雷様対策(雷害対策)
★ これは試行錯誤を繰り返しながら対策を進めます。当分の間工事中が続きます。 ja1cvf (0809) |
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地震雷火事親父 怖いモノの代表です。 火事と親父は自分が注意すれば災い転じて福となすコトが出来ます。 地震は丈夫な家を建て被害を少なくする研究は進んでいますが今のところ避けることは出来ないようです。 そして雷様は何となくその災いから避けられそうでいて避けられない。 自分の心を見透かされているような神様みたいなところがあります。私は敬意を表して雷様と呼ぶコトにします。 地震と違って雷様は必ずお出ましの前に前兆があります。 危ないと思ったらコンセントを抜いたり、ブレーカを落とす、と云う消極的な手法ではありますがこれが一番。 学問の神様・菅原道真公。 謀略により太宰府へ左遷され怒りの治まらない道真公は没後、雷(いかずち)の神・雷様となって朝廷を苦しめたと云う話もあるようです。 そのため管公様の領地であった桑原の名・クワバラクワバラと唱えると、ここは菅公様の御領地と雷様が除けて行く。 その他お祈りしたりお札を貼ったり・これらの効果はご想像下さい。
この雷電神社の別宮に“なまずさん”と呼ばれる“鯰”のご神体がまつられています。 |
神社のお札やお祈りも良いですがもう少しまともな対策は出来ないモノでしょうか? やはりもっと積極的に雷様対策を考えましょう
しかし誘導雷の一部はその現象がハッキリ解析され効果的な対策が出来るようになりました。 |
雷様と雷害
雷様は虎のパンツをはいて五連(もっと多いかな)の太鼓を叩いてやってきます。
雷様の素性はフランクリンが確認したように静電気の仕業です。 避雷針は文字のイメージから雷除け(避け)と思われがちですがその働きは受雷・雷寄せで、放電を促し電荷を中和しようとするモノです。 |
すべての電荷が避雷針で放電されれば他の場所には落雷が無くなります。
とは云っても、ただ恐れおののいているだけではどうにもなりません。 |
雷様は地球と雲の間に発生した静電気です。送電線や高い樹木、アンテナなどに落雷(放電)します。(この図は模式化のため電線の数など一部省略されています。電位も雲の中がすべて(-)に成ってるわけではありません) 今、仮に送電線に落雷したとします。 家庭などに送られる電力は感電防止のため片線がアース(接地)されています。普段はアース電流は流れませんので地中のアース・Eマークに対し電柱や家電機器などを含めすべて同電位です。もしこの図のように落雷があると電柱のアース線を通し大電流が流れ接地抵抗(R1)の両端に高電圧が発生します。この接地抵抗のルートはいろいろあり抵抗で分圧された電圧がアース回路を通し各機器などに現れます。アースに対し100V以上の電位差が発生しないはずの家電機器(この 例では洗濯機)にもR2,R3で分割された高電圧が発生します。 またアンテナに接続された無線機なども同様に高電圧に曝されることになります。 この電圧により家屋内の電化製品などは絶縁破壊を起こし損傷を受けます。プリント基板や集積度の高い機器(各種配線が接近している)程この損傷を受けやすくなります。 天井からぶら下がった旧式の電球はアースに繋がっていないため配線の絶縁が良ければアース電流は流れず障害を免れることがあります。 中途半端なアースはしない方がよいと云うのも一理ありますが絶対的にモノではありません。 前述のとおり誘導雷には静電結合や電磁誘導なども考えられますがアース電位のバラツキによるモノがほとんどと云われてます。 残念ながら私のレベルでは実験や確認は出来ず鵜呑みにしています。また各種配線の長さが長いとインダクタンスを持ちそれによる位相のずれが生じ異常電圧を発生する場合が有るとも云われています。 *接地抵抗・アース線を地面に打ち込んだ場合土壌の抵抗があるため理想のアースに対し抵抗を通して接続されたと考えられます。これを接地抵抗と云います。 新しい考え方として 加筆(0912) |
アースの機能はどれも同じではありません。 電力の関係では漏電事故防止、感電防止が主たる目的でその動作状況により区分されています。これらのアースは電気設備が正常に動作している時は電流は流れません。万一電気設備に異常が発生した時、電気設備の筐体などに感電事故を起こすような電位を発生させないためのモノです。 避雷針のアースは落雷時、速やかに雷電流を放電させ建築物などを保護するのが主たる目的で建築物の大きさなどで接地の方法が違ってきます。 弱電用の場合も感電防止のアースが必要です。しかし実際には筐体アースを必要としない場合もあります。内部回路のアースは感電防止ではなく信号の0電位を規定するモノで実際には接地されてない場合も多くあります。また電波送信用アンテナなどアース電流が流れていることもあります。また複数の系統でアース電流を流したりすると 電位差を生じ障害の元になることがあります。 よく知られるオーディオ機器の一点アースなどはアース電流による障害を抑制する工夫です。 |
どうしたらよいか誘導雷による被害防止(被害低減) もう少しスマートに出来ないかなあとお考えの方は以下を参考にしてください。
誘導雷による雷害はアース抵抗が悪さしていることが判ってきました。 そんな器用なこと出来るの? そのようなSWは既に実用化されているのです。 |
身近なところから
最近秋葉原やコンピュータショップに行くと“雷害防止機能付きテーブルタップ”というのが売られています。 これはホントに効果有るのでしょうか?
これはコンセントやテーブルタップにコードのプラグと共に挟む物です。
中を見ようと思いましたら密閉されて開けることは出来ません。 これはテーブルタップに雷害防止機能が組み込まれているようです。 中を開けてみると意外に簡単なモノしか入っていません。
回路図に直すとこの様になっています。 電気回路などを手がけたことがある人はすぐ理解できると思います。 こういうモノを見ると『下手なアースはしない方がまし』と云う良く聞く言葉を思い出します。 |
アースを無視しない商品はないのか?
3pのプラグアダプタ形式で作りもしっかりしています。
メーカTDKのカタログから引用 バリスタにより対地サージ電圧を抑制します。先に示したテーブルタップは線間サージ電圧の抑制はできますが対地電圧は無防備です。
実際の使用例です。テーブルタップやコンセントに挿し使用します(右端)。
これらプラグアダプタはコンセントに対し並列に挿入されています。と云うことはテーブルタップの他の差し込み口に対しても雷サージ抑制効果が期待できます。 もっと積極的に電気の入り口・分電盤に雷サージ抑制回路
(SPD)を入れる方法があります。 |
ここで使われているバリスタとかガスアレスタがサージ抑制素子です。 |
『下手なアースはしない方がまし』? 3pプラグを使っている機器はその筐体や人体が触れる金属部分をアースできるように作られています。つまり3pプラグを3pコンセントに繋げば筐体がアースされ感電をすることがありません。 ここで前述の落雷模式図を思い出して下さい。
もし落雷時、3pコンセントでアースされていたらどうなるでしょう。自宅のアース電位と配電線の対地電圧(普通は100V)差が大きくなって、
多くの場合筐体内部で絶縁破壊が起き機器の故障に繋がることが予想されます。 |
どうして電話モデムが壊れるの? 一般家庭の場合雷害の多くは電話に集中してるように思います。どうしてこうなるのでしょう。 家電機器がそれぞれ関連を持ちケーブルで繋がり、さらに複雑なアースが有るため各筐体や電気回路に対し落雷時に大きな電位差を発生させることが予想
されます。 送電線、配電線の故障や家電機器の故障で微少なアース電流(落雷に比べ)が流れてもその系統ごとに保護すれば防げた電気事故(主に感電)ですが巨大な電流の流れる落雷事故も含めて保護するために一点集中アースの考えが必要になってきました。アースの等電位化、等電位ボンディングアース 、連接アースなどと云われています。
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残された究極の対策 分電盤避雷器を入れる。同時に分散されているアース極をすべて繋いで等電位化をする。 この項目が残されたのですがどういうモノかは次の参考資料を参照下さい。
◎すぐに進められない私の家の問題点。 これらを解決しながら最終コーナーへ向かっています。 ja1cvf (1105) |
アース付きのコンセントに前述のプラグアダプタがついていることを前提に考えるなら、まず最初にエアコンなど後付機器のアースとコンセント等のアースを共通化します。 実際にはエアコンのアース端子・短いアース棒が打ち込まれていますがそのまま残しておきます。これらとコンセントのアース電極を接続します。 *アース工事は電気工事士の免許が必要です。 一般の家庭ではこれで完了です。
もし、これから新築されるなら分電盤にSPDと呼ばれる避雷器を入れて貰いましょう。これは既存の建物でも取り付け可能です。 【 アンテナ系の対策 】 アンテナ柱の最下部に接続箱を置き配線処理をしました。
サージアブゾーバはサージ発生時には10kAに耐える
コトが目標です。しかし時間は20μs程度です。 |
避雷器の選択には十分注意が必要です。
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避雷イメージ図
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避雷イメージ 分電盤の付近にある避雷器は本文中にあるプラグアダプタを複数個使用しています。 避雷器を挿入しても配線が長くなるとインダクタンスの影響でサージ電流が大きくなる場合があります。気になるところに分散して挿入すると良いでしょう。 避雷器の耐電流は合成した状態で10kAを超えています。バリスタ系とガスアレスタ系を組み合わせています。 避雷器は分電盤内に組み込むことが良いと思いますが工事が大変なのでやっていません。 家電機器の中にはアースをしていないモノ。接地極がこの中にないモノがあります。接地極が分離されてるモノは保護されませんので早急に追加工事をする予定です。 アンテナ系接地極と電力系接地極が有るためそのまま接続するとアンテナ系において高周波のループ電流が流れる可能性がありそれを避けるため分離しています。 ACラインにサージが発生しアース電位にバラツキが出た場合避雷器が短絡状態となり電位差を抑制することが期待されます。 ja1cvf (1107) |
雷害の発生原因やその対策について本来実験等で確認が必要と思いますがこれらについて私の環境では実験等、確認出来ないのが現状です。いろいろな資料を比較検討し納得できる結論を元に机の上で対策を考えたモノです。これらの対策で100%の安全を確保できるとは云えませんが 誘導雷に対して我が家の安全性は高くなったと思います。 引用 参考資料(順不同) |