シフトモニター インプレッション

エンジンをかけると表示部の棒が回転してオープニング画面に.
シフトをNからDに入れると一瞬“2”を表示して,それから“1”を表示します.
これはDに入れたときのショックを和らげるためだそうです.

走り始めると車速10km/hくらいで“2”に,20km/hくらいですでに“3”になり30〜40km/hで“4”になります.
そのままアクセルをゆっくり踏み込んでから気持ち緩めると“5”に.
街中を40〜60km/hで普通に走っていると“4”と“5”の間を行ったり来たりしています.
今までは変速したかどうかはタコメーターの動きである程度わかりましたが(それでも低速ギアだけ)体感はしにくく,シフモニがあるとこれがはっきりわかります.
5速で走行中に少しくらいアクセルを踏み込んで加速しても4速には落ちずに5速のままだったりします.

発進時,フル加速すると1速からすぐに2速になり,その2速はロックアップしています.
下記の表だとロックアップは4速,5速だけのようですが…….
“4”or“5”で走行中にアクセルを深く踏み込んでキックダウンすると“3”ではなく一気に“2”に落ちます.

減速するときはかなり低速になってから“3”に落ち,次は“2”を飛び越えて“1”となります.
どんなアクセル操作をしても減速時には“2”を飛ばして3→1となるようです.

ロックアップ,フレックスロックアップも数字右下の「.」(ドット)の点灯,点滅でわかり,フレックスロックアップはこんなにひっきりなしにしているんだなあと思いました.
街中では5速に入っているとフレックスロックアップはしてもロックアップはほとんどしません.
下記の表によるとDレンジでは4速はロックアップせず,5速でも60km/h以上出ていないとロックアップしません.
街中で60km/h以上での定常走行はなかなかできませんので5速ロックアップは高速道路専用ってことか.
フレックスロックアップはトヨタの説明では3,4,5速で作動するとありますがシフモニを見ていると“2”速でもかなり「.」が点滅してフレックスロックアップが働いているようです.アナログさんによると他の車種でもそのようです.

バックの時は横棒が上から下に流れます.
夜間はライト点灯で減光し,テールランプON-OFF3回で表示を消すこともできます.

このシフトモニター,見てると非常に面白いです.
今までわからなかった,見えなかったミッションの動きがはっきりわかり,ミッションが陰で一生懸命働いているんだな〜と思いました.
それを見ようとアクセル操作が増えてしまいます.
アナログさんのHPでなるべくロックアップさせて燃費を向上させるという内容がありましたが,セルシオの場合街中ではほとんどロックアップしておらずそれは難しいでしょうか.むしろアクセル操作が増えて燃費は悪化する?
しかし面白い装置です.
前方不注意に注意しなければなりません.

30系セルシオ後期型から6速ATにシフトインジケーターが装備されましたが,あれはDポジションでは表示されず,Sポジションに入れている時のみ表示されます.
しかしシフモニのようにリアルタイムで今接続されているギアを表示するのではなく,自動変速の上限ギアを表示するだけです.
走行中に絶えず表示が変動するわけではありません.
またロックアップ表示もありません.
シフモニとはまったく違うモノです.

ロックアップ…オートマチックトランスミッション(AT)はエンジンの回転をトルクコンバーター(トルコン)を介してトランスミッションに伝えています.
このトルコンは液体を介しているため滑りがあり,それがあるからアイドリングでギアを入れたままでもエンストしないわけです.
このエンジンとトランスミッションの間の滑りを無くすような機構がトルコンにあれば,効率良くエンジンの回転を伝えることができます.
そこで開発されたのがロックアップクラッチ機構で,エンジンからの回転をトルコンを介さずに直接クラッチを通じてギヤに導く仕組みで,トルコンが必要ではない領域(一定速度でエンジンがぎくしゃくしないギヤレシオ時)でのみ働きます.

フレックスロックアップ制御H∞制御理論を駆使し,ロックアップクラッチに微妙な滑りを安定して継続させることを可能としています.
要はロックアップした状態と,していない状態の中間の状態を作り出しているわけです.
30系セルシオではロックアップ作動領域を拡大し,従来の4,5速から3,4,5速まで拡大しています.