クオーツ置時計の修理
四半世紀前・初期のクオーツ時計です。。

   ja1cvf   0807


もう25年も使ったでしょうか

頂いた時計ですが動いたり止ったり、ユニットを交換しようと思ったのですが

実はこの時計頂き物なんですが結構気にいってるんです。

最近急に音がうるさくなり、挙げ句の果て時々すねて動かなくなります。

 

それが今、息を吹き返し動き始めました。うめき声のような音もなく静かに時を刻んでいます。
末永く動いてほしい。

もう四半世紀動いていたのですがついに時々動かない。 クオーツのユニットはいくつか持っていましたので交換すれば良いかと思ったのですが微妙にサイズが合わず簡単に交換できるモノがありません。

それなら修理できないだろうか?
ユニットを分解してビックリ。
25年も昔のモノはクオーツと云えども最近のモノとは全く違います。

ユニット外形はほとんど同じですが歯車イッパイ部品がイッパイです。
左下の基板には汎用の大きな水晶振動子(ねずみ色)が載っています。 その基準信号を元にICで作り出した時間信号をこれまた大きなコイルに供給しパルスモータを駆動しています。
最近の時計はホントに何もないという感じです。
この時代には高級品だったのかも知れません。
今では100円ショップでも時計が買えるのは驚きです。

 

この時計は一応動きますのですべて分解して25年の汚れを落し磨き上げて再組み立てすることにしました。いわゆる分解掃除です。

外観は普通のクオーツ時計と変わりません。もうこの頃から標準化が進んでいたようです。
単3電池の大きさが基本になっているようです。
中央にSTARTのSWがあるのが珍しいと思います。

裏ぶたを開けると電子回路と機械部分に分かれています。上側が電子回路です。 この裏側に水晶振動子が入っています。老舗。明電舎の水晶が使われていました。 周波数は不明です。ICで分周して秒信号のX倍の信号を作っています。左側の小さい歯車がモータの駆動軸です。 さらに2段減速して秒針を動かしています。

上の歯車を外すと分針、時針を動かす歯車が現れます。

軸受けはあまり汚れていません。しかし歯車部分はオイルが固まって色が変わっています。
洗い油の代用としてペイント薄め液のお風呂に入れ25年の汚れをきれいに落としてあげました。
*溶剤によってはプラスティックが溶けることがあります。要注意です。ラッカ薄め液はNGです。

これを再組み立てすれば元気を取り戻すはずです。ところが動きません。

コイルのリード線のハンダ付け部分が青く緑青が吹いています。分解のストレスでそこが断線してしまいました。
配線用より線の芯線一本を使ってコイルの線を継ぎ足し修理完了。
簡単に書きましたがコイルの線は細くて視力の衰えた目にはほとんど見えません。虫眼鏡の協力で何とか納めました。

歯車にはオイルを差し組み立て完了。
時計用のオイルは持ち合わせ有りません。乱暴ですがエンジンオイルを針の先に付け軸受けにチョット触ります。これで充分でしょう。
オイルの付けすぎは禁物です。一般的な油差しなどで給油していけません。材質によっては給油が必要ない場合もあります。

これで思い出の時計も再び時を刻んでくれるでしょう。

 

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