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SF・ファンタジーの棚

   パプリカ     筒井康隆 氏著
 
筒井氏の作品はどれも好きなので全部紹介したいほどなのですが、きりがないので最近読みなおしした2冊をご紹介します。

『パプリカ』は、’93に書かれた作品。
精神分析医が夢探偵として患者の夢に入り、夢の内容に関与して治療の糸口を探していくという治療法が開発され、その研究をめぐって事件が起こってくる・・・というストーリー。
「パプリカ」は、夢探偵のあだ名で、その正体である精神科女医とともにとても魅力的です。
事件は、その展開に微妙に夢分析を織りまぜながら進んでいきます。
「素人が自分の無意識をいじりまわしてはいけない。無意識は恐ろしい力を持っているから、素人がやると無意識に捉えられて現実に戻ってこられなくなる恐れもある。絶対にやってはいけない。」などと自身でエッセイに書いていたにもかかわらず、この『パプリカ』を執筆し始めてしまい、なんと筒井氏は一夜にして白髪になってしまったそうです。

   残像に口紅を   筒井康隆 氏著
 
『残像に口紅を』は、’89に書かれた作品。
あいうえおの音が次々と失われていく中で虚構が進行して行きます。
音が失われるとともにその音が含まれる言葉もその言葉が指す物も無くなっていくのです。
どんどん音が無くなっていく中で、タイトルにある”残像”という表現の実体が、だんだん解ってきます。
このまま、音を無くしていって、小説としてどうやって終わらせるんだろう・・・と思っていたら、憎いくらいに仕組まれた終わり方にただただ感服、満足させられます。

 
だ、だめだ。 やっぱり一番好きなジャンルの本ってのは、良さ・面白さの感覚をうまく表現できないものですねー。
どんなに面白いか、魅了されるか、伝える言葉が浮かばない(>_<)

筒井氏の作品は、単に笑える面白さではなく(もちろんブラックも含めて笑いの要素は存分にあるのですが)何て言うんでしょ・・筒井ワールドに入りこんでいくと、まるでネットサーフィンのように読めば読むほどさらにもっと読みたくなってしまうのです。

   マイ国家     星 新一氏著
 
ご存知、ショートショートの神様星新一氏は、私がSF好きになるきっかけでした。
筒井氏と同じく、星氏の作品もどれも好きで全部紹介したいのですが、やはりきりがないので、私が最初に出会った星氏の本を挙げておくことにします。
文庫の裏書きをそのまま引用すると、
『マイホームを”マイ国家”として独立宣言した男がいた。訪れた銀行外勤係は、不法侵入・スパイ容疑でたちまち逮捕。犯罪か?狂気か?・・・後略』・・・となっています。
あらすじとしては、その通りなのです・・・が!しかし、読みはじめるとどんどん読み進まずにはいられなくなるのです。
読後に残るなんとも言えない後味の感覚は、ちょっと他では味わえません。