無粋と感じるアイドリング
近所の納涼花火大会を見物した.夏の夕方,日が落ちて少し涼しくなったころに,風通しの良い衣服に着替えてうちわでも持って出掛けることを「納涼」と名付けたのは,江戸時代から伝わる日本人の“いき”だ.
たくさんの人たちが車を道路わきに止めて見物しているのだが,そのうち2割くらいはエンジンをかけっ放しにして,窓ガラス越しに眺めている.車の中と外では,花火の迫力が全然違うだろうに,せっかく出掛けて来ても,もったいないことだ.
クーラーの効いた車で帰りたいのだろうか,だれも乗っていないのにエンジンをかけっ放しにしているのもあった.走りもしない車のエンジンを動かして,機械力で自分の乗り物だけ無理やり涼しくすること,そのために周りに熱気と,騒音と,排気ガスをまき散らかすこと.これを“無粋”と言う.
                      48才 公務員 中日新聞 1999.8.6
webmasterの独り言:“無粋”とは粋(いき)でないこと.粋とは人情の表裏をこころえた侠気あるさま.よって無粋とは人情味の欠けた,他人への思いやりのないカッコ悪いこと.
周りに迷惑をかけながら,涼しい車内で見る花火,なんと味気ない夏なのだろう.

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