トンカチを創ってみました

ja1cvf   0307


玄能と云うとなにやら高級そうに見えますが
気軽にトンカチと云うことにします。

 

試作した”トンカチ”
下は小学生の頃から使っているモノ。大きさは”豆”と云われる小物作業用の小さいサイズです。
丸棒を少し削り角形に。柄の仕込み穴が小判型になっています。この理由は本文をご覧下さい。

 

フライス盤と云うほどのモノではないミニフライス いつまでもボール盤の代用ではかわいそうです。チョットフライスらしい事もやってみなければ!

道具の点検をして 金槌がずいぶんいたんできたのでグラインダで打面のマクレを削っておきました。 この金槌は私が小学生のとき買って貰った記憶のある古い道具です。 高級品では有りませんので永く使っていると打面の縁がせり出して次第にマクレ上がってきます。 これをそのままにしていますと欠けたり角で怪我をしたりする原因になります。縁は滑らかにしておかなければなりません。

こんな事をしているうちにいつも当て金に使っている丸棒に目が止まりました。 チョット小ぶりですが金槌にピッタリの大きさです。 材質は端切れとは云っても工作にうるさいSAさんから貰ってきたsk2材(ドリルロット)ですから申し分有りません。
よく見ると旋盤加工をしたときのチャックの傷とセンタドリルの穴があります。 それを削り取るとチョット短いなあ!まあいいっか! と点検、手入れは終わりにして”豆玄能”の制作に取り掛かりました。

最初は豆玄能を創るつもりでしたがやはり少々材料が短いです。センタ穴を削り落とすと長さは48mm、もはや玄能と呼ぶには申し訳有りません。 気楽に金槌を! エンドミルで打面を削り終え、チャックの傷を消すために側面も少し落とします。

私のフライスはいろいろ話題になるB社のX-1であります。ミニと云われる機械ですから切削量をを少なくしても大きなエンドミルは使えません。 とりあえず6mmのエンドミルで削り取ります。切削量と回転数を調整して・取りざたされているような問題もなく快適に作業は進みます。 25φの丸棒を22.5X23.5迄落とすと頃合いの大きさです。

ここまでくるといよいよ柄を付ける穴を掘らねばなりません。これはミニ機械にとっては難関です。これに失敗すればおシャカです。 穴サイズは7X15□とします。しかしここで難問です。手持ちのエンドミルは6mmのストレートで刃の長さは17mm程度しか有りません。 太さの3倍というのは常識的長さです。とりあえず半分ほど掘り下げその先はシャンク部分が当たるのを承知で掘り下げることにします。 どうやら貫通穴は出来ました。
さらに難関です。角穴にするためにはエンドミルを細いモノに取り替え角を出していくのですが細くなると刃の長さが短くなります。 シャンクは6mmのままですから刃の深さ以上には掘り進むことは出来ません。 ヤスリを使って角穴にするか6mmのエンドミルで作業できる楕円穴にするか。今回は手軽に楕円で行くことにします。 最終的には手前を少し大きくヤスリで仕上げておきました。

これで出来上がりにすると落語の道具屋にある鉄の釘を打つとすり減る金槌になってしまいます。 そこで焼きを入れることにします。800℃程度に焼いて急冷します。これのためにトーチランプと耐火煉瓦を購入して作業開始です。 800℃は焼き色の感じで赤から桃色と云うことですがお日様がその色を見えなくしています。 物の本には夕方から作業しろと有りますが構わず始めたので焼け具合はヤスリの滑り具合で判定します。 玄能の焼き入れは両打面だけで中程は焼きを入れてはいけません。また堅すぎる焼きは釘打ちのとき割れる事になります。 両端の打面はヤスリが滑り中央はヤスリがかかるように!今回は打面片側づづ焼き入れしました。 チョット甘い感じがしましたが”堅いより柔らかい方が良い”と云い加減にOKとしました。

柄は樫の木が定番ですが手持ちがないことを理由にあっさりとホームセンタで購入してきました。 彫り込み穴に合わせて楕円に削りしっかりと柄を仕込み完成です。

出来上がってみるとまあまあよさげです。でも品格は・・・ヤッパリこれはトンカチでしょう。

おシャカ・・・失敗してダメになることを云いますがどうしてそういうのでしょう。

鋳物の仏像を創るとき仏像には付き物の光背は薄いので失敗が多く光背のない仏像になってしまうことが度々でした。 光背のない仏像・・・そうですお釈迦様には光背は無いのです。 失敗した仏像は”お釈迦様になっちゃった”と云うわけで失敗作をおシャカになったと云うようになったと云われています。 ???ホントのことは???

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