待夢(たいむ)

1983年9月5日発売
(LP)VIH-28135
(CT)VCF-10152


(A)
秘恋(ひれん)
黄昏
嘆き
酔いどれ船

(B)
霧笛
酒ともだち
ひとり芝居
愚痴
始発・・・まで


ビクター移籍時、ちあきさん曰く「アルバム3作目までは会社の企画に任せることに決めていた」というその3作目は、ポルトガル民謡の「ファド」に日本語詞を乗せたものです。

アルバム制作について「会社の企画に任せることに決めていた」という一方、1986年の旅行番組『地球浪漫』でポルトガルを訪れた際、そのナレーションでファドとの出会いについてちあきさん自ら「(レコード大賞受賞後に)どういうものを歌おうかなあなんて思ってる時にアマリア・ロドリゲスさんの1枚のレコードをいただきまして…」と語っています。
ちあきさんとファドとの出会いはビクターで3枚のアルバムを制作していた間だったのか、それともそれよりももっと遡った時期なのか…。

ちあきさんはファドと日本の流行歌にどこか通じるものを感じていたそうです。また、「暗く重い作品が好み(ちあきさん・談)」だった事もあり、後年のインタビューでこのアルバムについて「いいアルバムですね」と語っていました。実際、「霧笛」はコンサートやテレビ番組でも頻繁に披露する程でした。

2001年に発売された『アナザー・ワールド』、2002年に発売された『RE-MASTER VOICE』というCDベスト盤でこのアルバムの全曲が収録されました。そして2007年にはアルバム単独でCD復刻されました。

なお余談ですが、1986年にちあきさんが前述の旅行番組の撮影でポルトガルに向かう前、同年6月に3度目の来日公演を果たしたアマリア・ロドリゲスとステージの楽屋で対面したそうです。
アマリア・ロドリゲスはちあきさんのファドを「ちあきなおみは良い」と評価していたのだとか。