まるで映画


 このコーナーも凄く久しぶりの更新ですか。前回の更新が....1999.08/23か。まるまる2年1ヶ月の空白があった訳ね!ひぇぇぇ。ま、でも「パソコン業界Watch」のほうなんか2年7ヶ月のブランクがあったからな。それよっかマシか(微苦笑)。。。などと威張ってる場合か>わし。WEBページも引っ越した事だし、これからは心を入れ替えて真面目に更新に励むように。ハイ。って一人で漫談やらないように。\(^o^)/
 さて、最近というか今年起きた出来事の中で、恐らくは後世の世界史の教科書に間違いなく書き記されるであろう(注1)超弩級の事件として、9月11日の米国での中枢部を狙った同時多発テロ。そして、(まだ途中だけれど)その後の報復に向けた米国及び自由主義圏の動き、またそれに反発するアラブ圏・イスラム圏の動き。ってのがありますが、あっしが思うには、下記(注1)で書いた通り、今後どういう動きがあるにせよ、全体としては「イスラム原理主義勢力の衰退・滅亡」という流れに、確実になると思うし、さらに言えば「イスラム教そのものの衰退」の流れにもなると思うね。(但し大きな流れなので、1年や2年で、の話じゃなく、数十年のスパンで見ないと駄目だけどね。。)

 何故かと言うに、結局の所、精神論ばかりが突出して、「貧困・飢餓・民族差別・民族紛争」といった(人間が生きていく上での非常に大きな)問題を、具体的に正面から解決する術を提示できないイスラム教は、あの世ではどうか知らんが\(^o^)/この世では受け入れられるものではなくなるだろうから、というのが根拠。いや、勿論、自由があり物資もありでイスラム圏よりはましな今の自由主義圏とはいえ、問題無しとはしませんよ。環境問題も有れば貧富の差問題も有る。凶悪犯罪、低年齢者犯罪、性犯罪等の犯罪問題はかなり深刻だし、それらを助長する麻薬問題も有る。しかしながら、あくまで相対的に比較で言えば、自由主義圏のほうに世界全体が傾斜していくのは止められない流れだって事ですね。ソ連崩壊・東欧圏崩壊に見る共産主義圏の崩壊も、結局は『共産主義』という主義主張(←結局机上の空論でしかなかった訳だが(T_T))よりも『自由主義』という実際の豊かさのほうが優ったという事でしょう。イスラム教も共産主義と同じで(いや、唯一の違いとして『有神論』か『無神論』かって違いがあるけどね\(^o^)/)、現世の、この世に於ける問題、つまり先に書いた「貧困・飢餓・民族差別」といった諸問題に正面から取り組まず(取り組めず)、最初からあの世へ逃げてるようでは、結局共産主義が衰退したように、イスラム教も間違いなく衰退するだろうね。イスラム教徒には悪いけど。

 あ、一応イスラム教徒の名誉の為に書いておくと、イスラム教っていうのは、一般的には非常に穏やかな、在家宗教だって事もあっしは知ってます、知ってるつもりです。大学時代(もう約20年前だな\(^o^)/)、よその学部だったけどイランからの留学生がいて、イスラム教徒だったけど、とても今の原理主義勢力なんかとは似ても似つかない穏やかな考え方の人だったもの。その人曰く「よその国は知らないがイランのイスラム教徒は大体私みたいなもんですよ」と。「他の宗教を誹謗したり冒涜したりしないし、よその文化はそれとして認めるし、ただ自分らはイスラムの教えに従って生活するだけ。」また、「郷に入らば郷に従う」とも。その人、イスラム教徒なのに「聖別されていない」普通に売られてる豚肉や牛肉を食べてましたもの。\(^o^)/「文化の違う国に来てるんだもの、そこの文化に合わせますよ」って考え、(イスラム的にどうかは知らんが)私は大好きですね、こーゆー考え方。\(^o^)/
 さて、前置きはこれくらいにして(ここまで全部前置きかよ!←さまぁ〜ずの三村マサカズ風に)、あっしが今回ここで言いたいのは、今回の同時多発テロ事件の第一印象が、そう、タイトルにある通り「まるで映画の世界だなぁ」だったって事。不謹慎かも知れないけど、テレビで世界貿易センタービルへ飛行機が突っ込んでいく様子を見て、そう思った人って、凄く多いんじゃないの?余りにも現実離れしていて、何か空想の世界なんじゃないか、と。よくできたCGだなぁ、とか。\(^o^)/いやほんと、現実離れしてたもの。9月11日は、家に帰ったのが確か23時くらいだったんだけど、テレビ(最初見るのは必ずNHK。オッサンだもの\(^o^)/)つけたらいきなりアレだもの。最初は『タワーリング・インフェルノ』(注2)の新作か何かか?と思いましたよ、半分マジで。でも、NHKでしょ。NHKが民間映画会社の宣伝をする理由もないだろうし、だとすると何じゃコレわ?と思ったね。すったら、家のもんが「ニューヨークのビルに、飛行機が突っ込んでったみたい。何か、事故じゃなくて、事件みたい」って言うじゃありませんか、あーた。ぐぇぇぇそーなの?と思ってたら、どのチャンネルもみんなこのニュース(というより映像)一色ですもの。当然の如く驚愕したね。

 ただ、もの凄く驚きつつも、もう一人妙に冷静な自分が居て、「あーー、でも、こうやって映像を見てびっくりしてる人間が多ければ多いほど、テロリストどもにすれば『してやったり』、だろうなぁ。世界を震撼させる事がまず第一の目的だろうからなぁ。そういう意味じゃ第一目標は達成したな。でも、こんな事して、本当に世界の支持が得られると思ってんのかね?どう考えたって、アメリカは怒り狂うだろうし、今回ばかりは、どの国も(属国の日本は言うに及ばず\(^o^)/)アメリカに同情的になるだろうよ。京都議定書からの離脱問題だの、米本土防衛ミサイルシステム(NMD)問題だので、アメリカは最近世界からの孤立化を深めてたってのに、これじゃぁ、自由主義圏を再び団結させる大きなきっかけになるだけじゃぁないのか?どーせ犯人は対米テロ強行アラブ系の気狂い一派だろうに、これじゃぁ奴らの目的に反して、アメリカは世界を味方に引き入れてしまうぜきっと」と思ったね、その時は。

 で、実際、おおむねその方向に動いてるでしょ。アメリカは怒り狂いつつも、「即軍事報復」には踏み切らず、まず同盟国や中立国の「支持」を取り付ける方向で外交努力してるし、実際UAEやサウジアラビアは今回の件でタリバンと外交関係断絶に踏み切ったしね。(これでタリバンと国交を維持してるのはパキスタンのみ。)タリバンは完全に外堀を埋められつつあるよね。しかも一説によるとタリバン自体も決して一枚岩の組織ではないって言うし、特に今回のテロの首謀者(注3)、オサマ・ビンラディン(敢えて『氏』は付けない。テロリストの親玉に何故『ミスター』を付けにゃならんの?)とその組織『アルカイダ』を、受け入れるか否かで内部対立があるって言うから、意外と、「決してあり得ない」と思われてた、ビンラディンの身柄引き渡しが実現しちゃうかも知れんね。また、世界平和の観点から、無用な犠牲者を増やさない為にも、そうなってほしいね。。
(注1)ここであっしが勝手に想像するに、後世(例えば22世紀初頭\(^o^)/)の世界史の教科書での記述は以下のようになるでしょう。

「(略)....この20世紀終盤当時、貧困・飢餓・難民等のさまざまな問題を抱えていた中東やアフリカ(多くはイスラム教圏)諸国に於いては、経済繁栄で我が世の春を謳歌する(ように見える)北米・欧州・極東アジアといった自由主義圏(多くはキリスト教圏)諸国を、羨望からやがてねたみ・嫉妬、そして憎しみの対象と見る風潮が広まったその典型が当時「イスラム原理主義」と呼ばれた運動である。代表的な勢力集団としてハマス、タリバンなどがあったが、これらの実体は、「『イスラムの原点に帰れ』が表向きの主張であるが、内実は繁栄する他の宗教圏(キリスト教・ユダヤ教中心の自由主義圏、ヒンズー教・仏教・儒教中心の中立圏)を破壊する目的だけが先鋭化した、武装過激派集団」であった。(繁栄する他人を、自分と同レベルまで貶める事により、「自分が他人と同じ位置まで登った」と思い込もうとする、まさに悪魔的思想そのものである。)これらの勢力の起こした代表的事件として、
・2000年には、歴史的遺跡として名高い「バーミヤンの石仏」の顔の部分を破壊した。(イスラム教では偶像禁止、特に始祖マホメット(モハメド)の顔を描くことは偶像崇拝・容貌による差別につながるとして厳禁である。→但し、それを他宗教である仏教にまで勝手に押しつけ蛮行に走った事が世界から非難された。)
【2001.10/14訂正:「バーミヤンの石仏」の破壊行為は、2000年でなく、2001年3月の事でした。】

・2001年9月11日には、アメリカ合衆国でニューヨークの世界貿易センタービル及びワシントンの国防総省に飛行機(民間旅客機のハイジャック)で次々と突っ込んで自爆し、数千人の死者を出す空前のテロ事件を起こした。
などがある。いずれも、当時は一部の狂信的な支持者のいたタリバンの犯行であった。(合衆国テロは、タリバンそのものというよりその内部でもテロに特化・先鋭化したアルカイダという組織の犯行。)

特にアメリカ合衆国本土にテロを起こした事件は、原理主義勢力にとっては「イスラム諸国を一致団結させ、『悪魔の自由主義圏』対『神のイスラム圏』の図式での第三次世界大戦を狙った」ものである。しかしこの事件は、却って自由主義圏の危機意識を呼び覚まし、自由主義圏の団結のみならず、中国・インドなどの中立圏や過激派でないイスラム諸国をも連帯させる結果となり、「テロ撲滅」の名の下に、イスラム原理主義運動が世界中から駆逐されるきっかけになった。....(略)」

あーーー、単なる注釈がえらく長くなったな(疲)。
(注2)『タワーリング・インフェルノ』を知らない若い世代の人達の為に一応注釈しとくと、これは1975年前後(←正確な年は失念、スマン)にアメリカや日本で大ヒットした映画で、超高層ビルが火事になってパニックになる映画です。(←えらい簡単な説明やな。\(^o^)/)あっしなんざぁ『タワーリング・インフェルノ』の印象が強い世代なんで、世界貿易センタービルから煙が立ち上るさまを見て、すぐにそれを思い出した次第。
(注3)イスラム強硬派は「オサマ・ビンラディンがテロの首謀者と何故決めつけるのか」とか「明確な証拠が無い限り、ビンラディンの身柄引き渡しには応じられぬ」と言ってるけど、なーに、奴らみたいな気狂い連中は、仮に「明確な証拠」を突きつけられたって、「こんなのデッチ上げだ」とか、いちゃもん付けて、結局身柄引き渡しに応じる気なんかさらさらありゃーせんのですぜ、だんな。数年前のオウム真理教と同じだがね。\(^o^)/だから、アメリカはアフガン等に「明確な証拠」を提示する必要なんか無いね。ただ、同盟国や支持国には、証拠を提示する必要はある。軍事報復に踏み切る際に、支持を失わない為の根拠としてね。