉に限りなく近いところです。テレビは東京タワーからの電波を見ているのですが約50kmの距離と途中に大きな変電所があるためTV(テレビ)の受信障害発生地域です。
アナログTV(VHF)はその障害対策用ケーブルが引かれていました。
デジタルに移行した後は障害が発生しないと云う理由でケーブル配信は終了することになっています。
そのような状況でヒカリ配信のTVを契約することも考えたのですが毎月の費用を考え、自前のアンテナを設置することに決めました。

設置には現在使用していない無線用アンテナポールがありましたのでそれを利用することで計画を進めました。

旧型TVもまだ使用中ですからアナログ用ケーブルはすべて撤去するわけにもいかず、また分配器から先の宅内配線は変更できませんのでそのまま残します。略図の上の部分を新設することにしました。

アナログ系はケーブルから分配器に入っていましたがそこで切り分け旧型TVの回路へ直結しています。
宅内の配線はBS対応ですがこれはBSアナログ対応です。この時代にはデジタルはありませんでした。
アナログもデジタルもアンテナ系には関係ないはずですがBS-IFの使用帯域が1~1.3GHzと狭かったのに比べ現在は1~2.6GHz帯まで広がっています。そしてこの周波数帯は携帯電話をはじめ重要通信用に使われています。
この重なって割り当てられている周波数の中にアマチュア無線バンドもあるのです。
このことが後でとんでもないアクシデントを引き起こすことになります。

このマストは無線用に立てたもの。ハシゴなしに上ることができます。壁面を下がったところに引きこみ用ボックスを設けケーブルを入れます。

機材は友人のNさんに調達してもらいお手伝いもお願いしました。
netによる事前調査でこの地域の地デジ電界強度は50dB程度、ギリギリのレベルです。
緯度は北緯36°です。
Nさんが用意してきたアンテナはブースタ内蔵モールドタイプ(UDA-200A・DXアンテナ・4エレ+ブースタ)、耐候性が良さそうなアンテナでした。
UDA-200AはブースタだけでなくUHF-BS混合器も内蔵されており設置がとても楽なアンテナです。ただしモールドカバーがありますから降雪地域には向きません。
BS用パラボラは110°BS-CS対応の標準的なものです。
同軸ケーブルはロスの少ないS5C-FBを使います。コネクタ周りの処理は丁寧にしないとレベル低下やTVIなど受信不良の原因になります。

ご近所のアンテナを見て方位を合わせTV受信機で確認しました。
このときご近所のUHFアンテナの向きがバラバラだったのですが深く考えず適当に見えるのでOKと判断し作業は屋内に移りました。
ところが分配器などを通したら時々モザイクが現れます。これは電界強度不足です。
分配回路ロスが入るためか余裕度が無く普通のアンテナ(ヤギ型20エレメント)に変更しました。当然ですがブースタが別途必要です。
これでUDA-200Aより3~6dBほど改善されます。

アンテナを交換したついでに電測計で正確に向きを合わせ直しました。
何とUHFのアンテナは方向が30°以上もずれています。
思い起こせばこの地域はUHFもゴーストがひどくローカル局はVHFに変換され障害対策用ケーブルで配信されていたのです。既設のUHFアンテナはゴーストを避けるためあちこちいろいろに向いていたのでした。これだけずれていればアンテナの性能を発揮できないのが当然!
デジタルの場合ゴーストはありませんから最高レベルのところに合わせれば良いようです。

アンテナを変更したので屋根裏に混合器やUHFブースタなどを設置配線を済ませました。
写真の左に見える黒い箱はV-Uブースタで古いものです。VHFではTVI(アマチュア無線波の混入)があるので使いたくなかったのですが機材の調達が間に合わず再度のご用となりました。隣はBS電源、U-BS混合器、6分配器です。

これでお正月にはきれいな画像が見られる!
そして新年を迎えました。
正月を楽しみながら一杯きげんでのんびり1.2GHzでラグチュー(無線でおしゃべり)していたら突然家内が「テレビ見えないよ!」と叫んでる。 TVIだ! 

電波を出すたびに画像が全く見えなくなる。古いブースタのせいか?
TVIはBSのNHK1,2,3、日テレ、フジに及んでいます。
アナログでは全く問題なかったのに!
冷静になって考えてみればBS-IFと1.2GHz帯は周波数が重なっているところがあるはず。
調べてみればピッタリその周波数で障害が発生しています。
送信電力を下げても障害は無くなりません。

厄介な基本波による障害です。本来テレビはこの周波数を受信しないはず。どこから混入してるのだろう。怪しいのは旧式のUHFブースタ。それを外しても変化ナシ。
最新型はアンテナ系の接続にはシールドが完全な同軸コネクタを使っています。しかし旧式のブースタは同軸ケーブルをネジ止めしています。同軸ケーブルの芯線がわずかですが露出しています。それで疑ったのですが!
他にそんな場所はないか?
ピカッ! 閃きました。

そうです。壁の中です。TVアウトレットにはこのような形で同軸ケーブルが接続されています。この先端のネジ止めの部分が露出しているのです。最新型はこのケーブル接続部分が同軸コネクタに変更されています。これを交換したらピッタリ止りました。
安心して無線もテレビも楽しめます。

古いBS対応配線はお気をつけ下さい!

デジタル対応型直列ユニット

接続部分が完全にシールドされたF型コネクタで構成されています。
旧型で壁内配線接続部分に数センチ芯線露出部分があるモノ、TVに接続するコネクタ部分がネジのない簡易脱着式となっているモノは要注意です。
BSディジタル放送、CS放送はアンテナ系に1.2GHz帯のアマチュア無線や携帯電話と同一の周波数を使っているためTVアンテナ配線用同軸ケーブル、コネクタ等の配線処理が適切に行われていないとTVI(テレビ受信障害)が発生することがあります。
TVとの接続もコネクタの緩みや粗悪な同軸ケーブルは要注意です。
古い配線の場合新しい同軸ケーブルに交換しなければならないことがあります。

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