新聞不信 いい加減にしろ「千代大海美談」
(前半略)だが新大関千代大海への新聞のヨイショぶりは,度が過ぎて見ちゃいられない.いくら社長が横綱審議委員だからといって,ヒラの記者までタニマチみたいな顔すんなよ.
学校時代の千代大海は茶髪だった.ソリコミを入れていた.好き放題に欠席した.シンナーを吸った.自転車を盗んだ.暴走族だった.何度も無免許で捕まった.そう書いてある.ところが九重部屋に入ってから,そのすべてを「乗り越えて」,横綱を千秋楽で倒す凄いことをした,と書いてある.
簡単に筋書きを作るな.ちょっとでいいから,考えてから書け.千代大海って,いま学級破壊やってるワルガキの,そっくりそのままではないか.いま日
本中を困らせているヤツらと同じじゃないか.
運動部記者も,デスクともなれば子どもが中学校に行ってるんだろ.息子が誘われてシンナー吸ったら,娘が妊娠させられたら…….平気な顔で「いいさ,彼らはそのうち乗り越えて立派な大関になるよ」と言って,澄ました顔していられるのか?
過剰単純化から新聞の誤謬は始まる.千代大海は新しいヒーローだ.それは構わない.厳しい稽古に耐え,何年ぶりかで角界に新大関が誕生した.しかしヒーローは金の延べ棒みたいな百パーセントの美談の主ではない.かって手のつけられないワルガキだった.彼のため多くの級友が泣き,その親たちが泣いたろう.それを事実のまま書いて句点を打ち,ペンを置け.
学級破壊者の多くは,なかなか立ち直れない.時間中に教室で騒いだのを注意されると,教師を取り巻いて袋叩きにするという,妊娠中の女性教師を.
現場の教師が傷つきながら悩み苦しんでいるというのに,新聞は安易にエエもんへと「乗り越え」させ,一篇の出世美談を作る.何という無責任だろう.(以下略)
                         
週刊文春 2月18日号より

Webmasterの独り言:思わず膝を叩いて「よくぞ書いてくれました!」と思い,クルマとは関係ありませんが載せてしまいました.あの千代大海,まん丸顔でニコニコしているので,いかにも人が良さそうな好青年って感じがしますが,実は…….
僕個人としては,あんまり千代大海を応援したくないな.学生の時のあの挑発的な風貌,とてもまともな生活を送っていたとは思えません(外見だけから判断してはいけないのは百も承知していますが).上の記事にもあったように,人様に迷惑ばっかりかけていたんだろうな.
別に聖人君子たれなんて言いません.でも大関になるのならそれなりの人格なりを身につけていないとね(今は身につけたのかな?).

新聞って,その事件の一面しか見えてこないから,本当は被害者の方が悪者で,加害者の方が同情されるべき場合もたくさんあるんだろうな.

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