宗教団体が政権を左右する恐さ


 久しぶりの更新なのに唐突ですが、最近の小渕政権の元での、重要法案の次々と成立する事と言ったら、まあ。以下に少しおさらいしてみましょう。

 1.日米ガイドライン関連法(通称「戦争協力法」)
 2.国旗国歌法(「日の丸、君が代法」)
 3.通信傍受法(通称「盗聴法」)
 4.住民台帳改正法(通称「国民総背番号制度法」)

などなど。

 いやはや、何と言いましょうか、これらは、歴代の自民党政権(今の小渕政権よりも、もっと自民党単独で多数を掌握してた頃の!)が、通したくても世論と野党が恐くて通せなかった法案ばかりじゃありませんか。それが、こともあろうに、(自民党単独では)「絶対多数」でも「安定多数」でもない、それどころか「過半数」ですらない小渕政権が、何故こうもあっさりと、積年の懸案事項であった重要法案を成立させてしまえたのか?ハイ、それはもう言わずもがなですね、去年までは「野党に軸足を置く」とか言っていながら、今年になったらπラジアン(素直に180°て書けよ(笑))態度を豹変させ、自民党(と言うか政権)にすり寄っていって、今や自分らを政権与党と勘違いしている(まあ、近いうちに連立政権組むつもりらしいから、勘違いとは言えなくなるが)、アノ党の動向が全てを決定してしまった(注*1)訳ですね。
 一応念の為に書いておきますが、自由党の事じゃありませんよ(爆笑)。(自由党はもっと早くに政権にすり寄ってましたし、そもそも自民党に与するのが自由党だけなら、どのみち参議院では過半数に届かない。)そう、さる宗教団体をバック(票田)に持つ、あの党です。

 あの党に(=あの宗教団体に)、政権側に付く事のうま味を教えてしまったのが、(国民にとって)最大の失敗ですね。(と言うか、もっとはっきり言えば、権力欲の権化・池田大作が、権力側に自分の身を未来永劫に置きたくなった、という事でしょうね。)

 で、振り返るに、公明党が政権側のうま味を知ってしまったのは、そう、5年前ですか、細川連立内閣が出来た時、公明党も連立に加わったから、その時に「権力側にいる事のオイシサ」を知ってしまったんでしょう。色んな意味で。

 嗚呼、何という痛恨。馬鹿に権力の味を覚えさせるととんでもない事になる、とはよく言うけれど、まさにそれですよ。

 いくらあの当時「非自民」が合い言葉になっていたとは言え、連立から共産党と公明党は外すべきだった。(共産党は実際連立協議から外された、いや自分から外れた(爆笑)けど。)とは言っても、公明党抜きでは、連立しても過半数に届かなかった状況だから、どうしようもなかったのは事実だけど(苦笑)。
 ところで、誤解のないように言っておくと、私、上に挙げた法律全てに反対してる訳じゃないです。私個人としての意見を述べれば、

 1.戦争協力法→消極的に賛成(注*2)
 2.日の丸・君が代法→半分賛成、半分反対(注*3)
 3.盗聴法→反対(注*4)
 4.国民総背番号制度法→賛成(注*5)

ってとこですね。ゑ?意外?中村正三郎さんや外崎則夫さんはことごとく反対してるじゃないか、って?まあ、そうみたいですが、私はあの人達をエンジニアとして尊敬してるんであって、ポリシーはまた別物ですから・・・
 かような次第ですので、私は、今回バタバタ成立した各法律の、全てに決して反対する訳じゃありません。ただ、訴えたいのは、今回がまさにそうだったように、公明党のような、ある一定割合の票を確実に集めれる宗教団体が支えるような政党に、これから先もずっとキャスティングボードを握られていく事の危険性です。公明党は5年前は日本新党・新生党・新党さきがけなどと組んで、政権の座に着きました。今回は自民党と組んで、また政権の座に着こうとしています。(今回、各法案に公明党が賛成に回ったのは、連立内閣入りを睨んで、自民党に恩を売っておいたのは明らか。)

 一度権力の味を覚えてしまった創価学会(池田大作)は、これから先、政情がどのように変化しようとも、必ず常に「政権に着く側」にいようと心がけるのは、明らかです。そして、却ってマズいことに、今は自民党も含め、一党単独で過半数を取れる時代ではないんです。(多分。)そうなると、公明党や共産党のように、「信者」を抱える党は、どんな選挙でも、必ずある一定割合(以上)の票を取りますから、どの党が政権担当政党になるか、は、結局キャスティングボードを握る公明党が「気に入った政党」のほう、ということになってしまいます。この恐さ、分かりますよね?だって、あの党って、ポリシーもくそもないんだもん。ポリシー(政策信念)で連立相手を決めるならまだ許せるが・・・

 宗教団体だから、教祖、またはそれに代わる代表(つまり創価学会なら池田の大ちゃん)が絶対権力を持ってる訳で、選挙後にどの党と連立組むか、ってのは結局は議員達の政策信念によるのでなく、絶対権力者の鶴の一声で決まってしまうんですよね。連立相手を自民党にするのも、民主党にするのも、社民党にするのも、共産党にする(これはないか(爆笑))のも、鶴の一声で決まり。こんな恐いことないよ、ほんと。

 私がかすかに希望を持ちたいのは、今回、自自公の連立協議に当たって、加藤派とか山崎派とかが、「公明党との連立は慎重に」と言ってる点ね。自民党議員の中には、公明党(創価学会)大嫌い、って人間多いですし、勿論自民党支持者の中にも多い。その辺りをバックに、加藤派、山崎派は叫んでる訳だけど、私も、今回ばかりは加藤、山崎両名に頑張ってほしいです(笑)。今の自民党には、政権欲しさにすり寄ってくる馬鹿政党を、「お前なんかと組む気は無いぜ」と言って、突っぱねる気概が欲しい。そーしないと、これから先ずっと、公明党に足下見られっぱなしになるよ。(それは民主党などにも言っておきたい。けど、民主党は今や政権から遙か遠い位置にいるから、公明党もすり寄っちゃ来ないだけで・・・)
(注*1)勿論、それ以前に、最大の問題は、そういった政治的動向に対して、無関心になってしまった国民自身、国民一人一人にある事は、言うまでもないのですが。ただ、それにしてもマスコミがだらしないよね。戦争協力法や盗聴法が審議されている時、殆どまともに取り上げて報道してなかったもんね。採決される直前くらいに、やっと少し取り上げてたくらいでしょ。
(注*2)北朝鮮がテポドンだかドンドン(?)だかダンダダン(?)だか知らんが、また発射するとか言われてる状況の中で、所詮自衛隊だけじゃ、国民/国土を守りきれないでしょ?戦後から今日まで、自国防衛という面では、どのみち米国におんぶにだっこでやってきた事実があるんだから、この際、実状に合わせて、「(有事には)米軍に協力しましょう」を明文化しただけの事。所詮、日本は米国の51番目の州なんだから、驚くには当たらない?(失笑)ただ、厳密には、憲法を改正してから、が正しい手続きでしょうね。
(注*3)日の丸を国旗とする→賛成(公海上の船舶などで広く使われて世界的に認知されており、今更他にふさわしい旗などないから)。君が代を国歌とする→反対(やはり大戦中の暗いイメージがつきまとう。メロディ、リズムとも実際に暗い(苦笑)から余計に嫌だ。)
(注*4)通信の秘密を保証した憲法に明白に違反してる。(組織犯罪の捜査云々は、理由にならないと思う。)どうしてもこういう法律を通したければ、憲法改正が先のはず。とは言え、電話はともかく、暗号化されたEメールなどは、傍受されてもどうせ官憲には解読できやしませんて(笑)。という訳で、電話に代わるものとして、これからますます暗号化Eメールが普及していく訳ですな(笑)。
(注*5)国民総背番号制度の根底にあるのは、「税金を正しく徴収する」ことですから、このこと自体は、賛成です。個人のアイデンティティやプライバシーが、国家権力にまるまる把握されてしまって危険だ、とか言うけれど、現在でも既に、一般市民のプライバシーなんて、至るところで筒抜けです(苦笑)。「悪用されるかどうか」が問題なだけ。と言うことは、国家権力に、「絶対悪用させない」為の運用法を考えたほうが、より現実的だと思う。