トラックや大新聞のハイヤーはムダなアイドリングをやめよ
日本中でムダなアイドリングをしているクルマが常時どのくらいあるだろう.まず高速道路のサービスエリアに停まっているトラック,バス.これらは例外なくエンジンをかけっぱなしだ.カンバン方式とかいう経営システムがすばらしいと思われて,いまや日本中がカンバン方式だ.そのため物を運ぶトラックは工場に到着する時間を守るため早々と目的地の近くに来て,運転手は時間がくるまでアイドリングを続けながら仮眠をとるのが普通になってしまった.(途中略)
トラックだけではない.乗用車にもこんな風景はどこにでもある.例えば朝日新聞社などの多くのハイヤーはエンジンをかけっぱなしにしてエアコンディショナーをきかせ,室内を冷やしている.住宅地で大きな4WD(たいていはディーゼルだ)のエンジンをえんえんとかけっぱなしにする不心得者もいる.私の通う病院では,地下駐車場でエンジンをかけっぱなしにしている言語道断なヤツもいた.
私は冬のドイツでこんな光景を見た.零度以下のサービスエリアで,エンジンを切ったクルマのなかで,家族がコートを着てサンドウィッチを食べていたのである.そのサービスエリアは混んでいて食堂が満員だった.やむなくその家族はサンドウィッチを買い込み車内で食べることにしたのだろう.エンジンをかけないとヒーターがきかないから寒い.そこでコートを着込んだというわけだ.
ドイツではアイドリングは法律で禁止されている.日本中で行われているムダなアイドリングを考えると,日本でも禁止すべきだと思う.(以下略)
日本のクルマ社会を斬る(徳大寺 有恒)
webmasterの独り言:これは1993年度の「間違いだらけのクルマ選び」の中の評論だが1993年にもうアイドリング禁止を訴えていたなんて徳大寺さんもさすが!

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