LED 電気スタンド
AC100Vで点灯する実験です。

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LEDを交流で点灯するためにわざわざ整流しているのを見かけますが
整流器は不要だと思います。

 

机の上は狭いので壁に取り付けたアームライト、ランプシェードはキュートなお菓子の空き缶。

アームの後ろ側に糸で吊った錘でバランスをとっています。中が丸見えにならないように薄いプラスティックのカバーを付けます。

明るさはまだ不満足です。このようにたくさんのLEDを並べるのではなく集積化された照明用LEDの発売が待たれます。
※1ユニットで高出力のモノは個人でも入手可能です。

 

LEDの電気スタンドはAC100Vで直接点灯させます。
整流器もトランスも使いません。

LEDをAC100Vで点灯させるときわざわざ整流して直流電源を作っているのを見かけます。でも直流電源は必要ないはずです 。AC100Vを掛けても電流制限をすれば問題ないはずです。
 1個だけ付けるのであればLEDに直列に10kΩ程度の抵抗を入れてやればOKのはずですがここに落とし穴があります
 この場合LEDに正方向の電圧が掛かったときだけ光っていますが 逆方向の電圧が掛かったときはLEDの逆耐圧が小さいことから壊れる可能性があります。
電流制限抵抗が入っているので壊れないかなあとも思いましたので実験してみました。 見事壊れたのです。この実験ではLEDは壊れましたがどのような壊れ方をしたか検証してみる必要があります。
LEDに過大電流を流すとオープンになる時とショートになる時が有ります。 と云うことは何らかの保護をしないと事故に繋がることになります。 この実験では直列の抵抗(10kΩ)が保護回路として有効です。 

そして壊さないために逆方向の電圧をLEDに掛けないための一工夫が必要です。 その方法として整流してしまう・これは面白くありませんし趣旨に反します。 次の方法として逆方向にダイオードを入れて逆電圧をショートする・これもある意味では整流です。 保護している時にも電流が流れ損失になります。
この逆方向のダイオードをLEDにしてしまえば両方向光りますから損失にはなりません。
 つまりACで点灯する時は正逆方向に2個のLEDを使えばよいのです。

実際の電気スタンドには光量の関係でたくさんのLEDが必要です。 正逆に繋いだLEDを一組とすれば明るさから考え100組ぐらいまたはそれ以上欲しくなります。 しかしコストが高いので今回は30組としました。
この理由は2つ有ります。一つはコストの問題です。
もう一つはACの電圧が100Vだからです。 
30組のLEDは並列でも良いのですが直列にすれば抵抗に消費される電力が節約できます。
白色LEDの障壁電圧は約3.4Vですから30組で102Vになります。AC100Vというのはピークの電圧は約140Vです。 と云うことは40組くらい直列に点灯できる計算ですが今回は30組とし残りは電流制限回路に喰わせることにします。

電流制限回路は単純に1/4W型の抵抗です。 万一すべて(多数の)のLEDが短絡した場合(そのようなことは起きないと思いますが)この抵抗がフューズの役目をします。
そのほか各組にコンデンサを入れてパルス性のノイズ対策とツェナーダイオードによる電圧バラツキ抑制回路を入れています。 ツェナー電圧はLEDの障壁電圧より20%程度高い電圧を設定しました。 これによりLEDがオープンになった時他のLEDに対する影響を軽減します。
ここまで必要があるかは疑問ですが初めての実験的制作ですから万全を期しています。

※電流制限抵抗について
本文の説明では約40Vを1kΩの抵抗に喰わせると40mA程度の電流が流れるように見えますが オシロスコープで観測するとピークで28mA程度です。また通電時間は1/4周期くらいですからLEDの損失上も問題ないと考えます。 (LED1個あたりのピーク電圧は約3.76V・計算値)
抵抗の消費電力は平均電流が14mA(抵抗に流れる電流は両方向で1/2周期として考えます)なので約0.2Wです。 一般的使用方法としては余裕がなさすぎますが前述の通りフューズとしての機能を考えた場合適当と考えます。 気になるほどの発熱はありません。

LEDは交流で点灯した場合LEDに対し正方向の電流しか流れません。 そこで反対側の周期にも点灯するようにLEDを逆向きに接続します。 このようにすれば交互に点灯しますがちらつきはほとんど感じられません。 またLED一つずつ正逆に組み合わせていますがこれはLEDの性質上逆耐圧が低いので 正逆方向のダイオードを入れることにより相互に保護できます。

LEDに流れる電流を調べてみました。単純に抵抗の両端の電圧をテスタで測ってみるのは正解ではありません。 オシロスコープで抵抗の両端の電圧を見るとこのようにパルス状になっていますのでテスタでは正しく読み取れません。

チョット試しに電圧を下げてどのような振る舞いをするか試してみました。 かなりバラツキが有ります。高電圧で直列点灯させる時はこのバラツキが災いの元です。 この結果を見て5組毎にバランス用にツェナーダイオードを入れることにしました。

交流高電圧点灯は直流点灯の場合には考える必要がない注意点がありますがトランスも使わず点灯できるおもしろさがあります。

間違ったLEDの使い方
LEDの点灯法で時々勘違いされている方がおられます。特に照明用に使うようになってから多くなってきたのですが、 ”白色LEDはOOVで点灯させています”という表記です。
LEDは電流素子ですから”OOmA流して点灯しています”という方が正しいのです。
その電流制限回路を構成する時に計算の根拠として白なら3.4Vとか、赤なら1.8Vとか云われるのです。
乾電池などで点灯する時、電流制限回路を入れずに使用している例がありますが場合によりLEDの寿命を早めることになりかねません。 乾電池などの場合は電池の内部抵抗が電流制限の役をしている場合もありますが レギュレーションの良い安定化電源や大きなバッテリなどで点灯する時はご注意ください。

 

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