FET簡易電子負荷装置(DC-DUMMY)
安定化電源などの検査用治具です。

ja1cvf  0905


最近ほとんど出番がなかったのですがDC-DUMMYが壊れていました。
そんな時急に出番が回って来るのがこの手の治具です。
友人に貰ったFETで造り直しました。

トランジスタ負荷をFETに変更しました!
古い書き込みや穴が気になりますね!

電源装置などを作った時実際に予定どおりの出力を取り出せるかテストする必要があります。

私の範疇では12V10A(120W)程度の電力容量が有れば充分です。以前作ったモノがあるのですがオーバロードでトランジスタを飛ばしてしまいました。
あまり使うモノではないのでそのままになっていましたが急に必要になりました。

頃合いの部品を探したのですが適当なストックがありません。見かねた友人がFETを送ってくれました。

壊れてしまったDC-DUMMYはトランジスタ式です。今回はパワーMOS-FETを使います。


コレは改修前の作品です。メータ回りやブロアの位置が変更になっています。

MOS-FETは電圧制御素子ですからゲートに適当な電圧を掛けるだけで回路電流をコントロールできます。
市販の電子負荷装置と呼ばれるモノでは制御用電源を持つモノもありますが、使用中は外部より電力を供給されそれの負荷となって働くだけですから、そこから制御用に電力をチョットだけいただくことにします。コレが簡易たるゆえんです。
この考えは旧型でも同じです。

左側の入力端子に検査用の電源を接続します。
15V10A程度を最大値とします。
入力電圧は検査条件で大きく変化しますので使用条件でVRのツマミ位置があまり変わらないようにゼナーダイオード(ZD)を入れておきました。コレの電流制限抵抗(470Ω)は定電流ダイオードを使うと具合がよいかも知れません。低い電圧の時でもゼナ電流を確保するため抵抗値は小さめです。簡易型ならZDを省略しても良いでしょう。
この製作例の場合入力が6V以下になると充分なゼナー電流を流すことができず、ゲート電圧が低すぎFETをONにできません。
もし低い電圧の電源のテストをするのでしたら立ち上がりゲート電圧が低いFETを選ぶかゲート電圧供給用の電源を組み込む必要があります。「簡易型」と云う言葉で諦めることにします。

電流や電圧の変化を確認するためにメータを付けていますが、都合の良いスケールのメータはほとんど入手困難です。そのためメータパネルを書き換え使用しています。
使用したモノは安物のメータでメモリの直線性が悪くスケールの中央付近しか使えない代物です。
絶対値を読むと云うより検査中の電圧や電流の変化を知るためのインジケータとしての位置づけです。

メータスケールの変更は電圧計は倍率器を、電流計は分流器を入れるのが正しい方法です。
*電気の基礎的な本には必ず計算の方法が出ています。
しかし分流器を作るのは抵抗値の測定や制作上アマチュアには困難を伴います。そのため今回は電流計も電圧を測定し読み替えることにします。

ここでは手抜きの簡単な方法で倍率器を作ります。
メータ感度の推定・250μA1kΩとすれば0.25Vの電圧でフルスケールになりますがそんなこと考えずに10kΩくらいの可変抵抗を直列に入れ実験用電源からわかりやすい電圧を供給し電圧と抵抗値の関係を記録します。それを元に希望する電圧計(今回は20V)に必要な抵抗を求めます。中途半端な抵抗が必要になりますので適当な可変抵抗で済ませます。10kΩのVRで出来ましたのでメータ感度は2mA程度と云うことになります。

同じ手法で電流計も作ります。フルスケールは2Aにします。
1.1Ωの抵抗に2A流せば抵抗両端の電圧は2.2Vです。20Aにする場合は22Vの電圧計を作ればよいことになります。

メータの後に倍率器を組み付けて完成です。
*倍率器などに可変抵抗を使うのは経時変化が大きいこともあり好ましいことではありません。

 

ここでは皆さんがどのようなメータを使うか判りませんので敢えて数値を示しません。いずれ他のコラムで説明しようと思います。
メータの選び方や内部の構造などを含めて説明しないと高価な
メータを壊すことになります。ご了承下さい。

 

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