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| 大放出 |
いまから書く話は、ちょっと汚くてこわい話だ。
だから、そういう類の話が嫌いな人は、ここから先を読まないでください。
ってわけで、ここから先は、汚ない話に免疫のある人オンリーっことで、バリバリいく。
この頃のオレは、人にいえないある性癖をもっていた。
それは便秘である。
ウチのトイレは洋式だったが、あのトイレに座って、ぼーっとしてる時間がヒマでヒマで仕方なかった。子供の頃からマイペースだったオレは、そんな退屈なことしてられるか〜、とばかり怒られない限りトイレには行かなかった。
当然のことながら、久しぶりに出すときは、大変だった。しかし、その大変さよりも、毎回の面倒くささの方がオレには嫌だった。
誤解をする人がいるからいけないから書いておくが、今から書く事件の後で、オレの便秘は治った。それほど衝撃的な経験だったのだ。
いまは、人がうらやむほどの快便である。しかも拭く必要もないことが多い。ちゅるん、と出ていってしまう。だから紙をあててもほとんど汚れない。
お尻の内部や穴が汗ばむことによって、それが大便を滑らせているようだ。オレはたぶん人間以上の存在へと進化したのかもしれない…。
それはともかく、この頃、オレは異常な便秘に不安になっていた。
それまでは、便秘といっても数日ぐらいのオーダーだった。そのぐらいで、どうしてもしたくなり、仕方なくトイレに向かうことばかりだった。
しかし、この時は、前回トイレに行ってから、すでに半月以上がたっていた。1か月近い気もするが、それは子供心の幻影かもしれない。とにかく、かなりの長期間であったことは間違いないことだった。
しかも、不思議なことに最初の数日はともかくとして、それ以後、なぜかトイレに行きたいという気分にはならなかった。1週間をすぎる頃には、オレは毎日のようにトイレに座り、なんとか出そうとした。しかし、いままでのオレの悪行に怒ったのか。お尻からは何も出てこなかった。
その日、オレが便座に腰をかけたときも、もうあきらめていた。どうせいつもと同じように何も出てこない。そう思った。
そして、とても不安になった。いったい、食べたものはどこに行ってるんだろうか。
オレは、自慢じゃないがよく食べる。その頃も、同じ年頃の子供と比べるとかなりの量を食べるほうだった。それだけの量を食べて、何も出てこないのがこわかった。オレは破裂するんじゃないだろうか。そんな風にも思った。実際、そんな夢を見たことすらあった。
しかし、そんな恐怖におびえながらも、食べるものは食べていた。
いや、食べる時になると、都合よくそのことは忘れてた、と言ったほうが正しいだろう。
どこまでいっても、オレはマイペースだった。
その日はめずらしく、何か変な感触があった。
尻の奥の方で、何かいつもと違う動きがあったような気がしたのだ。
これは、いけるかもしれない。
そんな期待が高まった。オレは胸をおどらせながら、さらに力をこめた。
しかし、ダメだった。ふ〜〜〜っ。
もうオレは、下腹が破裂してしまうのかもしれない。
そんな不安に満たされた。その時、何かがお尻の穴を通りすぎていった。
ポチャン。カラン、カラン、カラン。
????????????????。
オレの頭の上には、?マークがいっぱい表示された。ちなみに、吹き出しはない。
音が変だった。固いものどおしがぶつかりあう、金属質の高い音が響き渡った。
びっくりして、オレは便器のなかをのぞきこんだ。
すると、便器の水の底になにやら、丸いものが落ちていた。
色はよく覚えていない。しかし、明らかに何か違和感があった。
そこでオレは手を伸ばすと、それに触わってみた。
固かった。かちかちだった。
大きさはちょうど、ピンポン球とパチンコ玉の中間ぐらいの大きさだった。
オレはそれをつまみ上げると、しげしげながめた。
これがいわゆるウンチだとは、オレには信じられなかった。
オレの身体はいったいどうなってしまったんだろう。
しかし、便秘は便秘である。
オレは恐怖に震えながらも、もう一度力を入れた。
今度は、何かもっと多量のものが、奥の方から外に出ようとしていた。そして…。
カラン。カラン。キ〜ン。カラン。カラ〜ン。
はっきりいって、耳を押さえたかった。
いや、それよりも、これを誰か家族に聞かれるのがこわかった。
それほど激しい音が鳴り響いた。
小さな球がオレの尻の穴から発射され、次々に便器の壁に当ってかん高い音をたてた。
地獄だった。恐怖だった。
まるでオレの身体は、機械のようにただ球を発射していた。
しばらくたって、その音もやんだ。
オレが両手で顔をおおいながら、すき間からそっとのぞくと、水の底に多量の玉が並んでいた。
最後に、もう一度断言しておく。
こんな経験は人生でも一度きりである。
決してオレは地球外生物ではないので、ご安心を。
教訓 1月近く便秘しない。とてもうるさいです。