バルブの加工

PHILIPS製バルブ(D2R)

中央のラグビーボール状の玉 が発光部分ですが,その中に水銀が入っており対流して青白い光を放つそうです.

標準でも少し遮光スリットが入っています.

このままでは形状の関係でセルシオのヘッドライトユニットには装着できません.

そこで純正バルブの座金を利用します.

この座金はPIAA製バルブの座金です.
本体とは半田(?)で固定されているだけなのでガスコンロであぶりながらこじると外れます.その前にバルブのガラス部分を外しておいたほうが手に怪我をせずにすみます.バルブのガラス部分は袋の中でたたいて割ると「ポンッ!」という音をたてて割れます.

純正バルブの座金でもいいのですが,裏に出っ張りがあり,そのためにHIDバルブの発光部分が少し引っ込んでしまいますので今回はPIAA製を使いました.

座金に取り付けた図.

ガラス部分の一部に遮光スリットがありますが,このままでは下方向に光が漏れ,それが反射板で反射して上方向の光となり対向車を眩惑します.またHIDバルブは,内部で水銀対流する性格上,引力の加減でバルブから上の方に放つ光は,より白く,横方向から下方向へゆくほど,放つ光が黄色くなるそうです(by O氏).そのため黄色の光をカットしてより白い光を出すためにもH4対応用の遮光、すなわちバルブ下部の遮光が必要となります.標準のH4バルブはガラス管内部のフィラメント下部にすでに遮光板が付いています.

この写 真は遮光処理未施行.

PIAA製バルブ.

純正バルブもそうですが,ガラス部分が座金から右に少し傾いて付いています.
ヘッドライトユニットのバルブ取り付け部には前から見て左に傾けてバルブを取り付けるようになっており,相殺されてバルブガラス部が真上を向くようになります.なんでわざわざそんな風になっているのか不思議に思っていたらOさんから「もともとH4バルブは左ハンドル車用に設計されており,それを右ハンドル車にも流用するためにそうなっているのではないか?」とアドバイスをいただきました.

HIDバルブを座金に取り付ける時もこの角度に傾けて取り付ける必要があります.

取り付けた状態を裏から見た図.

HIDバルブの土台の一部(写 真の下側)が座金に接触するのでヤスリで削ります.材質は柔らかいのですぐ削れます.

これは少し左に傾けすぎました,失敗.

コネクターをロックする両側のポッチを水平にすればガラス部分は正規の角度で傾いてくれるのです(HIDバルブは最初からガラス部分が傾けて作られています).

周囲の薄黄色の部分は固めたエポキシ系接着剤.
バルブは250℃にもなるようなので熱で溶けないような接着剤が必要です.耐熱パテなどで固めてもいいようです.

これはプロフェッサーO氏のHIDバルブ.

裏から見るとポッチが水平に取り付けられています.

固定用接着剤が実にきれいに流し込まれています(上図と比較してください).

左は遮光してあるHIDバルブ.

その拡大図.

O氏は耐熱塗料ではなく,薄いステンレスの板をバルブのガラス面 に沿わせて固定し,遮光されています.

標準の遮光スリットをうまく生かして,きれいに装着されています.この遮光板をガラスから離して固定すると光の辺縁がぼやけてしまうそうです.O氏のはぴったりと接触しています.

Webmasterは遮光処理を耐熱塗料の塗装でやってみました.

O氏のステンレス処理に比べると見た目が悪い.でも装着すれば見えないからいいか.ステンレス処理だとステンレスの裏側での反射があり,耐熱塗料塗布だとそれがないですが,ほとんど違いはないようです.耐熱塗料のメリットは処理が簡単なことと,バルブの先端まで遮光できることでしょうか.今回はあまり遮光しすぎて暗くなってはいけないので,発光部の少し前部分は塗装しませんでした.

塗装した場合はヘッドライトユニットに装着する前に点灯させて塗料を焼いて煙を出しておく必要があるそうです.

オキツモ(株)の耐熱マーカー.青.

でもこれ,塗りにくい!ペン先を押さえつけて塗料を出すんですが,ちっとも出てこないし,バルブのガラスには強くは押しつけれません.結局,これの蓋を開けて竹串を突っ込んで塗料を取り,塗り付けました.

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