ビル・ゲイツの殊勝な言動?


 結構久しぶりの更新になります。二月に入ってからは初めての更新です。もう、文章の書き方忘れてしまいました(笑)。別に、更新するのをサボっていた訳ではないのですが、私、去年の暮れからもう一ヶ月以上、気管支炎に悩まされてきておりまして。二月に入ってから、さらに気管支の具合が悪くなって(咳がひどいってことです)、早い話、体調があまり良くなかったのが、更新間隔の開いてしまった最大の理由ですかね。体調が悪いもんだから、仕事をこなすのが精一杯で、プライベートなホームページの更新まで行う体力・気力がなかったってことです。現在は、かなり回復しましたので、またお付き合いのほど、宜しくお願いします。

 さて、二週間以上間隔を開けたこの間にも、この業界は色々な動きがありましたね。でも、文句なく一番面白かったのは、やっぱりビル・ゲイツ君がベルギーでパイをぶつけられたって事件ですね。この写真なんか、クリームにまみれたゲイツ君のいかにも情けなさげな表情が、傑作ですね。ゲイツ君、本当は、普段の如く激怒して、ぶつけた奴を(例の甲高い声で)罵り倒したかったでしょうね。でも、衆人環視の中(注*1)だし、まして、今、MSが対司法省、対ラルフ・ネイダー氏、対消費者用の広報戦略として、「MSって、決して傲慢不遜な会社じゃありませんよ。クールでナイスで洒落も分かる、ただ仕事には一生懸命なプロ集団なんですよ」というイメージを作り上げようと躍起になってる真っ最中なだけに、なおさら、最高経営責任者としては、あの場でキレる訳にはいかなかったんでしょう。うんうん、ゲイツ君、君もそれなりに大変なんだねぇ(笑)。

(注*1)ゲイツ君が今回ベルギーを訪れたのは、教育問題のシンポジウムに出席するためだったってのが、さらに笑いを増幅させますね。おいおい、他人の教育問題よりも、自分自身と自社の人間の教育のほうが先だろっての。特に、MSKK(MSの日本法人)の連中の「(本当は)技術もなきゃ何も分かってないくせにやたらと傲慢な」奴の多いこと。ホント、何を勘違いしてんだかねぇ、あの連中は。どうにかならんのかなぁ。あ、トップの成毛君からしてまさにそのタイプらしいから、どうにもならんか(笑)。
 ところで、ゲイツ君がパイをぶつけられて、少しは溜飲の下がる思いをした人は、全世界で十億人は下らないと思われますが(笑)、でも、よくよく考えてみると、ゲイツ君、パイをぶつけられた程度で済んでまだ良かったですよ。マジな話、ゲイツ君を暗殺したがってる奴って、相当数いるもの。そんな訳で、今回は、この、MSの創設者であり、現在も最高経営責任者の地位にあり続け、そもそもMSの体質そのものでもある、ビル・ゲイツという人物に、改めてスポットライトを当ててみたいと思います。まあ、あれだけの(良かれ悪しかれ)超有名人ですから、今までにも多くのかたが、ゲイツという人物像を分析されてきてますが、ここはまた、私なりの考えを述べてみたいと思います。
 
 さてさて、最近(昨年後半から現在まで)のゲイツ君の言動には、以下のような、聞きようによってはかなり殊勝なコメントがあったりしますので、それらをちょいと書き出してみましょうか。

 1.私は、子孫に財産を残すつもりはない。財産は、国家や世界の発展の為に使うつもりである。
 2.今後5〜10年かけて、米国の教育・研究機関に5億ドルを、私財から寄付する予定である。
 3.インターネットが全ての人に簡単に使えるようにすることが、私たち(MS)の責務である。
 4.インターネットを私たちが独占しようなどとは、毛頭考えていない。

などなど。(それにしても、私財から5億ドル(約600億円)を寄付しますなどと、嘘・冗談にしても凄い額ですね。さすがは一説には個人資産200億ドル超と言われる人だけあります。)

 それらの発言を受けて、マスコミ(特にMSの幇間(たいこもち)の多い日本のマスコミ)は、「ビル・ゲイツも、結婚して、子供ができてから、人間が円くなったようだ」などと論評したりしています。しかし、本当に、あの、人間失格のビル・ゲイツ君が、そう簡単に真人間になったりするもんでしょうか?穿った見方をするとかでなく、彼(及び彼の会社=MS)の過去のやり口を知っている人間には、到底、言葉通り、額面通りには受け取れませんね。

 そもそも、MSという会社、ビル・ゲイツという人間は、「約束(契約)とは、人を騙して出し抜く為の方便に過ぎない(注*2)」と、昔から考えており、かつ、その通りに実践してきています。(実践してきている例は、数限りなくありますので、私がここで例を挙げることはしません。)約束(契約)を信じて守ることが、社会的信義であるという認識は、洋の東西を問わず共通ですから、「約束を真面目に守った」為にMSにまんまとはめられ、煮え湯を飲まされた企業や個人は、米欧でもアジアでも非常に沢山存在します。そういう事実を忘れたら、えらいことになりますよ。ついでなので書いておくと、そのような社会的信義に反するようなことをさんざんやってきていながら、今まではそれほど大きな問題にされなかったのは、まさにビル・ゲイツの狡猾さ故なんですね。つまりどういうことかと言うと、

 一.社会的信義には反するが、法律には(ギリギリで)反しないよう、ボーダーラインを見極めている。
 二.約束を交わすとき、印刷された文書やFAX等を極力使わず、物的証拠を残さない
 三.それでもMSに不利な証拠が残ってしまったら、相手を金で抱き込むか、脅して諦めさせるかする。

ということなんですね。少なくとも最近までは、このやり方が、うまく奏功していた訳です。

(注*2)まるで、旧ソ連のスターリンのやり方そのものですねぇ(苦笑)。あ、だから、インターネットの各方面で、ゲイツ君は独裁者に例えられている訳か。それにしても、今よくよく思いますが、全てを一社で賄わなければ気の済まないところとか、ゲイツ君て、共産主義者だったんですね。
 ところがここに来て、今までのツケがどっと出てきたのか、MSバッシングが(日本はまだともかく)米欧で激しくなってきました。しかも、敵はライバル会社や司法省だけかと思ってたら、遂に消費者運動のカリスマ的存在であるラルフ・ネイダー弁護士まで乗り出してきたもんだから、ゲイツ君内心大慌て。何せ、MSにとって一番怖いのは、司法省にイチャモンつけられることなどではなく、「消費者から自社製品がボイコットされる」ことです。自社の製品が売れなくなることが、紛れもなくMSにとって一番怖いんです。その証拠に、MSは司法省や裁判所に対しては、幼稚な、相手をオチョクった対応をしており、つまるところ相手をナメているのが、ありありと分かります。ところが、一般消費者に対しては、イメージを良くしようと躍起になっており、その為の広報活動の一環が、上記の1.〜4.の、ゲイツ君の発言になる訳です。そういう視点で、最近のゲイツ君の言動を捉えないと、とんでもない罠にはまってしまいますよ。

 少し考えればすぐ分かることですが、ゲイツ君が、上記1.〜4.のような、殊勝なコメントを出すようになった時期と、ラルフ・ネイダー氏が、アンチMSを掲げて立ち上がった時期とは、ピッタリ一致しています。あれだけ、司法省の指摘にも裁判所の命令にも、嘲笑うかのような反応を見せていた人物が、急に殊勝なことを言い出したんですから、とてもじゃないが、真に受ける訳にいきませんわな。消費者によるボイコット運動にまでつながってはたまらんから、取り敢えず真人間になったフリをしとけ、ってのが、ゲイツ君の真意です。

 そういったことを踏まえて、今回の最後に、上記1.〜4.のゲイツ君の発言を、私が、きちんと正しく翻訳し、補足しておきたいと思います。

 1.私は、国家や世界からまきあげたお金を、私の子孫に財産として全て残すつもりである。
 2.米国の教育・研究機関から、今後10年以内に、5億ドル以上まきあげる予定である。
 3.インターネットを使う全ての人から、「Microsoft Internet」使用のライセンス料を徴収できるシステムにすることが、私たちの責務である。
 4.インターネットをMS以外が支配することなど、ユーザーにとって不幸なことであるから、私たちが独占しといてあげます。