始めに


 今はインターネットは当たり前のように生活に溶け込んでいますが、最初は使用者のほとんどは研究者だったそうです。 多くの研究結果を離れたところからでも見ることが出来、逆に自分の研究をより多くの人に発表することも出来ます。 最初のHTMLは現在のものに比べてあまりにもお粗末でした。色の指定もなく、かなり地味なものだったようです。 もっとも、HTMLが論文のために使われていたことを考えれば、それでも充分だったのでしょう。製品のカタログではないのですから、 そんなに派手である必要はなかったのです。今でもWeb上にある論文は地味なものが多いです。目立つことよりも内容を理解することを重視しているのでしょう。

 現在はHTMLの拡張がかなり行われています。本来はW3Cが発表する公式の規格があるのですが、多くのブラウザは独自の拡張を行っています。 その機能は演出上すばらしいのですが、独自であるがゆえに互換性がありません。多くのサイトではそれを承知の上で、または知らないまま使ってしまっています。 あまりにも多くの人が使うため、仕方がなく後から正式に追加されたものが多くあります。たとえば、FONTやフレームはネスケの独自拡張です。FONTはHTML3.0で、 フレームは4.0 Framesetで追加されました。しかしどちらも追加される前から当たり前のように使っていたわけです。 このサイトの趣旨から外れるので詳しくは説明しませんが、興味があれば、実際の規格文書を見てみるのもいいでしょう。 規格文書はW3Cのサイトにあります。

 前置きはこれぐらいにして、そろそろ本題に入りましょう。
 このサイトはブラウザごとの表示の違いを、解説を交えて掲載していきます。もっとも、シェアが50%を超えるような定番のものでは意味がないので、 テキストブラウザの代表であるLynx(リンクス)と、グラフィカルブラウザの原点であるMosaic(モザイク)をメインとしたいと思います。 普段はIEを使っているので、そちらのほうの解説も交えるつもりです。HTML4.0が発表されて、やっとブラウザの互換を考えるようになりました。 4.0は環境に可能な限り依存しないことを重視しています。ここの情報がクロスブラウザのサイト製作に役に立てば幸いです。


サイト開設の経緯

 チャットかICQか、どちらであったのかは記憶が曖昧なのですが、ある人からブラウザの違いを掲載するサイトを作ってくれないかといわれました。 丁度私自身そう言うことについて感心があり(今でももちろんあります)、覚えたことをまとめることを考えていました。 せっかくの情報ですから、自分の頭の中にしまっておくのではもったいないと思ったのです。データとしてまとめてあれば公開することが出来て、 それは情報の共有となります。正直言って需要がそんなにあるとは思っていません。それでも0ではないと思うのです。需要があるならそれなりの価値はあるはずです。 実際、如何にしてLynxで見ることが出来るようにするかという情報を公開しているLynxユーザは思ったよりたくさんいます。その情報は非常に役に立ちました。
 そういうわけで、私はこのサイトの設置を実行に移しました。予定より送れてしまった上に、実際いつまで続くかわかりません。 HTMLの拡張が続く限りはネタ切れはないとは思いますが、私の気力がいつまで持つことか・・・。不定期更新となると思いますが、よろしくお願いします。


タイトルについて

 "viewport"とは、CSS2で新しく追加された概念で、ブラウザで表示されている部分です。 この概念はXMLベースのグラフィックデータ記述言語であるSVGにもあります。 辞書で意味を調べてみると、port舷窓・荷役口だそうです。viewは見るという意味でしょうから、viewportは外から中を、 または逆に中から外を見るための窓と言うことでしょう。手もとの本では覗き窓となっていました。
 まさにこのサイトの趣旨にふさわしいと思いませんか?自分のブラウザの世界から、また違うブラウザの世界を覗いてみましょう。


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