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日記 すき きらい

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1984年?夏 史上最低の作戦3:知敵

さて、真の敵とは、いったいいかなるものだったのか。

その時点でオレが確認していた敵は、2種類だった。大型タイプと小型タイプである。
 この2種類とも大きさを除けば、ほぼ同じような形をしていた。あまり覚えてはいないものの、大型タイプのほうが背中により複雑な模様をもっていたよ〜な気もするけど、単なる気のせいかもしれない。

この2種類の敵は、主に毛根のなかに身体を半分ほどもぐり込ませて、お尻を毛根から出すような形で、へばりついていた。実際に観察したわけではないが、おそらく前方にある口を毛根のなかにある血管にあてて、そこから血を吸っていたのだと思われる。

この敵を毛根から取り出すにあたっては、細心の注意が必要である。固い頭部に比べて胴体は比較的やわらかいからだ。ただ力まかせに引き抜こうとすれば、胴体の真ん中からブチッとちぎれて、頭部はそのままそこに残ってしまう。
 これも確かめたわけではないが、しばらくたって頭部だけの状態の敵が見当たらなかったことを考えれば、おそらく再生したのかも。

さて、この時点でオレが敵だと認識していたのは、この2つだった。
 しかし、とある偶然によって、オレはある事に気がついた。
 気がついてしまえば、なんでそれまで気がつかなかったのか不思議なぐらいである。
 そりゃ、当然のことさ〜。

夜の儀式も終わりに近づこうとしていたとき、オレは眠い目をこすりながら、敵影を追い求めていた。しかし、疲れたオレの目では今夜はこれ以上敵を見つけられそうにはなかった。

その時である。オレの視界に変なものが見えた。
 密林の途中に、なにかが引っかかっていたのである。
 それまで、オレは主に陰毛の根元に視線を集中していた。そのせいで気がつかなったかもしれない。 その時、オレはそれを移動中の敵だと思い、つい毛ごとそれをつまみ出した。
 そして、抜いた毛をまじまじ見てみた。
 すると………。

げげげげ〜〜〜〜〜〜ん。

そりゃ、そ〜だ。いくら敵を殺そうとも、全然敵が一掃されないわけである。
 ってゆ〜か、単にオレがバカだったとしかいいようがない。

オレの目の前のある陰毛には、卵がへばりついていた。
 卵の数はそれほど多いわけではなかった。卵はちょうど敵がもぐり込んだときにお尻の先にあたるぐらいの高さから、それよりさらに高い所まで、涙が逆に垂れるよ〜な形で、いくつも連なっていた。

なんちゅう〜〜〜。
 いい気なものである。人の聖域に首をつっこんだあげく、血を吸いほうだい、しかもあげくのはてには、血を吸いながら、卵なんぞをお尻から産み出したりするのである。
 はっきり言って、オレは完全になめられていた。
 いや、まあ、単にそういう敵だったのだから、なめられていたわけではないかもしれないが…。

こいつらにとって、オレの大事な部分は、一大リゾート地帯みたいなもんである。
 オレが戦争を開始するまでの間、血を吸っては、子供を産む。もうやりほうだいの生活だったのである。
 おにょれ〜。このオレ様でさえ、Hなことはなにもないとゆ〜に、よりにもよってそんな人間の陰部に住みついて、快楽の限りをつくすとわ。
 毛ジラミ、許すまじ〜〜〜〜〜〜っ。

オレは、産めよ増やせよ恥部に満てよ、とばかりに増えまくった、この毛ジラミ一族を決して許さないことを心に誓った。
 性欲の恨みは、げに恐ろしいのである。

はやる心をおさえながら、オレの観察はまだまだ続いた。

すると、さらにおもしろい事を発見した。

大型タイプと小型タイプの2種類は、どうもオスとメスのようなのである。
 大型タイプを見かけた場所には、必ずといっていいほど卵が見うけられた。
 この事を調べるため、オレは右半分と左半分を、それぞれ大型と小型にして放ったらかすとゆ〜荒技を行なった。ふ〜、ヒマなやつ。

しかし、さらにおそるべきことがわかった。
 卵を産まさないために、大型タイプを掃討しても、次の夜になると大型タイプの姿がちらほら見つけられたのである。
 どうも、小型タイプが性転換して大型タイプへと変身してるよ〜なのである。
 なんちゅうヤツらであろうか。こいつらには性同一障害なんぞ無縁である。
 ゲイとかなんとかとゆ〜以前に、もうやりほうだいなんである。

う、うらやましひ。

って、毛ジラミをうらやましがっててどーすんねん。
 オレはきわどいところで、人間の尊厳を取り戻した。

教訓 どんなにかよわい敵であれ、気を抜いてはいけませぬ。敵を知りつくすこと。それが勝利の始まりです〜。って、そんな大げさなもんかいな〜。………。いや、大げさなもんです。なんせ、男の大事なものがかかっとりますたい。


続く

管理人:神吉 秀典 E-mail:puer@ba.wakwak.com