雷様対策(雷害対策)
関東では雷様が来ると梅雨明けと云われてましたが最近は冬でも来ます。

★ これは試行錯誤を繰り返しながら対策を進めます。当分の間工事中が続きます。  ja1cvf (0809)
★ 今年は全く進展がありませんでしたが接地についていろいろ調べたりしていました。そして接地の等電位化が決めてであると確信したのです。  ja1cvf (0912)
★ 始めてから3年。雷様のすきな夏が来る前にチョットだけ手を入れました。 ja1cvf (1105)
★ 出来ること出来ないことを考え一部不本意ではありますが取り敢ず完成とします。 ja1cvf (1107)


アマチュア無線をやってると雷様の標的となるアンテナがあるため
雷様対策を考えて見ました。判らないことがたくさんあります。
もちろん落雷のテストは出来ません。困ってしまいます!

関東に名高い「雷電神社」 

雷様よけはこちらの御威光にすがってお札を貼るのも一考!

お札は窓際の雷様から見えるところに貼ると効果があるらしい。
ちなみにこの神社、地震よけの御利益もあるらしい。

地震雷火事親父 怖いモノの代表です。
火事と親父は自分が注意すれば災い転じて福となすコトが出来ます。
地震は丈夫な家を建て被害を少なくする研究は進んでいますが今のところ避けることは出来ないようです。
そして雷様は何となくその災いから避けられそうでいて避けられない。
自分の心を見透かされているような神様みたいなところがあります。私は敬意を表して雷様と呼ぶコトにします。
地震と違って雷様は必ずお出ましの前に前兆があります。
危ないと思ったらコンセントを抜いたり、ブレーカを落とす、と云う消極的な手法ではありますがこれが一番。
学問の神様・菅原道真公。
謀略により太宰府へ左遷され怒りの治まらない道真公は没後、雷(いかずち)の神・雷様となって朝廷を苦しめたと云う話もあるようです。
そのため管公様の領地であった桑原の名・クワバラクワバラと唱えると、ここは菅公様の御領地と雷様が除けて行く。
その他お祈りしたりお札を貼ったり・これらの効果はご想像下さい。

 

この雷電神社の別宮に“なまずさん”と呼ばれる“鯰”のご神体がまつられています。
鯰と云えば当然地震除けの神様です。
“なまずさん”のお札をまだ貰ってなかった・・・        ja1cvf(1105)

神社のお札やお祈りも良いですがもう少しまともな対策は出来ないモノでしょうか?
神社のお札の次は「保険」です。
火災保険に含まれることもありますので確認しましょう。
保険料は高いモノではなく、下手な雷害対策より安上がりです。
これの良いところは契約次第でどんな酷い雷害にも対応します。
チョット待って下さい! 
神社のお札の次は保険・これではこの話が終わってしまいます!

やはりもっと積極的に雷様対策を考えましょう
稲妻に代表される落雷・直撃雷はそのエネルギがあまりにも強大なため
専門家が管理している電気設備でも完全に雷害を避けるコトは不可能と云われてます。
避雷針は直撃雷を避雷針に落雷させ、電気設備の被害を少なくしようとするモノです。
これは個人で出来る対策ではありません。

しかし誘導雷の一部はその現象がハッキリ解析され効果的な対策が出来るようになりました。
ここではこの「効果的対策」について検討して見ます。
誘導雷(至近の落雷で誘導されるエネルギによる雷害)の一番簡単で効果のある対策は
ブレーカを落として配電線から電化製品を切り離すことです。
この対策で、直撃雷(自分の家や設備に直接落雷すること)以外ほとんどの
雷害を避けるコトが出来るでしょう。
電化製品をコンセントから抜く方法もありますが、
それではエアコンなど外せないモノには無防備です。
忘れがちなのは電話です。これも外しましょう。
この方法は雷様が訪問中真っ暗な中で過ごさねばならず具合の良いモノではありません。
さらに、電気製品によってはメモリーが消えて再度使う時「設定やり直し」
こんな厄介なことが起きることもあります。
さらに残念ですがこの対策で100%雷害を避けられるモノではありません。
どうも消極的ですね!
もっと積極的に対策できないのでしょうか。

雷様と雷害

雷様は虎のパンツをはいて五連(もっと多いかな)の太鼓を叩いてやってきます。
これが作り話であることは云うまでもありません。怖そうなイメージを作っているのですがこれらの絵はどこかユーモラスで本当に怖そうで無いのが不思議です。

雷様の素性はフランクリンが確認したように静電気の仕業です。
関東では夏の暑い日、太陽に熱せられた空気が上昇気流となって上り上空の寒気に冷やされて夕立となって落ちてきます。この時、雷雨となることが多いです。
*雷雨のの原因はこのほかにもあります。
この上昇気流による摩擦により静電気を蓄え、雲対雲、雲対地の間で稲妻となって放電します。
この放電は大きいモノで数MV、数100kAと云われますが時間は非常に短く数100μs以下と云われています。
これらが配電線その他を通じ進入してくるモノをサージ電流(過渡的な大電流)と呼ばれます。
地域によっては冬の寒い時期に発生する雷様もあります。
冬の上昇気流は雲頂が低く、雷電流が大きく被害が大きいと云われています。

避雷針は文字のイメージから雷除け(避け)と思われがちですがその働きは受雷・雷寄せで、放電を促し電荷を中和しようとするモノです。

すべての電荷が避雷針で放電されれば他の場所には落雷が無くなります。
雷様は先のとがったモノ、高いモノ、に落ちると云われますが、そのように作った避雷針に落ちないで、近くの低いところに落ちることも多くあります。
避雷針の45°の傘のうちなら安全とも云えません。(最近はこの考えも変わっています)
放電現象は全く気まぐれで避雷針やその他接地線に至る配線等から近くのモノに再放電することもあります。
背の高い樹木や鉄塔なども避雷針と同じ働きをすることもありますが、木の枝などは再放電しやすいのでこれらから3〜4m以上離れ小さくうずくまるのがよいとされています。
山などでは地表をはう放電も有ります。避雷針の接地線のため地表に電位差が生じ感電することもあります。
大きな建物では屋上に接地線を張り回し全体を接地してしまうこともあります。
最近の避雷針にはこの再放電を防ぐ工夫がされたハイパー避雷針などと呼ばれるモノもあります。これらも完璧とは言い切れませんません。

とは云っても、ただ恐れおののいているだけではどうにもなりません。
市街地に居住するほとんどの方が何も対策してないで直撃雷の被害を経験していません。
つまり直撃雷を受けるのは希なことです。しかし誘導雷の被害を受けた人は私の周りに沢山います。
そのようなわけで誘導雷対策だけでもすれば被害はかなり減らすことが出来るでしょう。

雷様は地球と雲の間に発生した静電気です。送電線や高い樹木、アンテナなどに落雷(放電)します。(この図は模式化のため電線の数など一部省略されています。電位も雲の中がすべて(-)に成ってるわけではありません)
今、仮に送電線に落雷したとします。
家庭などに送られる電力は感電防止のため片線がアース(接地)されています。普段はアース電流は流れませんので地中のアース・Eマークに対し電柱や家電機器などを含めすべて同電位です。もしこの図のように落雷があると電柱のアース線を通し大電流が流れ接地抵抗(R1)の両端に高電圧が発生します。この接地抵抗のルートはいろいろあり抵抗で分圧された電圧がアース回路を通し各機器などに現れます。アースに対し100V以上の電位差が発生しないはずの家電機器(この 例では洗濯機)にもR2,R3で分割された高電圧が発生します。
またアンテナに接続された無線機なども同様に高電圧に曝されることになります。
この電圧により家屋内の電化製品などは絶縁破壊を起こし損傷を受けます。プリント基板や集積度の高い機器(各種配線が接近している)程この損傷を受けやすくなります。
天井からぶら下がった旧式の電球はアースに繋がっていないため配線の絶縁が良ければアース電流は流れず障害を免れることがあります。
中途半端なアースはしない方がよいと云うのも一理ありますが絶対的にモノではありません。

前述のとおり誘導雷には静電結合や電磁誘導なども考えられますがアース電位のバラツキによるモノがほとんどと云われてます。
残念ながら私のレベルでは実験や確認は出来ず鵜呑みにしています。また各種配線の長さが長いとインダクタンスを持ちそれによる位相のずれが生じ異常電圧を発生する場合が有るとも云われています。

*接地抵抗・アース線を地面に打ち込んだ場合土壌の抵抗があるため理想のアースに対し抵抗を通して接続されたと考えられます。これを接地抵抗と云います。

新しい考え方として
家屋内にある家電製品の筐体すべてが抵抗の小さい電線で結合されていたらどうなるでしょう。さらにその線が電源ラインの接地側(シロ線・N)ニュートラルに接続されていたらどうなるでしょう。
この場合対地電圧は上がりますが家電機器との間は100Vからあまり大きくなることはありません。結果として家電機器を保護できることになります。この場合家屋内に居る人間も同電位になり危険はほとんど無くなります。
この考え方を取り入れたアースの方法が等電位アース(アースの等電位化・共通化)と云われています。
*窓際など直接雷電流を受ける場合は保護されません。
*実際には家電機器のアース線を直接電源ラインの接地側に接続することは出来ません。また各機器間のアース電位に乱れが生じた場合、機器の誤動作の原因になることもあります。

加筆(0912)

アースの機能はどれも同じではありません。
電力の関係では漏電事故防止、感電防止が主たる目的でその動作状況により区分されています。これらのアースは電気設備が正常に動作している時は電流は流れません。万一電気設備に異常が発生した時、電気設備の筐体などに感電事故を起こすような電位を発生させないためのモノです。
避雷針のアースは落雷時、速やかに雷電流を放電させ建築物などを保護するのが主たる目的で建築物の大きさなどで接地の方法が違ってきます。
弱電用の場合も感電防止のアースが必要です。しかし実際には筐体アースを必要としない場合もあります。内部回路のアースは感電防止ではなく信号の0電位を規定するモノで実際には接地されてない場合も多くあります。また電波送信用アンテナなどアース電流が流れていることもあります。また複数の系統でアース電流を流したりすると 電位差を生じ障害の元になることがあります。 よく知られるオーディオ機器の一点アースなどはアース電流による障害を抑制する工夫です。

どうしたらよいか誘導雷による被害防止(被害低減)
ここに書いていることはいろいろな資料等による調査の結果で
これを実験し確認したものではありません。
もし雷害対策は『すべての電化製品をコンセントから外すのが一番』とお考えの方は
それが良いかもしれません。

もう少しスマートに出来ないかなあとお考えの方は以下を参考にしてください。

誘導雷による雷害はアース抵抗が悪さしていることが判ってきました。
自分の家にある電気設備、電話などが別々のルートでアースに繋がっていることが
大問題なのです。
電源ラインやアースラインからサージが進入したら
SWでアースラインに接続してしまえば、その被害を防げるのではないでしょうか?
つまり正常な電圧(家庭では100V)を超える電圧を感じたら その配線を短絡してしまうのです。
サージは一瞬ですから無くなったらSWはすぐ解放します。

そんな器用なこと出来るの? そのようなSWは既に実用化されているのです。

身近なところから

最近秋葉原やコンピュータショップに行くと“雷害防止機能付きテーブルタップ”というのが売られています。

これはホントに効果有るのでしょうか?
結構高いモノ、店頭の段ボールに放り込まれてるモノなど千差万別です。
売られ方がいい加減なためか何となく信頼性が有りません。
「あんなの気休め」という人もいます。

これはコンセントやテーブルタップにコードのプラグと共に挟む物です。

中を見ようと思いましたら密閉されて開けることは出来ません。

これはテーブルタップに雷害防止機能が組み込まれているようです。
私の部屋のコンセントはアース付き3pプラグを使っていますのでテーブルタップもアース付きを買ってみました。

中を開けてみると意外に簡単なモノしか入っていません。
あんな恐ろしい音と光を出すモノをこんなので防げるはずはありません・と思うのが普通でしょうか?
『あんなの気休め』 と云う言葉が何となく理解できるような気になります。
頼りなさそうなモノしか入っていません。

回路図に直すとこの様になっています。

電気回路などを手がけたことがある人はすぐ理解できると思います。

プラグの両端には100Vの電圧が掛かります。何らかの理由(雷様とか)で異常に高い電圧が発生するとダイオードが両向きになったようなバリスタが規定電圧を超えて導通し電圧を制限します。これにより機器の損傷を防ぐことが出来ます。その他のLEDなどは表示用です。
ここで気になったのはこのテーブルタップのアースのラインは何も対策されていません。もちろん2pタイプも同様です。

こういうモノを見ると『下手なアースはしない方がまし』と云う良く聞く言葉を思い出します。

アースを無視しない商品はないのか?
もう少ししっかりしたモノはないのか?
せっかくあるアース端子を無視することなく処理してるモノそんなモノを探したら有りました。

3pのプラグアダプタ形式で作りもしっかりしています。
残念ながら特殊ネジで密封状態、中を確認できません。

メーカTDKのカタログから引用
<
http://www.tdk.co.jp/tjfx01/j9181_ans.pdf>

バリスタにより対地サージ電圧を抑制します。先に示したテーブルタップは線間サージ電圧の抑制はできますが対地電圧は無防備です。

実際の使用例です。テーブルタップやコンセントに挿し使用します(右端)。
プラグアダプタには差し込み口が付いていますのでテーブルタップの差し込み口を減らすことなく使えます。


こちらは別の製品ですがバリスタだけでなく
ガスアレスタもくみこまれています。

これらプラグアダプタはコンセントに対し並列に挿入されています。と云うことはテーブルタップの他の差し込み口に対しても雷サージ抑制効果が期待できます。
また、他のコンセントにこのプラグアダプタが差し込まれていても、たとえ同じ電源回路でも全く問題有りません。むしろ電源ケーブルが長いときなどは複数使うことが インダクタンス成分によるサージの上昇抑制などに良い結果を得られると考えます。
テーブルタップやコンセントの対策は簡単で、すぐに出来る例として紹介しました。
しかし分散された宅内の配線に接続するため雷電流は宅内を流れ抑制阻止・バリスタ等の能力の問題もあり頼りなさを感じます。 この製品のインパルス耐電流は2500A程度ですが複数個、コンセントごとに使うことで耐電流が増えると考えられます。

もっと積極的に電気の入り口・分電盤に雷サージ抑制回路 (SPD)を入れる方法があります。
これが誘導雷抑制の究極的対策でしょう。
ちなみに分電盤用避雷器(SPD)は10kAが標準のようです。
                   ja1cvf (1105)

ここで使われているバリスタとかガスアレスタがサージ抑制素子です。
これらの動作特性などは文末の参考資料やnetなどでご確認下さい。

『下手なアースはしない方がまし』?

3pプラグを使っている機器はその筐体や人体が触れる金属部分をアースできるように作られています。つまり3pプラグを3pコンセントに繋げば筐体がアースされ感電をすることがありません。
しかしこの便利な3pプラグもアースのないコンセントではアース回路を外し2pに改造されていることが多くあります。
このようにアース無しの改造をした場合感電防止の機能は働きません。
一般的には配線や部品の絶縁が正常なら即感電と云うことはありません。絶縁耐圧は500~1000V位有ります。
また配線器具や電化製品の絶縁性能が良くなっていることも事実です。

ここで前述の落雷模式図を思い出して下さい。
近くの送電線、配電線に落雷すると配電線の対地電圧が高くなります。(真のアースと電柱アースの間に抵抗があるため)
雷ガードテーブルタップを使った場合、線間(シロ・クロ間)電圧は保護されますので機器の故障は少なくなります。

対地電圧は高くなっていますが筐体の絶縁、建物の絶縁と2重3重の絶縁が保たれればこれも保護されたと同じことになります。
このことが
『下手なアースはしない方がマシ』という話に繋がるのでしょうか。
しかし筐体を触っていたら人体を通して雷電流が流れるかも知れません。その場合重大事故になります。

私の理解に基づく考えです。実際に確認したわけではなく間違っているかも知れません。
*配電線の線間電圧は線間のインピーダンスが低いこともあり対地電圧ほどの上昇はない。
(そんなこと無 い? インダクタンスの影響?)
*雷が鳴った時(対地電圧が高い時)、屋内の電気機器から離れたところに避難すると云う理由にうなずけます。

もし落雷時、3pコンセントでアースされていたらどうなるでしょう。自宅のアース電位と配電線の対地電圧(普通は100V)差が大きくなって、 多くの場合筐体内部で絶縁破壊が起き機器の故障に繋がることが予想されます。
しかし、筐体に触っていた場合でも人体を通しての雷電流は減少し感電被害は小さいと思われます。

どうして電話モデムが壊れるの?

一般家庭の場合雷害の多くは電話に集中してるように思います。どうしてこうなるのでしょう。
最近の電話(特に私の場合)は単体で使われる場合が少なく、電話線、コンピュウタ、ACライン、などに繋がっていることが多くなっています。
ここで、忘れて成らないのは電話線には避雷器とアースが付いています。
このアースは避雷器の有る電話の引きこみ口とは限らず避雷器からアース線を引き延ばし遙か彼方の電柱まで持って行く場合もあります。
昔の電話は電話機だけしか付いていなかったのですが最近の電話は多機能でコンピュウタ同様の電子機器でもあります。
ACラインやコンピュウタなどに繋がり、電話ラインや複雑なアース間の絶縁耐力が狙われるのでしょう。

家電機器がそれぞれ関連を持ちケーブルで繋がり、さらに複雑なアースが有るため各筐体や電気回路に対し落雷時に大きな電位差を発生させることが予想 されます。
もしすべてのアースを一点に集中しアースの電位差をなくすことが出来れば雷害を防げるのではないでしょうか。
自分の家のアースに誘導電流が流れ対地電圧が高くなっても家の中の電位差は小さいですから絶縁破壊や感電事故は起きないと考えられます。
この考えが最新の雷害防止の考え方です。

送電線、配電線の故障や家電機器の故障で微少なアース電流(落雷に比べ)が流れてもその系統ごとに保護すれば防げた電気事故(主に感電)ですが巨大な電流の流れる落雷事故も含めて保護するために一点集中アースの考えが必要になってきました。アースの等電位化、等電位ボンディングアース 、連接アースなどと云われています。

ACラインの線間電圧は柱上トランスのインピーダンスが低いので落雷時にも電圧変化は対地電圧の変化に比べ少ないと思われます。 本当か?

ja1cvf   (1107)

残された究極の対策
分電盤避雷器を入れる。同時に分散されているアース極をすべて繋いで等電位化をする。
この項目が残されたのですがどういうモノかは次の参考資料を参照下さい。

◎すぐに進められない私の家の問題点。
分電場避雷器は安全ブレーカのスペースに取り付け可能ですが分電盤にアース端子が配線されていません。(最近の分電盤にはアース端子があります)
幸いなことに複数あるアース付きコンセントの接地極は一ヶ所に集中配線されてます。(ここから分旋盤の間が繋がっていません)
後付機器(エアコン等)の接地極が分散している・これが一番危険・これらの接地極をコンセントの接地極と統合しなければならない。これが一番厄介です。
無線用アンテナの接地極・アンテナ系(高さ15m)の接地は避雷用か感電防止か・本来は避雷用であるべきですが接地極としての能力は??? 接地抵抗未測定 接地線はKIV8sq  避雷用としてはチョット細いけどまあ良いか。

これらを解決しながら最終コーナーへ向かっています。   ja1cvf (1105)

アース付きのコンセントに前述のプラグアダプタがついていることを前提に考えるなら、まず最初にエアコンなど後付機器のアースとコンセント等のアースを共通化します。
実際にはエアコンのアース端子・短いアース棒が打ち込まれていますがそのまま残しておきます。これらとコンセントのアース電極を接続します。
*アース工事は電気工事士の免許が必要です。
一般の家庭ではこれで完了です。

もし、これから新築されるなら分電盤にSPDと呼ばれる避雷器を入れて貰いましょう。これは既存の建物でも取り付け可能です。
今回私はプラグアダプタで済ませていますが分電盤SPDは避雷対策としてお勧めです。

【 アンテナ系の対策 】
私の家にはアマチュア無線用のアンテナ設備があります。
この接地極とコンセント等の接地極は微妙な関係にあります。
無線機アンテナ系は高周波電流の関係でアースポイントはオーディオの一点アース同様勝手に繋ぐことは出来ません。
アンテナのアースは給電部がアースの基準になります。
避雷の意味からは短い距離でアースの共通化をするべきです。
そのために常時は解放、サージ発生時は短絡するようなSWを入れます。
それがプラグアダプタにあるようなバリスタ、ガスアレスタなどサージアブゾーバと呼ばれるモノです。

アンテナ柱の最下部に接続箱を置き配線処理をしました。

サージアブゾーバはサージ発生時には10kAに耐える コトが目標です。しかし時間は20μs程度です。
サージアブゾーバにはいろいろ得意分野がありバリスタなどは耐量を超えると短絡あるいは破裂の可能性、 また静電容量が多いため高周波回路には使えません。
ガスアレスタなどは放電持続の可能性があり常時電流の流れている場所は注意が必要です。静電容量は少ないので高周波回路にも適合します。

避雷器の選択には十分注意が必要です。


バリスタ・主に機器組み込み用


ガスアレスタ・機器組み込み用


同軸避雷器‥中央のユニットはガスアレスタ


ガスアレスタの耐電圧は送信電力により選択
SWR値に注意が必要

私はこれら避雷、サージアブゾーバ、に関する理解度が低いので誤った解釈をしている可能性があります。実験による検証が出来ない分野でもあります。この記述を参考にされる場合はご注意下さい。万一の事故にも一切の責任を持ちません。

ja1cvf  (1107)

避雷イメージ図

避雷イメージ
分電盤の付近にある避雷器は本文中にあるプラグアダプタを複数個使用しています。
避雷器を挿入しても配線が長くなるとインダクタンスの影響でサージ電流が大きくなる場合があります。気になるところに分散して挿入すると良いでしょう。
避雷器の耐電流は合成した状態で10kAを超えています。バリスタ系とガスアレスタ系を組み合わせています。
避雷器は分電盤内に組み込むことが良いと思いますが工事が大変なのでやっていません。
家電機器の中にはアースをしていないモノ。接地極がこの中にないモノがあります。接地極が分離されてるモノは保護されませんので早急に追加工事をする予定です。
アンテナ系接地極と電力系接地極が有るためそのまま接続するとアンテナ系において高周波のループ電流が流れる可能性がありそれを避けるため分離しています。
ACラインにサージが発生しアース電位にバラツキが出た場合避雷器が短絡状態となり電位差を抑制することが期待されます。  ja1cvf   (1107)

雷害の発生原因やその対策について本来実験等で確認が必要と思いますがこれらについて私の環境では実験等、確認出来ないのが現状です。いろいろな資料を比較検討し納得できる結論を元に机の上で対策を考えたモノです。これらの対策で100%の安全を確保できるとは云えませんが 誘導雷に対して我が家の安全性は高くなったと思います。

引用 参考資料(順不同)
玉置晴朗(JA1QPY) 誘導雷の現象と被害対策(CQHamradio1995-10)
松田純一 山本拓也  誘導雷サージの発生メカニズムと対策(松下電工技報Vol.55No.4)
セラミックバリスタTNR  NIPPON CHEMI-CON (製品ガイド CAT.No.1006A)
asahi.comニュース  おへそよりも家電が危ない この夏「誘導雷」被害相次ぐ (2008/09/16)
audio-technica  サージバスター:雷被害についての基本知識(ホームページ2008/09/16)
木賀忠雄(JA1AR)  落雷と安全対策について(モービルHAM1983-7)
横山茂  増大する雷害リスク−対策と課題− (2004予防時報216)
岸本保夫  (情報通信ビルにおける雷害対策技術  (NTT技術ジャーナル2003.3)
NTT環境エネルギー研究所・戸建て住宅の共通接地化に関する共同実験概要
http://www.ntt.co.jp/journal/0710/files/jn200710048.pdf

 

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