バッテリテスタの改造
負荷電流を調整しました。

ja1cvf  0912


100均で買ったバッテリテスタ
負荷電流を大きくするSWを付けてみました。
この部分必読→ 『手持ちの部品選択に問題が発生』

これは大手の100均で売ってるバッテリテスタです。
100円でも表示は意外に正確で充分使えると思っていたのですが、先日アクシデントに見舞われました。

このテスタでOKが出たのに実際には使えない状況が出てしまったのです。
表示がちょっと黄色に掛かったのですがまあ何とかなるだろうと使ってみたら電圧が低すぎてNG!

オリジナルではこのテスタの負荷電流は単3の場合50mAでした。
そのために追加したのが緑ボタンを押すと300mAになるSWです。


これがオリジナルの状態です。

この状態で長い間使っていました。メータに書いてあることをただ鵜呑みにして使っていたのです。メータは赤がREPLACE、黄がWEAK、緑がGOODです。
ところが、単3のマンガン電池で黄と緑の境目を指示したのです。「これならまだ使える」と判断して使い始めた所まともに動作しません。
負荷が重すぎて電圧が下がってしまったようです。
最近は電池の性能が上がり大電流を流す機器が多くなってるようです。
このバッテリテスタの負荷電流が少なすぎるようです。


測定回路は見落としそうな程小さな基板
メータの下側に付いてます。

そこでこのメータの表示がどのような意味を持っているのか改めて調べてみました。
メータ表示は色分けで重要なのは赤と黄色、黄色と緑の境目です。それ以外は正確に読み取ることが出来ません。
測定回路は簡単なモノです。
点線で囲まれた部分は今回の改造で追加された部分です。

ケースの上面にある端子は1.5V系の電池用でその場合の負荷抵抗は30Ωで、50mAの負荷電流を流します。その時の電圧をメータVとR1で構成された電圧計で読み取ります。メータ自体は簡易型の電流計です。
赤黄の位置で1.2V、黄緑の位置で1.5Vとなります。
ニカド電池などでは赤黄の位置で良品と云うことになります。
同様にケースの側面の端子では9V系の電池を測定します。30mAの負荷電流です。電圧計回路の補正用にR2が直列に入っています。この場合赤黄の位置で7V、黄緑の位置で9Vになります。

良否判定は緑は表示通りGOOD、となります。黄色の場合使用する負荷によって判断する必要があるでしょう。
小電流機器は電圧余裕度が大きいことが多いので上手に使い分ければすぐに捨てなくても良いでしょう。ただし、容量が落ちた電池は液漏れの危険が高いように感じます。

『負荷抵抗は適正か?』

電池の電圧を測って良否を判定するためには負荷電流を流した状態で測定しなければなりません。
そのため一般のテスタ(回路計)で計ると使えない電池も高い電圧が表示されます。
どの位の電流が良いかは電池の種類によって違うのですがここで取り上げた簡易型の場合すべてに適正な負荷電流を流している訳ではありません。

9V電池の場合「006p」しか該当しませんので30mAと云うのは適正と判断しました。

1.5V系ではボタン電池の場合50mAと云うのは過大だと思います。特にLR-44以下の小型の電池では、測定のために電池が消耗してしまう可能性があります。このテスタでは持続試験(電圧降下試験)などをやるのは危険です。
同じ回路を使用している「単1,2,3」では負荷電流が不足と思います。最近あまり使われなくなった単3マンガンなどでは適当とと考えます。
最近は単3電池でもアルカリ型の場合かなり大電流を流している機器があります。50mAの負荷ではOKと判定された電池でも実際には使えないことがあります。


SWと抵抗を小さな基板に付けて組み込みます。

『追加した回路』

300mAの負荷電流を流すためにR3を追加しました。これは必要な時だけSWを押して使います。
6Ωの抵抗を入れればよいことになります。(既に50mA分の抵抗が入っているので250mA分でよい)しかし実際には手持ちが無かったために10Ωを2本並列に使いました。と云うことは350mA流れることになります。


メータの下側の隙間に基板を接着して完成。

『手持ちの部品選択に問題が発生』

この改造に使った部品はジャンク箱に有った部品の寄せ集めです。
分流用に使った抵抗も金帯(5%)の普通品、SWは大きめのタクトSWです。
実はこのタクトSWが大問題だったのです。
タクトSWという名称はアルプスの商品名です。でも殆どの場合一般名称のように使われてます。ここで使ったのも他社品です。

このタクトSWを負荷電流増加用に使ったのです。
切り替えの感触も良く、取付けも簡単「これは具合が良い」と思ったのですが代表的なカタログを見てドキッ!接点電流50mAです。
この回路に流れる電流はおよそ300mA。
この使い方では危険は無いと思いますがSWの耐久性が問題です。
もう少し電流容量の大きいSWを使う必要があります。

SWの選択にご注意を! お粗末な工作でした。

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