MS幇間マスコミ・ベスト3


 年が変わっていつのまにやらもう2月。ヴァレンタイン・デーも近づいてきましたが(今年は日曜日なんだね)皆様いかがお過ごしでしょうか。私、去年の暮れにひどい風邪引いたのに、今月に入ってからまたも風邪引いてしまいました。(苦笑)全く、免疫力が低下してるのか、学習能力がないのか???

 さて、今回は前々から書かねばと思いながら(こればっか(苦笑))まだ書いてなかった、日本のパソコン関係のマスコミのお話です。知ってる人は皆知ってますが、日本のパソコン関係マスコミは、米国に比べたら、本当にひどいんですよね。早い話が、全て「MSの幇間(たいこもち)」であって、MSを正面から「ここが悪い」と批判した記事など、未だかつて見たことがない。(私、雑誌は色んなのを読んでますが、MS批判(的)記事を本当に見たことがない。)勿論、MSがその金持ち度に比例して、「良い仕事してますねぇ」の会社なら、私だって誰だって、批判する必要など毛頭ありません。が、現実は全く逆。MSはその有り余る金を、イメージ回復の為の宣伝費と裁判用の嘘資料作りにばっかり使ってるとしか思えません。(苦笑)肝心の、本来やるべき仕事の一つ、バグ取りになんぞ、全く金を使ってないように思えます。お〜い、IEやOutlook Expressの致命的なバグ、早く直してくれよぉ〜(って、これは世間一般の人の為に言ってるんであって、私自身はIEやOutlook Expressみたいな公害ソフトは使ってないけどね♪)

 で、そのような、商品を買って下さる消費者のほうを一向に向かず、広告主の顔色ばかり窺ってる、情けない日本のパソコン系マスコミの中から、とりわけ「MSの犬」度の強い会社を、私が独断で選んでみました。(笑)尚、ランキング選定の基準は、

 1.初心者への影響力(=初心者を地獄に叩き落としてないか)
 2.売れ数による影響力

を考慮して決めています。何故かと言えば、まともな技術者なら雑誌に何が書いてあろうと、「あ〜あ、またこいつ嘘書いてるよ」で一笑に付してしまえることでも、初心者にはそんなことは分からないからです。一番可哀想なのが初心者だからです。

 では早速ですが、ランキングの発表とまいりたいと思います。皆さん、拍手でお迎え下さい!
● 第3位 − ソフトバンク(株)
 第2位と激戦でした(笑)が、惜しくも2位争いに敗れての第3位となりました。「DOS/V magazine」「Internet User」「Notes magazine」等で知られるソフトバンク(株)です。現在の情勢からいけば、むしろこちらを第2位にするべきだったかも?という思いもあるんですが・・・

 このソフトバンク、ご存知の方も多いと思いますが、あの孫正義さんが実権を握ってる会社なんですよね。(余談ですが、私、つい最近まで、この人の名前、「ソン・チョンギ」と読んでました。だって、明らかに韓国系の名前だし、そーなるとあちらの発音で読んであげるのが正しいのかなぁ、と。一応、正しくは「ソン・マサヨシ」だそうです。)この方はコンピュータ関係以外の一般紙(誌)にもよく取り上げられる有名な方です。(大抵は、ベンチャーから一大企業群を育て上げた立身出世の雄、みたいな取り上げられ方です。)で、この孫正義氏、かつてはビル・ゲイツを敵視していた時期があり(注*1)、それ故に、私もその反骨の気概に惚れ込んで(変な意味じゃなく(笑))いた時期もあるんですが、もう最近の体たらくと言ったら、目を覆うばかりのひどさ。

 例えば、孫正義氏、以前は、ゲイツのことを「ああいう人物が地球上に3人存在したら、人類は滅ぶ」とか、すかっとする暴言を吐いていた(笑)んですが、最近はMSの逆鱗に触れるのを恐れてか、そういう発言は全く聞かれなくなりました。どころか、もう全くのMSの犬状態ゲイツのことを「人類の偉大なリーダー」と称えてみせたり、挙げ句は「この人抜きにコンピュータ・サイエンスの今のような発展は考えられなかった」と言って(注*2)みたり、いくら商売とは言え、この変わり様はないだろ、って感じかな。

 まあ、そんな訳で、経営トップがこんな有様に成り果ててしまったので、その会社が発行する書籍類もその風をもろにかぶってしまって、今ソフトバンクが出してる雑誌はどれもMSの幇間そのもの。唯一の救いは「Notes magazine」がタイトルから分かる通り、Lotus Notesの設定・運用に関する雑誌なんで、MSの犬である必要がない、という事ぐらいか。(それでも、NT上のNotesの運用中心だったりで、やはりMSの呪縛から逃れきってない感はあるが。)とは言え、「Notes magazine」なんて、情報システム関係の管理者ぐらいしか真面目に読まないでしょう。初心者にはあまり関係ないと思われるので、そこが残念ですね。

 他の雑誌は、「DOS/V magazine」も「Internet User」も、MSの宣伝紙と化してしまってます。特に、技術者から見れば何も中身のない、単なるMSの宣伝部隊に過ぎない田中亘とか山田祥平とかのクズ・ライターを重用してる「DOS/V magazine」は酷いね。それでも、救いは、同じ「DOS/V magazine」に、米田聡氏などのまともな技術者の連載やコラムも載せてる点、それに時代の寵児だから当然とは言え、LinuxやFreeBSDなども取り上げてる点、ね。まあ、そんな状態なんで、「DOS/V magazine」は玉石混淆というか、評価が難しいんですが、この雑誌の存在を考慮して、ソフトバンクを一応第3位とした訳です。(笑)これがなかったら、間違いなく堂々の第2位ですな。
● 第2位 − インプレス(株)
 ソフトバンクとの激戦を制して堂々の第2位は、これまたMSの犬度から言えばかなりの高得点間違いなし、インプレス(株)です。おめでとう〜ってくどいなわしも。ちなみに、この会社は「DOS/V POWER REPORT」「Internet magazine」等で知られます。

 で、この会社も、昔はこんなに酷くはありませんでした。この会社の前身、「(株)ラジオ技術社」だった頃は、例えば「DOS/V POWER REPORT」にしたって、それなりに良い物を提供してくれてました。それが、インプレス・グループに吸収される形になってからは、(時代が、丁度Windows3.1でMSがブレイクする時期だったことも手伝って)もうMSの犬路線まっしぐら。ひたすら、「MSにゴマすってやってけば無難に商売できる」って姿勢が、ヒシヒシと伝わってきます。(苦笑)その典型が、一昨年の暮れに起きた、「窓の杜」アンケート捏造事件(注*3)ですね。(「窓の杜」の運営方針は、あまりに評判悪かったので、去年から少し改善したようです。)

 まあ、インプレス・グループ自体は、ソフトバンク・グループと違って、(孫正義氏みたいな)個人名というか、個人の顔が付きまとうグループではないので、グループの総帥が誰か、とかは私知りませんが、トップが誰であるかによらず、初心者を対象とした雑誌・書籍で、初心者を騙して荒稼ぎをしてる点が、この会社の罪深いとこ。雑誌なら「Internet magazine」、書籍なら例の各種「できる○○○」シリーズですな。

 考えてみると、「Internet magazine」にしても、悪いとこばっかりじゃないんですけどね。インターネット時代ゆえの法的な難しさ等に弁護士とまともに取り組んだコラムも連載してたり、良い記事もあるにはあるんですが、如何せん、あのIEを標準ブラウザと決め打ち(笑)して特集組んだり、何だかMSの意向の通りに動いてる、って感じが強くするんですよねぇ。その点がマイナス。

 それと、例の「できる○○○」シリーズが更にポイント下げてますね。先にも述べた通り、技術者としては評価する値打ちもない(注*4)あの田中亘をライターとして懲りずに使ってるとこが、結果的にインプレスという会社の評価自体も著しく引き下げてます。インプレスは、そのことにちゃんと気付いてるのかな?多分、気付いてると思うんだけど、初心者(=無知、馬鹿)から金巻き上げるには、逆に田中亘の著作なんかは格好のエサだから、懲りずに重用してるんでしょうね。それで、「技術的に嘘が書いてある」なんて苦情が出たら(読者は初心者が大半だろうから、そんな指摘もあまり無いんでしょう)、「ウチは販売してるだけで、書かれたのは田中先生ですから・・・」ってな感じで逃げをうつのは目に見えてるよね。(笑)

 いずれにせよ、第3位のソフトバンクとの順位差を決定づけたのは、この「できる○○○」シリーズの存在であった事は間違いありません。
● 第1位 − アスキー(株)
 さて、いよいよ栄光の第1位は、2・3位争いなぞ我関せず、ぶっちぎりでトップのゴールを切った、アスキー(株)です。よ〜っ、おめでとう。パチパチパチ。ほんとくどいな、わしも。ちなみに、この会社、「月刊ASCII」「ASCII DOS/V ISSUE」「Windows magazine」「週刊ASCII」等、もう雑誌目白押しです。創刊するのも多いが廃刊するのも多いのも有名です。(笑)割と最近では「スーパーアスキー」が廃刊されましたね。

 で、このアスキー、先の2・3位の2社と違って、もう設立当初からMSの犬ですからね。この会社の設立の経緯を知ってる人なら知ってるけど、このアスキーって会社は、もともとビル・ゲイツの仲間(友人とも言う)だった西和彦氏が、Microsoftの極東総代理店みたいな位置づけで興した会社なんですよね。つまり設立時からMSの意向のままだった訳で、そりゃMSの犬度でライバルが居ない訳だわ。(笑)ただ、マイクロソフト日本法人が正式に立ち上がった時に、アスキーから人材がMSKKへ引き抜かれた事件がもとで、西和彦氏とビル・ゲイツちゃんの密月時代も、完全に冷え込んだんですけどねぇ、一旦は。それでも、かつて同じ釜のメシを喰った仲間は捨てがたいのか、(というより完全にビジネス優先で、という事だろうが)いつのまにか元の鞘に収まって、アスキーはMSKKの各種ソフトの解説書を販売したり、「マイクロソフト公認○○講座」なんてのを開いて荒稼ぎする構図が完全に定着する訳です。

 そんなアスキーも、もう2年前ですか、設立者の西さんを解任して、放漫経営路線、MS追従路線から少しは軌道修正するのかと思いきや、全然そんな気配もなく、寧ろ以前よりMS依存・MS賛美体質が強化されてしまいましたね。良くも悪くもゲイツや古川さん(MSKK会長)にものを言えた西さんがいなくなって、「もうMSの奴隷になりきるしか生きる道はない」と腹をくくったようです。(爆笑)私としては、逆の方向で腹をくくってほしかったですが。。。

 MS賛美が目に余るのは、もう今のアスキーの雑誌ならどれを読んでもすぐ分かります。Windows95にIE4.0を入れるとまずい現象が色々起きる、って事が問題になってる時ですら、そんな記事は一切載せず、「こうやって使いこなそうIE4」みたいな特集組んで読者を地獄に叩き落としてましたし。(怒)しかも、IE4.0とNetscape Communicator 4.0の比較記事では、「現状ではIE4のほうがやや洗練されている印象がある」と結論づけたり。をいをい、まともな技術者ならIE4とNC4を比べれば、殆どの人間が、NC4のほうがマシって言うぞ。(笑)おたくの会社は技術系の雑誌出してながら周囲に技術者いないんか、って言いたぁなりましたわ。(笑)

 そんなこんなで腐りきったアスキーの雑誌の中で、異色ともいえるまともな雑誌が、「スーパーアスキー」だったんですが、それも去年廃刊されましたからね。ああ、腐った会社ゆえにまともなものは消えてゆくのか、と妙に感慨深かったのを覚えています。「悪貨良貨を駆逐する」とでも言いますか。。。
 今回は、MSの幇間マスコミについて、取り上げてみました。如何だったでしょうか。

 まあ、何ですな、MSが恐い、特にMSKK(マイクロソフト日本法人)が恐い、特にアル中(の噂のある)の成毛社長が恐い、ってのは、日本のパソコン業界で商売する身なら分からんでもないですが、とは言え、やっぱりまずはお客様第一でしょうが。誰がその雑誌(書籍)買ってくれるお陰で、アンタらメシが喰えるの?お客さんでしょ。それも多くは初心者でしょ。そういう人達騙して地獄に叩き落として、叩き落とした後で手を差し伸べてもう一度救助料取る、みたいな商売のやり方やめなさいよ。今のうちにそういう詐欺的体質改めておかないと、気が付いた時には全国民から総スカン喰ってるかも知れないよ。
(注*1) まあ、孫正義さんがビル・ゲイツを敵視するような発言を繰り返してたのは、多分にパフォーマンス的意味合いが強かったんでしょうけど。でも、そうは言いつつも、結構本音っぽい発言もいっぱいあって、私は昔この人好きでしたね。(笑)
(注*2) 技術屋はともかく、一般の方は結構誤解してたりするので、一応注釈。ビル・ゲイツが、コンピュータ・テクノロジーの発展に寄与した部分など、殆ど、というか、全くありません。彼は「コンピュータ・ソフト開発をビッグ・ビジネスにした」商才のある人間には違いないが、テクノロジー的には何も新しいモノを創り出した訳じゃなく、元からある技術を見映えを良くして再利用してきただけです。今でもそうです。
(注*3) 「窓の杜」アンケート捏造事件の概要:「窓の杜」で1997年の人気ソフトの読者アンケートを取って、その結果の第1位がさる有名なシェアウェアのメールソフトだったんですが、サイト運営者が勝手に第2位だったIE4に票の積み足しをして第1位として発表した、というもの。MSへのゴマすりもここに極まれり、の事件。(私に言わせればIE4みたいな公害ソフトが第2位ってのに驚きますが。)
(注*4) 何故、評価する値打ちもないかというと、田中亘は自分なりに調べるとか、確認するとかいう技術系ライターなら最低限しなきゃならん作業を全くせず、MSの営業資料をそのまま引用するだけで喰ってるからです。しかも、彼にとっては不幸なことに(笑)、MSの営業資料は嘘が多いので、すぐバレてしまうんだよねぇ。