フォグランプ・コーナーリングランプ白色化

メーカーが標準仕様でフォグランプを付けるようになったのは白のマーク2がハイソカーなどと呼ばれた頃からでしょうか.

一般にフォグランプは淡黄色です.それは白の場合に比べ霧の中では細かい水の粒子に乱反射しにくく,濃い霧の中で前方の視界を得ることが可能だからです.
しかし,淡黄色は白に比べると約20%ほど暗くなる,というデメリットがあります.

セルシオも初代10系からフォグランプが純正で付いております.
しかしメーカー純正のフォグランプは非常に暗い!
30系セルシオのフォグランプもたったの51W.
点灯させても点いているのかいないのかわからない程度,ロービームの手前をかすかに黄色く照らしているだけです.
とても濃霧で視界の悪い時など役に立ちそうもない.
まあWebmasterは今まで積極的にフォグランプを使ったことがありませんでしたが.
(中部地方に住んでいるので使う機会がありません)

今回,純正フォグランプを視界の悪い時ではなく,普段の夜間走行でヘッドライトの補助ランプとして使うように改良しました.

用意した交換用バルブ

右:フォグランプのバルブ
HB4というタイプでハイビームと同じタイプ.
110W(純正は51W)

左:コーナーリングランプのバルブ
ウインカーを点けると同側の路肩を照らしてくれます.
27W(純正は21W)

フォグランプに到達するにはヘッドライトを外して上から行くルートと,タイヤハウスの内側のカバー〜アンダーカバーを外して下から行くルートがあります.

ジャッキアップ出来るのなら下からでも良いでしょうが,今回は上からアプローチ.

ヘッドライト横の樹脂カバーを外します.
赤丸のクリップ3個で固定.

ヘッドライトは2カ所のボルトで固定.

外側にもう一カ所ピンがボディーにはまっているので,ヘッドライトを内側に移動させてピンを引き抜きます.

ヘッドライトの裏側

事故を起こした時に取り付け部分(黄色矢印)が折れるだけで,ライト本体は無傷の場合があります.今までならもったいないけれども新品のライトに一式交換でした.

30系セルシオからは補修用ブラケットが用意されており,赤丸部分にネジ止めして取り付け部分を作り直すことが出来,ヘッドライトは再利用できます.

もう一カ所の取り付け部分も同様に

使えるモノは再利用しないといけませんよね.
それはセルシオだってカローラだって同じこと.

さすがトヨタって感じですよね.

右側フォグランプ

ヘッドライトを外すとフォグランプが見えます.

それにしてもフォグランプ,コーナーリングランプのバルブ一つ交換するのにここまで外さなくてはいけないとは…….
下からも外せますがジャッキアップしないといけない.
整備性が悪いですよ,トヨタさん.

フォグランプ裏側

右がコーナーリングランプバルブ,左がフォグランプバルブ.

フォグランプユニットは黄色矢印部分のツメと,赤丸部分のピンで固定されています.

取り外しはバンパーの中に取り外し,上から出します.

しかし,左側はフォグランプの上にウインドウウォッシャー液のタンクがあり,それが邪魔をして上からは出せませんでした.
しかたなくタイヤハウスのカバーを一部こじ開けて,ここから取り出しました.

フォグランプのバルブ交換だけならランプユニットを取り外す必要はありません.

フォグランプのバルブ取り付け穴

中に黄色で筒状のプラスチックが入っています.
これがフォグランプを黄色くして,光量を落としている原因.

今回はこの部分も外してフォグランプの色を黄色から白に変更します.

ドライバー等で割って,この穴から掻き出します.

細かな破片はこの穴からは出てきません(内部に出っ張りがあるので).
細かな破片はコーナーリングランプの方へ移動させて,そちらの穴から出します.

交換後

コーナーリングランプはバルブが青いので外から青く見えてしまいます.

フォグランプのバルブも青いのですが,ランプ内部に傘があるので前からは見えません.

ロービームとフォグランプ点灯

ハイビーム(HIDに交換済み)も点灯させると,ロービームとフォグランプの黄色さが目立ちます.

フォグランプはHIDではなく普通のハロゲンなのでしょうがないですが,ロービームのHID,なんでこんなに黄色いの?

今回の作業で一番苦労したのがヘッドライトを外す過程.

どうやってもライト下部がバンパーに引っかかって上手く外せません.

結局内張剥がしに使うプラスチック製リムーバーをライトとバンパーの間に入れて,なんとか外せました.

バンパーに傷を付けそうなので,タオル等を挟んで作業した方がいいです.

それにしても整備性が悪いです,トヨタさん.

感想:あんまり明るくならなかった…….

フォグランプの特性が
1:低い場所から照らす……霧は地面から少し離れたところに発生するため,低い場所から照らせば光が霧の中を通過する距離が激減する.
2:近くを照らす……光が霧の中を通過する距離が増えれば増えるほど,つまり遠くを照らせば照らすほど散乱されやすくなるのでフォグは近くを照射している.
3:広く照らす(照射角が広い)……ヘッドライトは照射距離が長いので照射角が狭くても路端を照らすまで広がるが, フォグランプは照射距離が短いので同じ照射角では路端を照らすまでは広がらない. そこで照射角が広くなっている.
4:散乱されにくい……光は波長が長いほど散乱し難く,透過しやすい性質を持っている. そこでフィルターで波長の短い光をカットして淡黄色の光が使用される.しかし波長は長いほどエネルギーもが低くなる.

以上の様なフォグランプの特性からヘッドライトの代わりになるようなモノではないのですね.
時々,ヘッドライトを点けずにフォグランプだけで走行しているクルマを見かけますが,あれは間違いなのですね.