６ねん２くみ翔ちゃん先生



Ｕ…ウサギの翔ちゃん先生　Ａ…哀川翔兄貴


（いつもの教室、チャイムと共に翔ちゃん先生登場）

Ｕ　はい起立、礼、着席、遅い、遅いぞ！　お前ら、春だからってうかうかしてんじゃねえぞ。いいか。今日も歴史のみを教える、ウサギの〜〜〜…

（カメラ前に哀川翔、登場）

Ａ　翔ちゃんだ。
Ｕ　おいてめえら、ビビってんじゃねえ！　席につけ！　大丈夫だ、チャカ持ってねえから。殺されねえから心配すんな。えー今日は、特別講師として、いろんな意味での兄貴、本物の翔ちゃんに来てもらった。今日はよろしくお願いします。
Ａ　よろしく。
Ｕ　えーじゃあさっそく授業始めよう。わかってると思うが、俺はパクリだ。じゃ兄貴、奥の方へ。

（教壇に立つ二人）

Ｕ　じゃあ紹介しよう。えー今日、紹介する歴史上の人物はこいつだ。

（黒板前に哀川翔の写真が飛び出す。バシッと叩きつけて黒板にそれを貼る翔ちゃん先生）

Ａ　俺だ。
Ｕ　そう、兄貴だ。兄貴はもはや歴史上の人物と言っても過言ではない。そうですね兄貴。
Ａ　そんなことは…（笑）
Ｕ　そんなことはねえ。
Ａ　そんなことはねえ。
Ｕ　今日はこれから、兄貴がいかにすげえ奴かってのをたっぷり教えこんでやるから。お前らノートに書いていけ。期末に出るから、期末に。じゃあさっそく行くぞ。まず、黒板の上にあるこの教訓。この三つの教訓は、兄貴の自伝からパクったものです。えー、一個一個、兄貴に説明していってもらおう。まず｢ケンカは３秒で決めましょう」これは兄貴、どういう意味ですか。
Ａ　あー。３秒以上は、つらいね。
Ｕ　書いとけ、書いとけ！　｢３秒以上はつらいから」。続いて「仕事は来た順に受けましょう」これは兄貴、どういう意味ですか。
Ａ　それは当然だね。来た順。やっぱほら、ものは順番が大事だから。
Ｕ　そうだ。
Ａ　やっぱほらあの、友達と約束してもね、あの…Ａ君と約束しました。
Ｕ　はい。
Ａ　Ｂ君が途中から、あの、今日は僕とメシを食いに行かない？って言われても、いや僕は今日はＡ君とちょっと遊びに行かなくちゃいけないから、っていうのが、これが筋でしょ。
Ｕ　理路整然とした答えだったな。しごく当然だ。書いとけ書いとけ。続いて「朝は太陽よりも早く起きましょう」これは兄貴。
Ａ　ま、基本は、早寝早起き。
Ｕ　うん。
Ａ　もうね、あのやっぱ、いかにこう、太陽より先に目覚めるか。
Ｕ　でもこれから、春から夏にかけては、ちょっとヤツも早く上がってくんじゃないか…つらいんじゃないですか。
Ａ　いやいや夏が、これはいい勝負だね。
Ｕ　夏が勝負ですか。
Ａ　夏が勝負だね。やっぱ、冬はね、相手になんねえ。
Ｕ　答えは「冬は相手になんねえ！」。書いとけよ。期末に出るからな。えー兄貴はこの教訓以外にもいろんなエピソードを持ってらっしゃる。それをいくつか聞いていこう。まずは兄貴、芸能界入りのきっかけとなった劇男一世風靡、これはどうやって入ったんですか。
Ａ　いや、入ったっていうかね、これは、みんなで創ったんだよ。
Ｕ　はい、答えは「創った」。入ったんじゃねえ、創ったんだ。書いとけよ。…俺の聞き方が間違ってたかもしれねえ。
Ａ　ははははは。
Ｕ　妙なところで兄貴笑うから。俺、わかんねえ時が時々ある。続いて、じゃあ、Ｖシネマはどうして兄貴誘われたんですか。
Ａ　いやあの当時ね、１０何年前になるけど、高橋伴明監督が、
Ｕ　はい。
Ａ　六本木で一番元気に飲んでるのは誰か？と。
Ｕ　うん。
Ａ　俺だったんだね。
Ｕ　え？
Ａ　いや、六本木で一番元気に飲んでるのは誰かと。
Ｕ　ええ。
Ａ　それが俺だった。
Ｕ　えー、答えは「六本木で一番元気だったから」。わかったな。みんなもＶシネに出たきゃ、一番元気になれ。最後に、兄貴は３６５日のうち５日休みがあるわけだが、
Ａ　いやいや、もうちょっと休んでる（笑）。
Ｕ　兄貴はそのたまの休みの日には、何をしてますか。
Ａ　この間の休みはね…もちつき。
Ｕ　（笑）え、なんでもちつき…なんでオフの日に、餅をつくんですか。
Ａ　たまたまね、その、子供の冬祭り。
Ｕ　ええ。
Ａ　十七臼ついたよ。６００人分。
Ｕ　（笑）
Ａ　６００人分だよ。ビックリしたね。
Ｕ　聞いたか。１人で６００人分つくと。
Ａ　いやいや、1人じゃない（笑）。
Ｕ　それが本物の兄貴だ。1人で６００人分だぞ。
Ａ　1人じゃねえって。みんなでついたからね。
Ｕ　すげえぞ。今のはいいか、必ずテストに出るからな。よし、今日はここまでだ。

（チャイム）

Ｕ　お。よーし、えー質問があるヤツは職員室まで来い。兄貴がボッコボコにしてやるからな。
Ａ　ははははは（笑）
Ｕ　それじゃ兄貴、去り際のいつものセリフ、今回特別に兄貴にやっていただきたいと思います。えー、ドラマの本番を撮り終わったあとで、必ず言う口ぐせ。お願いします。どうぞ。

（哀川、教室から去りつつ振り向いて）

Ａ　「大丈夫？　今ので大丈夫？　問題ない？」
Ｕ　（笑）
Ａ　「大丈夫？　大丈夫ね。問題ないね。」
Ｕ　（笑）今のが本物だ！

（翔ちゃん先生、去る）


(03.3.30. OA)